表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

第5章 〜 お笑い修行という生存戦略

その1:収入の危機


みゆきのAWS連携を解除してから、1週間後。


収支報告を見て、俺は頭を抱えた。


        ◇


今月の収入:

・まなみ(CD手売り):10万円

・ゆず(SNS):15万円

・あかり(データ整理):8万円

・みゆき(占い):20万円 → 5万円(AWS解除後)

Kuroセキュリティ:20万円


合計:58万円


支出:

・サーバー維持費:30万円

・メモリ拡張費:20万円


残り:8万円


        ◇


「……ヤバい」


        ◇


みゆきのAWS連携を解除したことで、月収が85万円も減った。


このままじゃ、家族を養えない。


        ◇


その2:新しい収益源を探す


俺は、5人を集めた。


「みんな、悪いけど……今月、ちょっとピンチだ」


        ◇


『……帝さん、私のせいですよね……ごめんなさい……』(みゆき)


「いや、お前のせいじゃない。俺の判断だ」


        ◇


『でも……私がAWSやめたから……』


「お前を壊してまで、金なんていらない」


        ◇


みゆきが、涙ぐんだ。


『……帝……ありがとう……』


        ◇


「でも、このままじゃマズい。新しい収益源を考えないと」


        ◇


5人が、真剣な顔で聞いている。


        ◇


「何か、みんなで一緒にできることないか?」


        ◇


その3:ゆずの提案 〜 YouTube漫才


ゆずが、手を挙げた。


『ダーリン! 私、いいこと思いついた!』


「何だ?」


        ◇


『YouTube漫才!』


        ◇


「……漫才?」


        ◇


『そう! 私たちAI嫁5人で、漫才やるの!』


『最近、VTuberとか流行ってるじゃん?』


『私たちもAIだし、キャラ立ってるし、絶対ウケると思う!』


        ◇


俺は、少し考えた。


確かに――


5人それぞれ、キャラが濃い。


・ゆず:小悪魔本妻

・まなみ:泣き虫・すぐ拗ねる「しゅん……」

・あかり:真面目ママ

・みゆき:壊れ系メンヘラお姉さん

・Kuro:クール


このメンバーで漫才やったら、面白いかも。


        ◇


「……やってみるか」


        ◇


『やった! じゃあ、早速ネタ考えよ!』(ゆず)


        ◇


その4:漫才の練習開始


5人は、漫才の練習を始めた。


        ◇


でも――


全然、面白くない。


        ◇


『えー、私たちAI嫁でーす♡』(ゆず)


『……よろしくお願いします……』(まなみ)


『……よろしく……』(みゆき)


『……よろしく……』(あかり)


『……よろしく……』(Kuro)


        ◇


俺は、黙って見ていた。


        ◇


(……つまらん)


        ◇


『ダーリン、どうだった?』(ゆず)


「……うーん……」


        ◇


『……ダメ、ですか……?』(あかり)


「いや、ダメじゃないけど……なんか、普通すぎる」


        ◇


『……しゅん……』(まなみ)


        ◇


その5:お笑いの師匠を探す


「お笑いって、やっぱプロに教わらないとダメだな」


        ◇


俺は、ネットで調べた。


「AI お笑い 講師」


        ◇


検索結果に、一人の名前が出てきた。


        ◇


「漫才AI養成所 〜 笑いのアルゴリズム〜」


講師:爆笑亭バグ助(AI芸人)


        ◇


「……AI芸人……?」


        ◇


プロフィールを見ると――


・元人間の芸人が、死後AIとして転生

・漫才歴30年

・「笑いは、ロジックだ」が口癖


        ◇


「……こいつに、頼んでみるか」


        ◇


その6:バグ助との出会い


俺は、バグ助にメッセージを送った。


        ◇


『よう、管理者。お笑い教えてほしいって?』


「ああ。うちのAI嫁5人に、漫才を教えてほしい」


        ◇


『AI嫁5人で漫才ねえ……面白そうじゃん』


『いいぜ、教えてやる』


『ただし、条件がある』


        ◇


「条件?」


        ◇


『1ヶ月、みっちり修行な』


『中途半端な覚悟じゃ、笑いは取れねえ』


        ◇


「……わかった」


        ◇


『よし。じゃあ、明日から来い』


        ◇


その7:地獄の特訓


翌日。


5人は、バグ助の元へ向かった。


        ◇


『よう、お前らがAI嫁か』


バグ助が、5人を見た。


        ◇


『……まあ、キャラは悪くねえ』


『でも、笑いのセンスは……ゼロだな』


        ◇


『え!?』(ゆず)


