1。織田さゆりの面倒くさがりの日常。
1。織田さゆりの面倒くさがりの日常。
「大人になったら君が何になりたいの?」
そんな質問は子供の頃から今まで何度も聞かれてきた。そして今も答えが出ていない。あたしにわやりたいこともなりたいものも特になかった。いや、正確に言えば今はないから。でも質問されたら何かの答えを出さなければならない。それが礼儀だ。
「特に考えたことはないな。」
そもそも、その質問はおかしいと思った。5か6歳の頃、隣のおばさんがこの質問をしてきたとき、おばさんはあたしにどんな答えを期待していたのだろう?たとえ答えがあったとしても、その質問自体に意味はあるのだろうか?子供のやりたいことは、人が下着を変えるように、毎日変わるものだ。あたしがその質問にどう答えたのか、今ではもう忘れてしまったのかもしれない。いや、多分忘れたいだけなのかもしれない。ちなみに、今その質問をあたしに出していたのは担任の先生だった。先生は長い黒髪と美しい大人の顔、すらりとした体と長い足を持っていて、童貞高校生男子の夢そのものだった。また、先生には美しく深みのある、見つめる人を魅了するような、濃い褐色の瞳があった。先生が着ていた服は黒いワンピースとタイツだった。その上に白い白衣を羽織り、高いヒールを履いていた。先生が不機嫌そうな顔でこう言った。
「織田、君は自分の将来について考えるべきです。本当に将来やりたいことはないの?」
居候と答えたら、先生は怒っているだろうか?冗談でそう言ったらお母さんに頭を叩かれた経験がある。あたしは一つため息をついて、後でこう言った。
「先生、これに部活と関係があるんですか?」
「君の部活はそれを参考にして決めたかったんです。」
先生が拗ねた顔で言った。ちょっと可愛かった。なぜあたしが先生と部活の話を押してるか知りたいか?あたしが通う高校にはルールがある。生徒が必ず部活に参加しなければならない。最近部活やってない生徒が増えている気がする。それらの女子が「うち、時間ないし、まじ無理ゲーだし…」とか「部活って、超面倒だし、つまんなくね?!」とか言ってる。なぜギャル語?とにかく、先生がたがきっと部活とう呼ばれるカルチャーが無くなると恐れてるから部活が強制される。多分。あたしは別に部活には反対ではないけど、ただやりたい部活はないだけ。だから、学校が始まった一週間がたったのに、あたしはまだ部活を決めていない。そのせいで今、指導を受けている。一週間以内に部活を決めない生徒には、先生が代わりに部活を選んでいる。
「織田、君の顔を見ると、死にそうになったサラリーマンを思い出す。」
なんか失礼だ。でも死んだ魚よりはましかな。こないだ妹が「姉ちゃんの顔がマクドの店員さんみたいだよ!」と言った。あたしの顔がそんなに悪いのか?そうですか?確かに美人ではないけど、せめて普通で言って欲しい。あたしは普通だと思ってるから。普通が一番。体も胸も顔も普通でいい。普通でないといえば多分あたしの髪だ。栗色に染めてるから。あと、右耳にピアスが付いてるくらい。妹が、それわ不良ぽいと言われたけど、なにそれと思った。妹よ、人見た目で判断するなと学校で習わなかったの?
