第八話 戦闘
ヘリが蠍座系 アンタレス 中心都市 スコルシストへ
到着した。
開花、夜野はヘリから飛び降り、急いで
現場へ急行した。
「グルルガアァァァァァ」
ティラノサウルスは苦しむ姿を見せながらも
人々に襲いかかっていた。
「うぉ、結構バイオレンスなのだ」
夜野は少し引いていた。
「引いている暇は無い、行くぞ!!」
「了解なのだ!!」
ふたりは右のNeouaの後ろにある
『戦纏収納装着[アルベールストレージデバイス]』
の1番左上のボタンを押した。
するとふたりのそれぞれの手元に粒子が
二重らせん構造の形をし始め、
開花には『炎の生命剣 プロミネンス』
夜野からは『Hassumアロー』が出現した。
戦纏収納装着とは登録した戦纏[アルベール]や武器を
転移させ、武器は手元に出し、戦纏は体に自動的に
身につけることが出来る装置である。
『生命剣』とは宇宙に存在する聖剣。
宇宙国では古来より聖剣制作が伝承されており、
熟練の職人にしか作れない。
だが、開花はあらゆる物も作れるため、
たまたま出来てしまったってことがよくある。
「お先なのだ!!」
「おい!むやみに攻め込むな!!」
開花は忠告するが時すでに遅かった。
ティラノサウルスは紙のごとく夜野を吹き飛ばした。
吹き飛ばされた夜野はものすごい勢いで
壁に激突した。
「油断するなと言ったろ」
開花はすぐさま夜野の所に駆けつけ、
『再生[リジェネレーション]』を発動した。
再生とは使用者の体力とNeoを少し消費することにより
全ての物質を治すことが出来る。怪我した際の
応急処置に使われることもある。
「イタタ……ありがとうなのだ」
「全く……次は気をつけろよ」
「わかっているのだ!!」
開花は本当にわかっているのかと呆れていた。
「夜野は遠距離から攻撃してくれ、俺は近距離から
攻撃する。」
「了解なのだ!!」
開花は素早い勢いでティラノサウルスに接近し攻撃、
夜野は遠くからHassumアローで攻撃を開始した。
開花はあらゆる武器を扱うが剣を気に入ってよく
使っている。
一方、夜野は主に弓を扱う。理由としては
とても強そうだから、だそうだ。
開花はティラノサウルスに剣から、
『護神光亡[ごしんこうぼう]』を発動した。
護神光亡とはNeoを光属性に変換し、相手を貫く生命術
である。開花が発動した護神光亡は見事に、
ティラノサウルスの前脚に命中し、右前脚を切り飛ばす
ことに成功した。
「お見事なのだ!!」
夜野は攻撃しながら賞賛したが、油断禁物。
ティラノサウルスは夜野に急接近し、夜野に噛み付こうとした。
「危なかったのだ」
夜野はギリギリの所で交わした。
ティラノサウルスの咬合力は牛の骨を噛み砕ける程の
威力であるため噛まれたら間違えなく即死だ。
「夜野、大丈夫か!?」
開花は夜野へ声を掛ける。
「大丈夫なのだ」
夜野は返事をした。
「しかし、あいつ手強いぞ」
「夜野、気を引き締めて行こう」
「了解なのだ!!」
夜野と開花は再び攻撃を開始した。