第八話 王都へ
「いつまで考えていてもいい案は浮かばんな。」
「すみません、父上。」
「いや、大丈夫だ。そろそろ屋敷に帰るとするか。」
そう言うと僕たちは教会を後にし、屋敷に戻った。
屋敷に戻ると教会であったことを第二婦人であるメフィアと妹のさらに報告した。
メフィアはステータスについて知っているため口を開けて放心状態だった。妹のサラはというと、、、。
「お兄さますごい!!私もお兄さまのようなステータスがいい。」
「サラも鍛錬をしっかりとすればたくさんの加護がもらえるよ。」
「ほんと?サラも頑張る!」
「サラは偉いね。」
そう言うと僕はサラの頭を撫でた。サラは気持ちよさそうになされるままだ。
このままいい子に育ってほしい。
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~数か月後~
「では、出発しよう。」
セドリックが出発の挨拶をすると馬車が動き始めた。
僕たちは母上と長男のライオス兄上がいる王都に向け出発した。
順調に王都に向けて馬車を走らせていると鉄の臭いがかすかにしてきた。
「父上。」
「戦闘をしているようだな。商人が魔物にでも襲われているのか。」
それは大変だ。しかし、どこで戦闘がされているのか臭いだけではいまいちわからない。
『創造魔法:サーチ』
僕はすかさず創造魔法で探したい対象物を見つけることができる魔法、サーチを作った。
これによると道なりにもうすぐ進むと馬車を囲んで五人の人と三十体の人型魔物が対峙している。さらに馬車の中には、三人がいる。
「父上。馬車が魔物に襲われているようです。人は五人。魔物は三十体です。」
「それはまずいな。今すぐ向かおう。」
「すみません父上。僕は先に様子を見てきます。」
「待て、アレン!!たとえお前でも厳しいぞ。」
僕は父上の言葉も聞かずに飛び出す。
身体強化を使い馬よりも早く現場に向かう。そこでは、貴族の馬車がオークにより囲まれていた。馬車を守っている騎士はここに着くまでに倒されたのか三人しか立っていなかった。
「加勢します!」
「加勢助かる。て、子どもではないか!?すぐここから離れろ、危ないぞ!」
僕が子どもだとわかると騎士は僕を逃がそうと声をかける。
「大丈夫です。」
僕はアイテムボックスから自分が作った刀を取り出し、身体強化と風魔法のを体にまとった。
そして、近くにいたオークの首を体から切り離した。
一撃で自分たちの仲間が殺されたことに気づいたオークは僕を一番の強者と認識し、一斉に襲い掛かってきた。襲い掛かってきたオーク五体のオークの首を体から切り離す。風魔法でかまいたちを作り出すと襲い掛かってきたオークのすべてを屠る。
すると残った三体のオークが僕相手ではかなわないと思ったのか馬車の方に走り出した。
「危ない!」
身体強化だけでは間に合わない。ここは魔法を使うしかない状況だ。僕は、馬車の前に土の壁を作り出すとオークが土の壁に攻撃をし始めた。しかし、少し魔力を多めに流した土の壁はびくともしない。
オークたちが手間取っている間に僕はオークまでの距離を縮めると僕は横に一線。すると、オークの首がずれた。そのままオークは倒れ動かなくなった。
「ふぅ、間に合った。」
すると、騎士たちが馬車を庇うように立ち僕に剣を向けた。
「お前は誰だ!?」
「申し遅れました。僕は、セドリック・フォン・ガルシアの三男、アレク・フォン・ガルシアと申します。」
「何かそれを示すものはあるか。」
「僕の父、セドリック・フォン・ガルシアがもう少しで参ります。父上でしたらわかりますか。」
「あぁ、辺境伯様は以前、王宮であったことがある。」
そんな会話をしていると父上の馬車が到着した。
「セドリック・フォン・ガルシアだ。加勢に参った。敵はどこだ。」
「辺境伯様、加勢ありがとうございます。ですが、そちらの子どもがすべて倒してしまいました。」
「アレクか。まさか、オーク三十体を一人で倒したのか!?」
「はい、、。父上。」
「まじか、、、。」
そう言うと父上は頭を抱えた。
すると馬車の扉が開き、人が降りてくる。
父上は、降りてきた人を見ると急に態度を変え、跪き最敬礼をした。
誤字脱字のご指摘お願いいたします。
次回、やっとヒロインが登場します。