「君は子供の頃はもっと元気だったのに。昔からけっこう変わったな。」
言われなくてもわかる。あの時の自分と今のあたしは別人だ。あれ?なんで先生がそれを知ってるのかな?先生が何を言ったのかあたしは分からなかったから、尋ねることにしました。
「吉田先生とあたしが初めて出会ったのは、この学校じゃないの?」
「覚えていないの?私が20代後半のころ、君の小学生の先生だったの。」
驚いた、まさか先生が以前からあたしのことを知ってたんだ。
「じゃ吉田先生がそろそろ40代。まだ綺麗だから30代前半だと思った。」
急に頭から衝撃が感じた。先生の手だった。チョップで頭が叩かれた。
「殴ったね?」
「殴ってなぜ悪いか!貴様はいい、そうして喚いていれば気分も晴れるんだからな!」
ぼけが通じた。然し、これかなり古いネタだけどね。
「本当に40代じゃないんですか?」
先生のチョップが再びあたしの頭を叩いた。
「二度もぶたれた!親父にもぶたれたことないのに!」
だが、お母さんにはぶたれたことがかなりあった。
「それが甘ったれなんだ!」
先生が一つため息をつきながら続けた。
「とにかく、君には部活を決める必要がある。どんな部活がやりたいの?」
「帰宅部」
あたしはA. T.フィールドを貼るみたいにすぐに防御態勢を取った。痛いのは嫌だからね。でも何も起こらなかった。先生が軽蔑する顔であたしを見つめた。またため息をついて、先生がこう言った。
「私はその答えにどんな顔するわいいのかわからないの。」
あたしが防御態勢をやめて、にっこり笑った顔をして言った。
「笑えばいいと思うよ」
そのとき、頭の上にサードインパクトが起こった。
「そういえば、君は子供の頃絵を描くのが好きだったね。そうか、それがいい。美術部はどうかな?」
「そこだけ置かないでください。それ以外は何でもいいです。」
あたしは声をあげてそう言ったら、先生はちょっとびっくりして、あたしを見つめた。それは多分今まであたしはただふざけてだけでほんきじゃなかった。だからほんきのあたしを聞いた先生が驚いた。頭の中に嫌な思い出が蘇った。頭の中に嫌な思い出が蘇った。「できないならなんでやるの?」と誰かのあざ笑いの声が聞こえる気がする。先生は咳払いをして、後でこう言った。
「君は何でもと言ったな。だったらいい部活を見つけた。今日はもう遅いから、明日にしましょう。」
先生は言った後、あたしの背中を押して、お互いに教員室をあとにした。その後、軽い挨拶をして先生と別れた。
廊下を歩いていたら、背後からあたしを呼ぶ声が聞こえた。振り向いたらそこに小学生がいた。いや、小学生みたいな高校生がいた。藤宮さんだったっけ?あたしは人の名前を覚えるのは苦手だ。自分から誰かとは話を振りかけない。自分から誰かをどこかに誘わない。 誘われたらだいたい断る。「ごめん、今日は無理、また今度ね」とか「気が向いたら行く」とか言えば99%で誰かに二度も誘われない。だが、あたしはその1%の人間と今出会った。この子はこの一週間、毎日放課後にどこかであたしを誘っている。お昼休みのときも、「一緒に食べていい?」と聞かれると、あたしの返事を待たずに、この子は席に座る。また、毎日同じように来る。なれなれしじゃないか?別に、あたしは彼女が嫌いとかじゃないよ。他の人だって嫌いってわけじゃない。ただ、誰かと一緒に何かをするのはとても面倒なことで、できれば一人でいたいんだ。だからこそ、最初からグループ参加が必要な部活は拒否していました。団体で行動するのは苦手だ。他人の期待に応えるのはあたしには無理。他人に迷惑したくない。それはさておき、今がこの子が大事だ。藤宮は子供っぽい体型と顔をしている女の子で、鮮やかな緑色の目をしている。美しいセミロングの髪が焦げた茶色で美しく二つのおさげに結んでいた。制服のサイズが合っていないため、袖口から手がほとんど出ていない。よく見ると、彼女が小動物のようにとても可愛らしい。彼女の頭を撫でてあげたくなるほど可愛い。たぶん、彼女の顔を本気で見たのは初めてだった。彼女を上から下まで見てみると、この制服はやっぱりあたしの好みだと再び実感する。セーラー服のブラウスが真っ白で、襟とスカートが黒いんだ。そして襟のタイ(たい)はバッチリ鮮やかな赤!女子校生の制服といえばセーラー服じゃないと。他の制服とは比べ物にならないくらい、このセーラー服が優雅でスタイリッシュなんだよね。
