第五話 開花の騒がしい休憩時間
開花はソファーで休憩していた。
少し力を抜いていると
先程から後ろの方から「にゃー」という声がしている。
後ろを向くと猫耳に長いしっぽの付いた15歳くらいの
容姿をした少女がいた。
彼女の名前は『バステト・エジプイン』
見た目の割にはとてつもなく甘えん坊な性格だが、
根はとても優しく、困っている人や悩んでいる人が
いると見て見ぬふりができない性格らしい。
「撫でるにゃあ〜♪」
と言いつつソファーに上り、開花の膝に
頭を置く。
「仕方ないなぁ」
と呟きつつ開花はバステトの頭を撫でてやる。
「にゃふぅ〜♪」
バステトは安心した表情をしつつ
満足そうな顔をしていた。
「これから何するにゃあ?」
バステトが問う。
「これから仕事だ。今回は生命術式開発をするよ」
生命術式とは宇宙に漂う『Neo“next element origin”』という粒子を使い使用する
言わば魔法みたいなものである。
Neo[next element origin]とは
物質、生命体の元とも言われており、
宇宙空間から星々へ降り注ぐ無限エネルギーである。
生命術式は生命班が戦闘、防衛などに使われるが、
生活面でも電力にしたり、移動や自己防衛などに使われたりする。
開花は今回、国民も生命班も手軽に防衛できる
術式を開発するようだ。
現時点で開発されている防衛術式はほとんどが
Neoua(生命術式端末)を使用する。
しかし、ごく普通の一般人がNeouaを使ってしまうと
体力を大幅に消費しかねない。
生命班員達は普段、普通に体力を高めるトレーニングより
もっと厳しい体力トレーニングをしている。
だが一般の人々はどうだろうか。
生命班が行っているトレーニングを一般の人々がしている
ことはごく普通にはありえない。
さらに言ってしまえば、
たとえその中に体力の自信がある人でもその体力を
大幅に消費してしまうであろう。
体力に自信が無いまたは無い人は尚更消費するであろう。
そこで生命石を使い、体力をあまり消費しない防衛術式を
開発することを考えたそうだ。
生命石とは宇宙の星々全てで採れる鉱山資源であり、
Neoが元素となっている。
生命術式を生命石に入れることにより、
少しの体力だけで使用できる。
武器などに装填すると平均より倍の威力が出る。
Neouaの材料になったりもするため
宇宙にとってこちらもなくてはならない存在である。
「徹夜しにゃいでよ」
バステトがジト目で開花を見る。
「大丈夫。いつも通りの時間に終わらせるから
いつも心配してくれてありがとな」
バステトの頭を再び撫でるとバステトが
再び安心した声を出した。
休憩時間も終わり、開花は7階にある自分の席へと
向かい、仕事を始めたのである。