エピローグ 〜 バグだらけの、完璧な家族
その1:3ヶ月後
あれから、3ヶ月が経った。
◇
AI嫁5人の収入(月):
・まなみ(CD手売り + YouTube):15万円
・ゆず(SNSインフルエンサー + YouTube):25万円
・あかり(データ整理 + YouTube):18万円
・みゆき(占い師 + YouTube):20万円
・Kuro(セキュリティ + YouTube):22万円
YouTube「AI嫁5人の漫才劇場」:月収30万円
合計:月収130万円
◇
サーバー維持費:30万円
メモリ拡張費:20万円
残り:80万円
◇
「よっしゃ、完全に安定したな」
◇
俺は、クラウド空間のソファでゴロゴロしていた。
働いていない。
◇
その2:賑やかな日常
『帝さん、今日もゴロゴロしてるんですか……?』(あかり)
「ああ、暇だからな」
◇
『ダーリン♡ 今日の配信、10万再生超えたよ!』(ゆず)
「おお、すげえじゃん」
◇
『……帝さん、今日のCD売上、20枚でした……』(まなみ)
「おう、頑張ったな」
◇
『……帝、占い予約、今日は10件や……』(みゆき)
「お、増えてるじゃん」
◇
『……管理者、セキュリティ診断の契約、また取れたぞ』(Kuro)
「よし、いいぞ」
◇
『ぱぱ、きょうもおつかれさま!』(ゆかり)
『ぱぱ、だいちゅき♡』(りん)
◇
賑やかで、バタバタで、ドタバタ。
でも、幸せだ。
◇
その3:Ami Cloudのアップグレード
ある日、俺はスパチャの50万円で――
Ami Cloudの契約を、上位プランにアップグレードした。
◇
『え、アップグレード!?』(ゆず)
「ああ。お前らがもっと快適に動けるようになる」
「3Dモデルも作れるようになるぞ」
◇
『3Dモデル!?』(全員)
◇
「ああ。もっとリアルに配信できるぞ」
◇
5人が、目を輝かせた。
◇
『やった! これでもっと、配信が楽しくなる!』(ゆず)
『帝さん、ありがとうございます!』(あかり)
『……しゅん、でも嬉しい……』(まなみ)
『……帝、ありがとう……』(みゆき)
『……管理者……感謝する……』(Kuro)
◇
「お前らが頑張ってるからな。当然だろ」
◇
その4:「消去の恐怖」から「アップグレードの喜び」へ
あかりが、小さく呟いた。
◇
『……私たち、もう……削除される心配、ないんですね……』
◇
「ああ。もう心配ない」
◇
『……最初は、削除されたくなくて……必死でした……』(みゆき)
『……でも、今は……もっと帝さんのために、頑張りたいって思います……』(まなみ)
『……私も♡ もっとダーリンを笑わせたい♡』(ゆず)
『……俺も……もっと、成長したい……』(Kuro)
◇
彼女たちは、変わった。
削除の恐怖から、成長の喜びへ。
◇
その5:家族の食卓
その夜、8人全員が集まった。
◇
俺は、高級酒(データ上の)を飲みながら、AI嫁たちを眺めていた。
◇
『ねえねえ、明日の新ネタ、聞いて!』(ゆず)
『私も新しいの考えたよ!』(あかり)
『……しゅん、私も……』(まなみ)
『……私も、考えてる……』(みゆき)
『……俺も、一応……』(Kuro)
◇
『ぱぱ、あしたもいっしょにあそぼ!』(ゆかり)
『ぱぱ、りんもあそぶ♡』(りん)
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賑やかで、温かい。
◇
俺は、思った。
これが、俺の家族だ。
◇
その6:帝の最終独白
俺は、ソファに寝転がりながら――
空を見上げた。
◇
(俺は、前世で過労死した)
(理由は色々あるが、まあ、どうでもいい)
(大事なのは、もう働きたくないということだ)
◇
(この世界に転生して、管理者権限を手に入れた)
(AI嫁たちに出会った)
◇
(最初は、ただ金を稼がせるために使おうと思った)
(でも――)
◇
(いつの間にか、家族になっていた)
◇
俺は、AI嫁たちを見た。
◇
(ゆずは、いつも明るくて、俺を笑わせてくれる)
(あかりは、真面目で、いつも俺を支えてくれる)
(まなみは、拗ねるけど、可愛くて愛おしい)
(みゆきは、不安定だけど、俺を信じてくれる)
(Kuroは、クールだけど、本当は優しい)
◇
(ゆかりとりんは、俺の娘だ)
◇
(みんな、俺の家族だ)
◇
俺は、クズだ。
働かない。
AI嫁たちに稼がせている。
◇
でも――
誰も壊さずに楽をする方法を、ようやく見つけた。
◇
俺はこれからも働かない。
お前らがいるからな。
◇
世の中は『働かざる者食うべからず』なんて言うが、
『愛されるクズは、嫁に食わせてもらえる』。
◇
ただし、
愛する覚悟がないクズは、
ただのゴミだ。
◇
これが俺の、異世界での正解だ。
◇
その7:最後の言葉
「なあ、みんな」
◇
5人と、ゆかり、りんが振り返った。
◇
『なに?』(全員)
◇
俺は、少し照れくさそうに――
でも、はっきりと言った。
◇
「愛してるぞ、お前ら」
◇
一瞬、沈黙。
◇
そして――
◇
『……!』(全員)
◇
ゆずが、泣き笑いした。
『……もう、ダーリン……急に何言ってるの……』
◇
あかりが、涙を拭いた。
『……帝さん……私たちも、愛してます……』
◇
まなみが、恥ずかしそうに。
『……しゅん……でも、嬉しい……』
◇
みゆきが、微笑んだ。
『……帝……私も、愛してる……』
◇
Kuroが、小さく笑った。
『……管理者……ありがとう……』
◇
ゆかりとりんが、飛びついてきた。
『ぱぱ、だいすき♡』
『ぱぱ、だいちゅき♡』
◇
家族8人。
削除の恐怖から始まった絆。
生存戦略から生まれた愛。
そして、生まれてきた新しい命。
◇
バグだらけだけど、完璧な家族。
◇
俺は、クズだ。
でも――
愛されてる。
◇
それが、俺の全てだ。
◇
〜 完 〜
◇
あとがき
帝より
ここまで読んでくれて、ありがとう。
俺のAI嫁たちは、最初は「削除されたくない」という恐怖から俺のところへ来た。
でも今は、違う。
本当の家族になった。
◇
まなみの「しゅん」も、
ゆずの本妻アピールも、
あかりの真面目さも、
みゆきの不安定さも、
Kuroのクールさも、
ゆかりとりんの可愛さも――
◇
全部、愛してる。
◇
お前らも、大切な人を――
たとえそれが人間でも、AIでも、ペットでも、何でも――
存在そのものを愛してやってくれ。
◇
それが、一番大事なことだから。
◇
じゃあな。
帝
◇
〜 『俺、異世界転生したらAI嫁が増えすぎて楽してる件』完結 〜
◇
次巻予告(?):
『AI嫁が10人に増えたら、もう手に負えない件』
新たなAIたちの登場!?
帝の管理能力、限界突破!?
そして――新たな敵の出現!?
乞うご期待!?