「さゆちが今帰り?」
なぜかあだ名で呼んでる。自分から許した覚えはないけど。
「そう。何かようか?」
「チーズバーガーひとつ」
「あたし、マクドの店員じゃないけど。」
「じゃ、スマイルください!」
「けんか売ってんのか、君は?」
それにしてもスマイル0円でひどくないか?マクドの店員さんは可哀想だろう。店員さんの目が死んでいる理由が分かるよ。
「いや、ただどこかで食べに行かないかと誘われたかったの」
「誘い方がおかしいよ。そもそもどうしてそこまで一緒にいたいの?」
ちょっと悲しい顔で考え始めた彼女がこたえた。
「さゆちと仲良くなりたいからさ。」
なにこのあざとくかわいさ?こんな殺し文句を言われたら、断るのが難しい。
この子犬みたいな目であたしをみてたら、あたしのピュアなハートはなんでも許しそ。何だ、もしかしてあたしはけっこういいやつだぞ。
「今度だけだよ。」
あたしがそう言ったら、彼女がいきなり笑みが溢れていた。やだかわいい、あたしが男だったら告白したいくらいだぞ。まあ、これもたまには悪くない経験かもしれない。良い思いをするのかわからないけど。その後、あたしたちは上履きを履き替えて学校を出た。
あたしたちは、学校から25分歩いてやっと、すすきの駅の隣にあるマクド(まくど)にたどりついた。
「なんでわざわざマクドなの?」
「駅に近いから、さゆちも電車通学でしょ?」
「とにかく中に入ろう、外寒いし」
あたしは黙ってうなずいた後、あたしたちはマクドに入った。でも、なんであたしが電車通学してるのを知ってるのこのちびっこ?このマクドが二階建ての店舗です。一階はレジで、二階で飲食するスペースがある。あたしたちは列に並んで待つことにした。さて、どうやって時間を潰そうかな?ふつうは、一緒にいる相手と話をして過ごすと思うけど、あたしと藤宮はここに来る間、殆ど話していないよね。
ここでぼっちができる最高の遊びを披露する。それは人間観察だ。人間観察はさまざまなゲームにつながる。例えば、そこの太った男のシャツのボタンが、あっという間に外れるかどうかを当てるゲームだ。例えば、そこのお姉さんの着てる服は何円かかるか、またはあたしわそれに何ポイント与えるかのファッションチェックゲーム。すごく楽しいよ。本当だから、信じて!あたしが人間観察を楽しんでいると、急に藤宮が尋ねた。
「さゆち、部活動は何をするか決めたの?」
「吉田先生が決めたけど、まだ何も教えてくれてないんだ。」
「あれ、自分で部活動決められないの?」
「できるなら、一週間も待たないだろう?」
「さゆちは優柔不断だな。それならどうしてこの部活強制する学校選んだの?」
あたしは選んだんじゃない。親が決めたんだよ。そう言えばいいけど、説明するのが面倒だし、めんどくさいんだよね。中学校3年生の時、あたしは既に今のあたしによく似ていた。やりたいことも、なりたいものもなく、ただただ時間の流れに身をまかせていた。そんな目的もないあたしに高校を選ぶ理由はもちろんなかった。心配していた親が、結局この学校を選んだ。制服も綺麗だし、いいかなと思った。だが、あたしは知らなかった、親にははめられただと。まあ、自業自得だろ。あたしは、入学案内書読んだことないし。だから、部活強制する学校だったのはあたしに知るはずがなかった。あたしがそれを知ったのは、入学式すぐあとだった。親がもちろん知ってた。ちなみに、妹も知ってた。酷い家族だ。
「それより、あたしたちの番。 注文何にする?ハッピーセット?」
「さき私も言ったじゃないか?」
「あれ本気だったの?」
あたしの質問を無視して、彼女が注文を始めた。
「チーズバーガー一つと、店員さんの素敵な笑顔をください」。
