第七話 メリットとデメリット
開花と夜野はヘリに乗り込み、
蠍座系 アンタレス 中心都市 スコルシストへと
向かっていた。
「なんか複雑なのだ」
夜野がそう言い出した。
「そうだな、複雑だ」
開花も同感のようだ。
「まあ、メリットもあればデメリットもある
多分そういう事だろうな」
開花の言っていることは当てはまっている。
2040年 5月6日に恐竜の復活に成功したことを
きっかけに遺伝子技術は急速に発展した。
それにより今まで治療が不可能である
病気の治療などの医療技術の発達、
絶滅した生物の復活、更には遺伝子組み換え人間
『エンスージアンス』の誕生などにより
宇宙国は化学的に大きく発展していると言えよう。
しかしその分、デメリットも生まれている。
例えば絶滅した生物との共存などだ。
現在、復活した古代生物は野生化している。
しかし、生態系を作り変えることも少なくないらしい。
だがこの10年間で宇宙の生態系は大きく変化した。
そのため生命班は月に1度、全ての星々の生態系の
調査を欠かさずに行なっている。
理由としては生態系は時に周辺に住んでいる人々の
生活を変化させることもある。
そのため、月に1度、周辺の生態系の調査結果を報告し、
今後の生活面はどうするかなどの参考にしている。
「お、テレポートしたのだ」
夜野は少し興奮していた。
現在、宇宙国ではテレポート機能の開発に成功している。
仕組みはハンドルの中央にあるボタンを押すと
ヘリの両側にある装置が発動し、Neoを集め、
ワープホールを作り出す仕組みだ。
使用することにより、Neo粒子は消費するが
星から星への移動が早くできる事を可能にした
装置である。
「まもなく到着します」
ヘリの運転手にそう言われた。
「夜野、頑張るぞ」
「うむ、了解なのだ!」
ふたりはそう言い、着陸の準備を進めるのであった。