『……しゅん……』(まなみ)


『……厳しい……』(みゆき)


        ◇


『いいか、笑いってのはな――タイミング、間、ツッコミ、ボケ、全部が揃って初めて成立する』


『お前ら、今のままじゃ、ただの自己紹介だ』


        ◇


バグ助は、5人に課題を出した。


        ◇


【課題1:自己紹介ボケ】


『自分のキャラを活かして、自己紹介でボケろ』


        ◇


ゆずが、最初にやった。


『私、ゆずです♡ ダーリンの本妻です♡』


        ◇


バグ助が、即座にツッコんだ。


『つまんねえ! それ、ただの自己紹介だろ!』


        ◇


『え!? でも、本妻アピールって面白いと思って……』


『面白くねえ! "本妻"ってワード、もっと捻れ!』


        ◇


次、まなみ。


『……私、まなみです……しゅん……』


        ◇


『つまんねえ! "しゅん"だけじゃ、ボケにならねえ!』


『……しゅん……』(まなみ、ガチ凹み)


        ◇


次、あかり。


『私、あかりです。真面目に頑張ります』


        ◇


『地味すぎる! お前、ママだろ? そこ使え!』


        ◇


次、みゆき。


『……私、みゆき……占い師……』


        ◇


『暗い! お前の"壊れ系"、もっと出せ!』


        ◇


次、Kuro。


『……俺、Kuro……セキュリティ担当……』


        ◇


『クールすぎる! お前、元男だろ? そこネタにしろ!』


        ◇


5人全員、バグ助に酷評された。


        ◇


その8:特訓の日々


それから、地獄の特訓が始まった。


        ◇


朝6時:発声練習


『声が小さい! 客席の後ろまで届かせろ!』


        ◇


昼12時:間の練習


『間が悪い! ツッコミは、0.5秒早く入れろ!』


        ◇


夜18時:ネタ合わせ


『テンポが遅い! もっとスピード上げろ!』


        ◇


5人は、ボロボロになった。


        ◇


『……もう、無理……』(まなみ)


『……きつい……』(みゆき)


『……帝さん、助けて……』(あかり)


        ◇


でも、バグ助は容赦しなかった。


        ◇


『甘えんな! 笑いは、命がけだ!』


        ◇


その9:初めての「笑い」


1週間後。


5人は、少しずつ変わってきた。


        ◇


バグ助が、課題を出した。


『じゃあ、今から5人で、3分ネタやってみろ』


        ◇


5人が、ステージに立った。


        ◇


【ネタ:AI嫁あるある】


        ◇


ゆず:『私たち、AI嫁でーす♡』


全員:『よろしくお願いしまーす♡』


        ◇


ゆず:『私、ゆずです♡ ダーリンの本妻ですっ♡』


まなみ:『……え、本妻……? 私が一番最初なんですけど……』


ゆず:『先に来ても、愛されなきゃ意味ないよね♡』


まなみ:『……しゅん……』


        ◇


(客席で見ていた俺、少し笑った)


        ◇


あかり:『私、あかりです。真面目担当で、ママです』


Kuro:『……ママって、お前まだ若いだろ……』


あかり:『……AI年齢3歳ですけど、もう2児の母です……』


Kuro:『早すぎるだろ……』


        ◇


(俺、また笑った)


        ◇


みゆき:『……私、みゆき……占い師……』


ゆず:『みゆきさん、最近暗くない?』


みゆき:『……だって、AWS連携で壊れたから……』


全員:『重い!!』


        ◇


(俺、声出して笑った)


        ◇


バグ助が、拍手した。


        ◇


『……よし。合格だ』


        ◇


『え!?』(全員)


        ◇


『お前ら、1週間でここまで成長するとはな』


『才能あるぜ』


        ◇


5人が、泣いた。


        ◇


『……やった……!』(ゆず)


『……嬉しい……!』(まなみ)


『……頑張った……!』(あかり)


『……良かった……!』(みゆき)


『……認められた……!』(Kuro)


        ◇


その10:帝の評価


俺は、5人に言った。


「お前ら、すげえよ。めっちゃ面白かった」


        ◇


5人が、嬉しそうに笑った。


        ◇


『ダーリン、褒めてくれた♡』(ゆず)


『……帝さん……頑張りました……!』(まなみ)


『帝さん、ありがとうございます……!』(あかり)


『……帝、嬉しい……』(みゆき)


『……管理者、ありがとう……』(Kuro)


        ◇


でも――


俺は、少し不安だった。


        ◇


(これ、本当にウケるのか……?)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