表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

第二話 五柱

「ここはどこだ。」


だんだんと意識が覚醒していき、周りを見渡す。


真っ白な世界。


「俺は、死んだのか。ブラック企業に就職して、充実した人生だったとは思わないけど、過労で死ぬより、人助けして死んだのならまだいいか。ここは天国か?」


こんなかんじに物思いにふけっていると横から声がする。


「フォ、フォ、フォ、目覚めたかの。」


立ち上がり横を見ると(たかし)と机を挟み椅子に座った五人の男女がいた。


「どなた様ですか?」


隆は彼らに見覚えがなかったため、直接聞いてみることにした。


「我々はお主とは違う世界の神をしておる。わしが創造神ゼノン。」


話しかけてきた老人はなんと神様だった。


「お主は地球という世界で少年を助け、非業の死を遂げてしまった。しかし、最後は自分の命を(かえり)みず、人助けをした。わしらは感動し、ここに呼び、もう一度違う世界で命を与えようと思ったんじゃ。」


創造神ゼノンがここに隆が来た理由を説明し、今後について話し始めた。しかし、隆には気になった点があった。


「俺、いや、私以外も人を助けて亡くなった方は大勢いると思います。なぜ、私が転生することになったのでしょうか。」

「確かにお主以外にも人助けをして亡くなった者はたくさんおる。じゃが、転生するためには器が大切なのじゃ。器が世界に合わなければ転生できん。以前にも転生した者がおったが、だいぶ昔のことじゃ。ちなみに、そやつは、適性があって、冒険者になり、やがて自分の意思が反映される村を作り、最終的に建国しおった。今回、転生するのはその国じゃ。」


ゼノンが転生する条件を説明し、なんとなくだが隆は理解することができた。


「おい、ゼノン。俺たちも挨拶させろよ。」


ゼノンの()隣に座っている筋骨隆々の男がゼノンに文句を言いながらこちらに向かって自己紹介を始めた。


「俺の名前はガウル。武神だ。お前はなかなか剣の才能がある。俺から加護をやろう。」


ガウルがそういうと手のひらをこちらに向けた。すると、隆の身体が光った。


「私は技術神のレア。君にはとてつもない発想力がありそうです。私からも加護を与えましょう。」


ガウルのさらに右隣に座っていたレアも、手のひらをこちらに向けると隆の身体が光った。


「私は生命神のフレイだよ。自分の命を(かえり)みず人助けをするなんてすごい。私からも加護を送るね。」


次は、中央に座るゼノンの()隣にいる、フレイも手のひらをこちらに向け、隆を光らせた。


「最後に私だな。私は魔法神ライン。よろしくな。君の世界は魔法がないのだな。ぜひ、使ってみてほしい。私からも加護を与える。」


次は、フレイのさらに左に座るラインがこちらに手を向け、隆を光らせた。


「皆、紹介ができた様じゃな。お、忘れておったわい。わしからも加護を与えよう。」


そして、ゼノンもこちらに手を向け、隆を光らせる。


「我ら五柱がお主が転生する世界の神じゃ。また、今後会うこともあるだろう。覚えておくのじゃ。」


そう言うと隆の身体が光りだした。


「神様方。ありがとうございます。私は、新しい世界で神様方の加護に恥じぬよう行きたいと思います。」


そう言うと隆は白の世界から消えていった。


「隆、頼んだぞ。お主がこの世界をもっと皆の笑顔があふれる世界にしてくれ。」


創造神ゼノンは隆に願いを託し、その姿を見送った。


誤字脱字のご指摘ありましたらお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