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空間と日常のライフガルディアン  作者: スズキ目さん
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第二十一話 過去の恨み

開花はパルセルの前で着地する。


「パルセル、キミの負けだよ」

開花は哀れな顔をする。


「フフ……ハァハハハハハハハハ。

おめぇ、面白いヤツだな」

「別に面白いことを言ったつもりは無いよ。

ただ、同じ命でありながら、どうして

許されない罪を犯したのか。そもそもどうしてそんな

人を社会から生み出してしまったのだろうと思ってね」


開花の声が曇り始める。



その時、パルセルは何故か両目を瞑り口を開く。


「おめぇらになら話せそうだ。俺の生きていた時代を」


「生きていた時代?」


「あぁ、いわば俺の過去だ」


開花は黙り込む。


「俺はなぁ人間では無い。エンスージアンスだ。

人間と悪魔族の遺伝子を使って作られた。

隠しているが普段は悪魔族の羽が出ている」


「エンスージアンスだったのか……」


「意外だろ?まぁそのせい俺に対する周りの態度は酷かった。俺の生きた時代は悪魔族の偏見が酷くてな……

姿を見ただけで呪われるやら、魂を刈り取られるやら

なんの根拠もない噂を立てられて、 仲間が次々に虐殺されてった。エンスージアンスも例外ではなかった。俺達は正体を隠しながら生きてきた。隠していた頃は

みんな仲良くしてくれた。けどある事をきっかけにバレた途端変わった。きっかけについてはもう覚えてない。

ただ覚えているのは刃物で身体を傷つけられ、なんも罪もなくいたぶられ罵声を浴びせられた事だけ。俺はいつもなんでこんな目に遭わなければならないのか思っていた。両親にすら相談出来なかった。その時にはもう俺の両親は人間に殺された。そして俺の心にある感情が生まれた。

復讐心だ。俺は全ての人間が憎くなった。

俺が初めて生命班に入って武器を手にした時、

嬉しかった。これで復讐が出来る。俺が初めて

喜んだ瞬間だった。それからはもうわかるだろ?」


「あなたの心は喜びのあまり、憎悪という感情が暴発し、それ以降復讐しか考えられなくなったというわけね……」


開花は目から涙を流す。


「なぜ泣く?」


「もっと早ければあなたを救えたのに

それに気づかなかったせいであなたが復讐しか考えられなかったことに後悔してるだけだから」


「仕方がないことだ。

運命には誰にも逆らえないのだからな」


と言うとパルセルは自分の身体を見下ろす。

その身体は消えつつあった。

アグトーン戦纏[アルベール]の影響だ。

アグトーン戦纏は装備した者の感情に反応し、

肉体に負荷をかけながら力を増幅させる。

肉体に負荷を掛け過ぎると装備した者の遺伝子は

崩壊し、塵となって消える。

それがアグトーン戦纏だ。


「あなたの起こしたことは誰からも許されない。けどあなたの話した過去を二度と起こさせないようにみせる。

そうあなたに約束する。だからあなたは眠りなさい」


開花はパルセルの前に屈み、パルセルの胸に手を当てた。


「ハハハ……。俺から言えることはこれだけだ

忘れるな。世界はお前の思うほど甘くない……」


パルセルはその言葉を最後に完全に塵となって消えた。


開花はパルセルの装備していたアグトーン戦纏の

強制解除部位の欠片を右手に握りしめ、胸に当てる。


「わかっているよ。だって私達は五英雄の核の契約者

だから」


開花はパルセルの強制解除部位の欠片を胸に当てながら

夕日の沈む茜色の空に黙祷をした。


五月二十九日

午後五時三十九分

パルセル・シルステル 死亡確認



ーーー2050年 6月06日ーーー


アルカナで起きたテロから一週間が経った。

今回、起こったテロでの死亡者は253人

重軽傷者は6032人確認された。


アルカナの都市は復興しつつある。


「うう……暑いねぇ。夜野」

「そんな事を言うななのだ!!

もっと暑くなるのだ!!」


開花達八人は復興の手伝いをしていた。

8日前、不発に終わったアグニブラストの影響で

倒壊した建物の瓦礫に埋もれていた夜野と宇宙は

たまたまディフェンドを咄嗟に発動したことで

無傷で済んだらしい。


何も復興の手伝いをしたいと言い出したのは開花だった。

ただ……やりたいとは言ったものの

言ったそばから開花は倒れ込み寝てしまったのだ……。

理由は遺伝子覚醒[ジーン・アウェイン]の影響で

体力を使いすぎてしまったからだ。


余談だが開花は5日も寝ていた。


「開花、無理はしないでくださいね?」


「大丈夫だよ、一夜。俺はもう寝たから平気だ」


「にしても開花よ。女体化は解けたようだな」


「水光はニヤニヤするな!!」


神爪はニヤニヤする水光の頭をペチンと叩いた。


「いったいなぁ…何してくれるんだよ!!神爪!!

せっかくカッコよく整えた髪型がズレるじゃないか!!」


「相変わらずナルシスト全開だぁな。水光」

「そうですわね……」


近くで見ていたダルニャンとポルズはコソコソと話していた。



水光と神爪がじゃれ合う中、開花は空を見上げた。


「こんな日常がずっと続けばいいのにな」

と開花はつぶやきながら復興の仕事の手伝いを

再開し始めたのだった。






夜野なのだ!!

次回は新しい我らの仲間が出てくるのだ!!

楽しみにしているのだ!!

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