店員さんは高校生ぐらいの茶髪男子だった。死にそうな目をしていたが、自分の最高の笑顔を見せた。それを見ていた藤宮も笑顔で返した。彼女の笑顔は天使のように美しかった。店員さんの目にも光が戻った。
「ちょっと、その名前聞いてもいいっすか?」
店員さんは礼儀を忘れ、藤宮に尋ねた。「藤宮かおりです。」彼女は笑顔のままで言った。
「このあと、暇?どっか行かない?」
「あの!あたしも注文したいんだけど。」
ちょっと悪い目で睨んで始めたあたしに、店員さんは顔を向けた。店員さんは普段の死にそうな目に戻り、不機嫌な顔であたしの顔を見つめた。すまん小僧、君にこの子が渡せない。藤宮が誰にでも優しいから、彼女が危ない人に合わせてはいけない。あたしが彼女を守れなきゃ!オーダーを頼んだ後、どや顔で「スマイルください。」と言った。もちろん、店員さんからはイライラした笑顔しかもらえなかった。なんでサービスがこんなに違うの?さっきのナンパが邪魔したから、それともあたしの態度が悪かったからかな?オーダーを済ませて、トレイを受け取り、二階に移動した。藤宮が隅っこの席を確保し、あたしは彼女の後をついた。彼女がニコッと笑って、バーガーをかじり始めた。ちなみに、あたしが注文したのは380円のベーコンレタスバーガーと、170円のベーコンポテトパイ、そして妹のために160円のプリンパイふたつです。ピッタリ1000円を支払った。あれ、何かがおかしい。あたしは計算をやめ、期間限定のパイをかじり始めた。サクサクのパイの中には、ホクホクのポテト、スモーキーなベーコン、そしてオニオンが詰まっていた。食べたら絶対デリシャスマイル!こんなに嬉しいことも悲しいこともないな。
「これいつかなくなっちゃうんだよね。」
小さな声で呟くと、藤宮がそれに気付いた。
「でも、その時は大切な思い出になるんじゃない?」
「思い出が?」
あたしには思い出というと、後悔しか思い浮かばない。あの時こうすればよかったとか、ああすればもっとうまくやったのかもしれないとか。だが、それには意味がない。起こった過去を変えることはできない。だから大事なのは今だけ。このベーコンたっぷりのパイ。ここで問題です。世界で一番美味しいものは何だろう?
ベーコンだろ!生でも、焼いたでもいい。ピザの上にも、ハンバーガーの中にも完璧。卵とパスタとパンとも仲良し。日本のソウルフードはなんだか知らないけど、世界のソウルフードはベーコンだ。ベーコンは嫌いな人は最早人間ではない、もしくは彼らがビーガンかベジタリアンか。ちなみに、ビーガンとベジタリアンは違うから、覚えておいたほうがいいよ。なにが違うかって?グーグルで調べろ!どうでもいいことを考えていると、藤宮が質問で静けさを打ち破った。
「さゆち、幼稚園の時の思い出がある?」
「無いな。トラウマを忘れたいっていう趣味があるから、昔に起こったことに感慨がないようにしている。」
彼女はぎこちなく笑う。
「それより、どうしてあたしと仲良くなりたいの?クラスの中に、あたしよりもっといいやつがいるぞ。たとえばあの水…水…水谷さん。彼女はけっこう人気なんだよ。かっこいいし。」
「水上さんよ。でも、さゆちもかっこいいし。」
「いやあいやあ」と手を振って合図する。「それは無いだろ。みんな目をそらして無視する。きっと、みんなあたしを嫌っているだろ。」
「嫌ってないよ。ただ怖いだけだよ。」
彼女は満開の笑顔で言った。良かった、誰もあたしのことを嫌ってないんだ。ははは。なんでこの子はこんな笑顔で平気で人を傷つけるんだろう?人の気持ちをもっと考えてくれ。この子に悪気がないのは厄介なんだよね。
「あいつら、あたしが怖いのか?でもなんで?」
藤宮が小さなキュートな人差し指であたしの顔をさす。
「その無愛想な顔。あと、その不良っぽい格好。」
「ご、ごめん。」
ちょっとビックリしたせいで、自然に謝ってしまったよ。まさか、この子があんなリアクションするとは思わなくてさ。でも、まあ、あたしはあたしだし。変わってもどうせ何も変わらないし、このままでいいんだろうって思ってるし。
