第三話 ガルシア家
どのくらいの文量を書けばいいのかわかりません。今後、多かったり、少なかったりします。もし、物足りなかったり、文量が多くて見難かったらご指摘ください。
「ん?ここはどこだ?」
隆の意識が覚醒するとそこは真っ暗な世界だった。
「さっきの神様たちの部屋は真っ白だったけど今回は真っ黒か。」
すると遠くに明るい出口のような光が見えた。そこに向かい隆は真っ暗な世界を泳いだ。
「おめでとうございます。セリーヌ様!!元気な男の子でございます!!」
女の人の声がする。意識はあるが視界がぼやけてよく見えない。
「セリーヌ!!よく頑張った!!」
次は、男の人の声がする。声が野太いため、ものすごく筋骨隆々な男を想像してしまう。
「セドリック。この子の名前は決まっているの。」
「あぁ、この子はアレク。アレク・フォン・ガルシアだ。」
なるほど。転生はうまくいったらしい。そして、俺の新しい名前はアレク・フォン・ガルシアというらしい。後で知ったことだが『フォン』が付く名前の人はすべて貴族らしい。平民は名前のみ。ただ、商人などは名前とお店の名前をつなげて言う人がいるので、貴族かどうかは『フォン』がついてるかどうかで分かるようになっている。
「旦那様。申し訳ございませんが、セリーヌ様は出産で疲れております。申し訳ございませんが、今日のところは休ませてあげてください。」
「あぁ、すまなかった。また、明日様子を見に来る。」
メイドに促されて、セドリックは部屋を後にする。
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アレクが異世界に転生してから二年が経った。
生まれてから二年で分かったことがいろいろとあった。
まずはガルシア家についてだ。ガルシア家はエクスフォード王国の最南端にあるガルシア辺境伯領を収める貴族だ。エクスフォード王国には、騎士爵、準男爵、男爵、子爵、伯爵、侯爵、辺境伯、公爵の爵位がある。辺境伯は上級貴族で侯爵と同じ地位だ。なぜ名前が違うのかは役職が違うからである。
辺境伯は、隣国からの侵攻を防衛するために軍を所持している。各貴族領には、自治団はいるものの軍はその上をいく。だから、必然的に地位も上というわけだ。
次に魔法についてだ。この世界には魔法が存在する。まぁ、魔法神がいるのだから当たり前だが。この世界では、魔法は一般的で生活に根付いている。火をつけるのも魔法だし、手が汚れたら魔法できれいにできる。ただ、人によって魔力量が異なるため魔法師と呼ばれる人以外攻撃をしたりなどはできない。種類は、基本属性が火・水・風・土である。特殊属性として闇・光があり、それ以外に生活魔法と身体強化がある。
僕の家族構成はこんな感じだ。
セドリック・フォン・ガルシア ガルシア辺境伯領現当主・父
セリーヌ・フォン・ガルシア 第一婦人・母
ライオス・フォン・ガルシア 次期辺境伯・長男
ファビオ・フォン・ガルシア 継承権第二位・次男
アレク・フォン・ガルシア 僕・三男
メフィア・フォン・ガルシア 第二婦人
サラ・フォン・ガルシア 長女
セドリックはまさかの二人奥さんがいた。まぁ、この世界の貴族では普通らしくむしろ少ないほうらしい。貴族ってハーレムできていいね。
そして、次に注目する点は、まさかの腹違いの妹ができました。僕が生まれてから次の年に生まれてきてめちゃめちゃかわいい。まぁ、母上もそうだけどこの世界の男女は顔面偏差値が高すぎる。第二婦人のメフィアも相当な美人である。サラは、その血にたがわず将来有望だ。
「アレク、こんなところにいたのか。」
「ファビオお兄さま。」
「テレスが探していたぞ。」
テレスとは、僕専属の使用人で歳は僕の四つ上で六歳である。まだまだ、子どもだが僕の乳母の子であり、テレスが五歳になった去年から僕の専属として仕事をしている。異世界の労働基準半端ない。
「ファビオお兄さま、ごめんなさい。テレスにも謝っておくよ。」
「うん。そうだね。アレクはいい子だ。また、本を読んでいたのかい?」
「そうだよ。僕も早く魔法が使えるようになりたいな。」
「洗礼が終わって適性があれば使えるよ。母上は、魔法の天才だからアレクにも才能があると思うよ。」
「だと良いけど。」
洗礼とは五歳になると皆、教会に行き、祈りをささげることで自分のステータスや適性・加護などを知ることができる儀式のことである。僕の家族はすべての人が魔法に適性を持っている。
「僕は最近、洗礼を受けたんだけど風・土・水に適性があったし、兄上も基本属性の火・土、特殊属性の光に適性があったからきっとアレクにもあるよ。」
「うん。僕は信じるよ。」
魔法神から加護を貰ってるから一つの属性ぐらい使えるよね。それに、最近は、本で読んだ魔力のつかみ方を練習して、確かに体に何か力があることを確認したから大丈夫。その本に書いてあった魔力循環についても毎日、続けてる。でも、少し不安だから最低五歳までは続けるようにしよ。
「アレクは最近本を読んでいるんだろ?二歳なのにすごいな。それに言葉もすごく流暢に話すし、将来有望だね。」
「ありがとうございます。兄上。」
「最近は、どんな本を読んでいるんだい?」
「最近は、魔法書初級編と王国史と王国の地図を見ています。」
「え。そんな難しい本を読んでいるのかい。」
しまった。僕は精神的には三十五歳だが、まだこの世界では二歳だった。でも、兄上。あなたも五歳にしては相当流暢にしゃべられておりますが?まぁ、これも貴族教育の成果なのだろう。貴族は五歳になると本格的に教育が始まり、この世界の成人である十五歳には、貴族としての仕事を覚え始める。そのため、地球と違って早熟なのである。
「僕はてっきり絵本を読んでいるのかと思ったよ。アレク。本当に内容が理解できているのかい?」
「えっと、、、。ごめんなさい、お兄さま。本は眺めているだけです。」
「そうだったんだね。内容を理解していたらアレクが本当に二歳か疑うところだったよ。」
ごめんなさい、お兄さま。本当は三十五歳です。まぁ、見た目が二歳だから今後は絵本も混ぜながら読書をしよう。気味悪がられて、家から追い出されるのも嫌だしね。
少しは自重しようと思ったアレクであった。
誤字脱字のご指摘お願いします。
生活魔法と身体強化は基本誰でも使えますが、魔力量によってできることと、できないことがあります。