第十九話 守りたい日々
「「はぁぁぁぁぁ!!!」」
パルセルの前に二つの刃が迫る。
刃の正体は水光の槍と一夜のレイピアだった。
「甘いな」
と言うとパルセルは蛇腹剣を投げ捨て、
背中に背負っていた刀を抜き、槍と剣を受け止め、
二人を飛ばす。
水光は地面に着地をし、一夜は飛ばされたままだった。
カン!!カン!!ザキーン!!
水光は槍を巧みに操りながらパルセルの右肩を目掛け
攻撃するが、ギリギリの所で刀で止められてしまう。
水光が右肩を狙っていた理由……
それは戦纏[アルベール]を強制解除できる部位が
あるからだ。
理由としては戦纏を装備した犯罪者などを無力化する場合に強制解除部位を攻撃する、破壊することで
無力化できるかららしい。
「くっ、刀の扱いが上手い」
「まだ諦めるのは早いですよ!!」
一夜は水光に励ましの言葉を掛けると同時に上から
パルセルの右肩を狙ってレイピアで突き刺そうとした。
しかしパルセルはレイピアを左手で受け止め、
右手に持っていた刀を上に投げ、水光の槍を右手に持ち、
体を回転させると、二人を空中ヘ吹き飛ばし、
2人目掛け、生命術式を放とうとした時、
神爪がパルセルの腰を切りつける。
パルセルの腰から血が出るが、何事も無かったかのように立ち上がり、神爪に向けて、ポピープリーズロージョンを放った。
そして投げた刀を右手でキャッチをし、パルセルは勝ち誇ったような顔をするが油断禁物。
夜野と宇宙がNeouaから生命術『アグニブラスト』を放っていたのだ。
『アグニブラスト』とはNeoを炎粒子に変換し、
圧力をかけ、炎のビーム状のようなものを放つ
生命術だ。
アグニブラストは殺傷能力が高く、まともに受ければ
軽傷では済まされない。しかし、パルセルは予測していたかのような余裕の笑みを浮かべると、
生命術『ディフェンド』を発動した。
『ディフェンド』とはNeoを硬粒子に変換し、
共に変換した氷粒子を使い、透明な壁を生成できる
生命術だ。
「逆に返してやるよ」
不敵な笑みを浮かべたパルセルはアグニブラストを
夜野と宇宙に向けて放った。
二人は避けたが、アグニブラストが当たった建物が
倒壊し、二人は巻き込まれてしまう。
起き上がった水光と一夜は神爪と共にパルセルに再び飛びかかるがシャイニングアローを大量に放たれる。
幸い当たらなかったものの地面に落ち、爆発したことにより
三人は吹き飛んでしまった。
「あらあら、なかなかの腕前と言うべきなのかしら。
でも、それを人を殺めることに使ってしまうなんて
勿体ないわね!!」
開花は戦纏収納装置[アルベールストレージデバイス]から、ツーハンドソードを取り出し、右片手に携え、パルセルに
飛びかかる。
サキン!!サキン!!
カン!!カン!!ドゴォォン!!
パルセルと開花は人とは思えない動きをして
交戦をしていた。
その証拠にあらゆるところに『属性蝶[エレメントバタフライ]』が散らばって飛んでいた。
『属性蝶[エレメントバタフライ]』とは
生成使い魔の一種であり、繁殖はできず、
自然にすら生息していない。ひとつの属性の力を
使うことができ、属性によって羽の色が変わる。
たくさんの種類にも分別することが出来る。
「ちっ、クソガキがぁぁぁぁぁ!!」
パルセルは頭に血が登ったのか、上空にシャイニングアローを大量に放つ。
がしかし、開花は全てのシャイニングアローを避けていた。
「うふふ。狙いが甘いわよ?」
「ガキが大口叩いてるんじゃね!!」
「あらあら怒ってもいいことはないわよ?」
「……ムカつく野郎だなぁぁぁ!!」
「怒ってもいいことないって言ったわよね?
まあいいわ。抵抗はよしなさい、パルセル」
キン!!キン!!キン!!
ドゴォォン!!ドゴォォン!!サキーン!!
パルセルと開花が刃を交えている音が30分も響く。
開花は属性蝶を巧みに操りながらパルセルを惑わせていた。
途端にパルセルは何故か動きを止めた。それを目視した
開花はパルセルと距離を取りつつ動きを止めた。
「……フハハハ、ハァハハハハハハハハハ!!
愚かだな、愚かだな!!」
「何が愚かなのかしら?」
「俺をお前ひとりで倒せないのを理解しておきながら
も関わらず戦うのか!!滑稽だ!!実に滑稽だ!!」
パルセルは勝ち誇ったように笑うが開花は
笑みを浮かべていた。
「あらあら、あなたの方が愚かでしょ?」
「なにぃ?」
「あなたは勘違いをしているわ。
まず私はひとりじゃないこと、それから五人は死んでないわよ」
その時、四方八方からシャイニングアローの
つらら型の光の刃がパルセルに迫る。
パルセルは余裕の笑みを浮かべつつで刀で切りつけた。
と同時に瓦礫が吹き飛ぶ。
瓦礫が吹き飛んだことにより発生した砂埃の中から人影が
五人見えた。
開花は笑みを浮かべつつ口を開く。
「全く、心配したのよ?神爪、水光、夜野、宇宙、一夜」
「すみません」
「我らは無事なのだ!!それに誰か来る気配がするのだ」
夜野の気配は的中、上から人が二人現れた。
その正体はポルズとダルニャンだった。
「あら?ポルズとダルニャン。
来てくれたのかしら?」
「わたくしたちも駆けつけるように命令されましたからね。まあ駆けつけた理由は私の勝手ですわ」
「僕は面白そうだからァ来ただけだぁよ」
「うふふ。なんか嬉しいわね」
「そ・れ・よ・り!!遺伝子覚醒[ジーン・アウェイン]の件は後々説明していただきますからね!!」
「わかっているわよ。ちゃんと話すわ」
「ならまずはアイツを倒すのだ」
「そうね。神爪、水光、夜野、宇宙、一夜、ポルズ
ダルニャン!!長年の悔いの残る戦いに決着をつけるわよ!!」
「えぇ!!」
「もちろんだぁよ」
「「「「「ああ!!!」」」」」
長年、六人にとって悔いの残る戦いに今、
終止符が打たれようとしていた。