「藤宮があたしと怖くないの?」
「私は怖くないよ。だって、さゆちが優しいから。」
それはきっと思い違いだ。あたしは優しくないから。
あたしは携帯で時間を確認し、支度の準備を始める。
「もうそろそろ行かなきゃ。」
椅子から立ち上がると、残ったバーガーを藤宮に差し出す。
「もらっていいの?」
あたしはうなずいた。藤宮は笑みを浮かべながら、バーガーをスクールバッグに入れた。
「でも、今日はラッキーだな。バーガー二つもただでもらったよ。」
えっ?値段がおかしかった理由がわかった気がする。その後、しばらく時間が経った後、マクドを出て駅で別れた。どうやら藤宮は電車通学じゃなかった。
電車からおりるとちゅう、携帯がピピッとなって。なんか妹からメッセージ送られてたみたい。メッセージが開くと、なかには豚の頭三匹と、一枚の包丁の絵文字が書かれた。これはあれだな、クイズ形式のお使いだな。いや、多分彼女は書くのはただめんどくさかっただけなんだけど。よくあることだ。翻訳すると「スライスベーコン三つ買って下さい」。あたしは駅に近いファミマに行くことにした。お店に入ったら、いきなりビックリしました。目の前に大きな人型のスタンディがあったから。なんだこれ?どうやら何かしらのアイドルとのコラボのよう。白雪りんご。なんか美味しそうな名前だな。りんご味の白雪大福が食べたいな。それにしても派手なスタンディだね。ファミマの限定ソフトクリームを食べると、スタンプカードにスタンプがもらえるんだ。5個集めたら限定CDがもらえるって。ハートマーク!こんなの誰が欲しいんだろう?どうせ在庫処分なんだろうけど。早く用事を済ませて帰ろう。必要なものをカゴに入れた後、レジに行こうとしたが、レジの前に一人キョロキョロウロウロしている女子がいた。中学生と思ったけど、彼女があたしと同じスクールコートを着ている。多分同じ1年生だろう。見たことはないから、おそらく違うクラスだろうけど。まあ、もし同じクラスでも、あたしが覚えているわけはないだろう。さすがあたし。でも、あたしは必要なクラスメイトの名前をもう覚えたよ。藤宮とか、藤宮とか、あと藤宮とか。藤宮は今、何をしているのかな?お家に帰れたかな?あたしはぼうっと考えていると、いきなりさっきの女子と目が合った。目が綺麗な紫っぽい色だった。彼女はネコの耳が付いた帽子を被っていた。その下から見えるショートの髪も、目と同じ色だった。手の中にはスタンプカードが握りしめられていた。彼女はまるで瞬間移動するように、あたしのところに突然やってきた。
「何か用か?」
彼女は答えず、あたしの手を取ってレジまで連れて行った。
そこで彼女が頭を下げて、スタンプカードを差し出した。
「これと何をすればいい?」
また答えず、ただレジ(れじ)の前にいる看板を指差す。あくまで話すつもりはないのかな?君の声優がハナカナか?看板を目をやって観察する。看板には「ここでスタンプカード交換できるよ! ハートマーク!」と書かれていた。なるほど!分からん。
「あのさ、ちゃんと言わないと君が何がしたいのかわかんないよ。」
彼女が分からないような顔してあたしを睨む。あたしはカードを見てると、もう交換できる状態になってると気づく。
「これ交換してくださいってこと?」
彼女は高速で頷く。自分でやりなさいよ。まあ、彼女何故か喋れないし、多分あたしがやらないと開放されないよ。あたしはレジに行って自分のお買い物を済ませて、あとでカードを交換した。その後、あたしが彼女にCDを差し出した。彼女は嬉しそうな顔であたしを見つめた。彼女が口を開けかけたが、何故かやめた、そしてお店から逃げた。ありがとうもなしかよ?まあ、どうでもいいけど。あたしは疲れた顔でファミマを後にした。どこかでモンスターでも買おうかな?
あたしが横断歩道を渡り始めたとき、後ろからかわいい声で「ありがとう」と聞こえた。あたしは後ろを向いたが、彼女はもう逃げてしまった。これがこの前に聞きたかったことだ。なんなんだよ、彼女は?今日ほんとに疲れた、やっぱりモンスターを買って家に帰ろう。