第四話 宇宙[そら]の毎日の楽しみ
5人はそれぞれの仕事場に移動した。
開花は少し休憩している。
神爪は5階にある司令室へ、水光は7階にある会議室へ
夜野は8階にある開発室へそして宇宙は何故か
地下に向かっていた。
生命班中央拠点の地下には主に素材が収納されている。
そこで宇宙は素材収納庫からボックスを取り出した。
生命班では作りたい物がある時は許可を持っていれば
自由に素材を使って良いとされている。
生命班では素材を全員で共有するらしい。
宇宙はそのボックスを持ったままエレベーターで
5階にある研究室へ入り、机にボックスを置いた。
「ふう、重いなぁ」
「さぁて、今日も調合しちゃいましょうか」
宇宙の目はいつも通りワクワクした目をしていた。
ボックスの中から出てきたのは
『ハーキュリベル』の溶液の入った瓶だった。
ハーキュリベルとは宇宙国の森林に生息する
竜盤目ワイバーン科に属する生物だ。
ハーキュリベルの溶液とは昆虫を食すことで
体内にある胃液で生成される
人工物質などを溶かす液のことだ。
この溶液は薬品や調合によく使われる。
宇宙は今回、溶液耐性を付ける薬品を作るため
使用するらしい。
宇宙は溶液の入った瓶を開けた途端
「やはり臭うなぁ」
と発言した。
「この匂いが癖になっちゃんだよなぁ♪」
変態かと思う発言だ。
「うふふ、相変わらずハーキュリベルの臭いは癖がありますね」
と清楚系女子っぽい声がした。
容姿はというと黒髪ロングの整った顔
そして服装は下は黒いスカートそして白いワイシャツの上に白衣を来た姿だ。
彼女の名前は『アスクレル・ギリシン』
生命班の薬品開発を中心に活動している中佐だ。
彼女は『神族』と呼ばれる人種だ。
彼女も宇宙と同じ言わばマッドサイエンティストであり
宇宙といれば毎回怪しい薬を開発しているだとか
と噂がたつ程である。
神族とは宇宙に古来よりいる人種であり
人間より長寿だ。
容姿や姿は人間と変わらないが、
150歳になると人間でいう15歳と同じ
体つきと容姿になり成長が止まるらしい。
またふたりが揃ってしまったと
研究員が噂話している中、宇宙とアスクレルは
気にせず話をしていた。
「もう!何か調合するなら私も呼んでくださいよ」
「ごめんごめん、忙しいかと」
「わ・た・し・は・い・そ・が・し・くありません!」
そんなに強調する程かと宇宙は思いつつ
アスクレルと調合を楽しむのだった。