魔法は時に、 小さな命を救うためにも使う
【第2話:出会いの魔法】
「エミリア、今日も魔法の勉強をしようか?」
僕はエミリアに提案した。
彼女の目には学ぶ意欲が溢れていた。
「もちろん、アレックス。
あなたから学べることが楽しみよ!」
エミリアは笑顔で応じてくれた。
図書室で二人は魔法の書を開き、
熱心に勉強を始めた。
エミリアは僕の魔法に
関する知識と技術に驚いているようだった。
図書室の静けさの中で、
僕たちは古びた魔法の書を前にしていた。
そのページからは、
古代の知識が静かに息づいているように感じられた。
「アレックス、この呪文は...」
エミリアが小さな声で言いながら、
指で行をなぞった。
「ああ、これは古代エリディア
王国の保護呪文だ。
しっかりとした防御魔法の基礎になるんだ」
と僕は答えた。
エミリアの瞳が驚きで広がる。
彼女は私の知識の深さに感心しているようだった。
「そんな複雑な呪文を、
アレックスはどこで学んだの?」
彼女の興味深げな声が図書室に響いた。
僕は軽く微笑んで、
「遠い故郷でね。
本と自然との対話から学んだんだ」
と説明した。
「すごいわ...」
エミリアが感嘆の声を漏らす。
彼女の目には新たな尊敬の光が灯っていた。
僕たちは次々と魔法の書のページをめくり、
その知識を吸収していく。
彼女の知的な好奇心と
僕の経験が融合する瞬間だった。
「じゃあ、この呪文は...」
エミリアがまた一つの呪文に興味を示す。
「それは治癒魔法だ。
体力を回復させたり、傷を癒すのに使うんだ。
ここにある図解に従って手を動かすんだよ」
と、僕は彼女に手の動きを示しながら教えた。
エミリアは僕の指示に従い、
慎重に呪文を試みる。
彼女の手からほんのわずかながら光が漏れ出す。
成功の兆しだ。
「やったわ、アレックス!ありがとう!」
彼女の顔が嬉しさで輝いていた。
僕たちはその後も長い時間を図書室で過ごし、
お互いの知識を深め合った。
エミリアの才能に驚き、
彼女は僕の経験に敬意を表していた。
二人の関係は、
まるで古代の魔法使いとその弟子のようだった。
その頃、
王国ではドラゴンの襲撃の噂が現実味を帯び、
人々の間に恐怖が広がっていた。
市場では不安の声が高まり、
平和だったエリディアが脅かされていた。
「アレックス、
ドラゴンの噂を聞いた?どうしよう…」
エミリアが心配そうに聞いた。
「心配しないで。
僕たちにできることがある」
と僕は冷静に答えた。
次の日、市場で小さなトラブルが起こった。
迷子になった鳥が騒ぎを起こしていた。
僕はすばやく魔法を使い、鳥を優しく捕まえた。
僕は市場のざわめきに気付いた。
僕の目の前で、迷子になった
小鳥がパニックに陥り、
周りの人々を困惑させていた。
羽ばたきと鳴き声が市場に響き渡る中、
僕は冷静に状況を把握した。
「大丈夫かな、この小鳥…」
僕はそっとつぶやいた。
エミリアが隣で心配そうに見守っていた。
「アレックス、あの鳥、大丈夫かしら?」
僕は優しい眼差しでエミリアに微笑みかけた。
「大丈夫、何とかしよう。」
僕はゆっくりと手を伸ばし、
魔法を使う準備をした。
僕の指先からは優しい光が漏れ、
鳥に向かって静かに流れた。
光は鳥を包み込み、
その小さな体を落ち着かせた。
驚くほど穏やかに、
鳥は僕の手の上に安住した。
「ほら、怖くないよ。
君を安全な場所に連れて行こう。」
僕は優しく語りかけ、
鳥を両手で守るように持ち上げた。
周囲の人々が一様に驚きの声を上げた。
「すごい、アレックスさんが鳥を助けた!」
「魔法使いだって!本当に助かったよ!」
と市場の人々は感謝の声を送った。
エミリアも感動した様子で言った。
「アレックス、素晴らしいわ。
あなたの魔法で、
また一つ素敵なことが起こったわね。」
僕はにっこりと笑いながら
鳥を空に向かって放った。
「魔法は時に、
小さな命を救うためにも使うんだ。
それが僕の信じる魔法の使い方だよ。」
鳥は空高く飛び立ち、
市場の人々は拍手でその勇姿を讃えた。
僕は心の中で、
自分の力を正しく使えたことに安堵の息をついた。
その優しさにエミリアは感動していた。
「アレックス、あなたは本当に特別。
私も強くなりたい」。
「一緒に強くなろう。
僕たちなら乗り越えられる」
と僕は彼女の手を取った。
エミリアは僕の手を握り返し、
「そうしましょう」
と力強く答えた。
その夜、星空の下で二人は誓いを交わした。
「いつもお互いを信じて、支え合おう」
エリディアの未来は不確かだが、
僕たちの絆は確かなものになっていた。
第3話へ続く…
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