第三話 攻撃開始
「親父!そいつは綾じゃねえ、華原だ!」
正鬼が叫んだ。
「おっと!」
俺は加速した動きで避けた。はずなのだが
「ぐっ!」
避けきれなかった。
常人じゃなくても俺の速さよりも速いやつはいないと思うんだが?
「正鬼!お前は綾がいたら連れて逃げろ!」
「あいよ!」
「行かせると思ってるのかしら?」
華原は正鬼に近付こうとする。
「おっと、行かせると思ってるのか?」
接近してクロスボウで矢を放つ。
ギィン!
何かに当たり、矢は跳ね返った。
「あなたで果たして止められるのかしら」
「止めるんだよ」
まあ実力だと息子にも劣るがな。
華原に逃げられた日
捜索隊の人たちから連絡が入った。
「華原霧奈の基地を発見した」と。何でも今までは相手の電波に引っかかると厄介なため、連絡を取れなかったそうだ。そして僕は今、車でその地点に向かっている。
(ここら辺だったかな)
僕は適当な所に車を止めると走り出した。
数分後
「利生さん、来られましたか」
「で?ここが華原家の基地?」
「はい、先ほど上空から|無人偵察機で偵察したところ、ここは軍事用の飛行場であることがわかりました」
「そんな場所は日本じゃ自衛隊か、華原家の基地ぐらいしかないもんね。報告ありがとう、ここからは僕一人で処理するから、みんなも疲れてるでしょ?僕の運転してきた車で皆で家長のところに行ってきて」
「はっ!」
そう言って捜索隊の人たちは立ち去っていった。
そういえば一ノ瀬家は、時代の流れで、あまり武器としては売れていないらしい。その代わり競技用のアーチェリーや、弓を作ったり、包丁を作ったりして生計を立てている。と家長が言っていた。
僕がここで言いたかったのは家長の知識はどこから仕入れられてるんだろうか?ということだ。
「ここからどうしたものかな」
こんな大きい基地に正面から入れるのはちょっと無理があるだろう。僕が今持っているのは狙撃銃。しかも五発だけだ。今考えても遅いけど、どうして僕は狙撃銃しか持ってこなかったのか不思議でならない。
ちなみに僕の能力は僕の血液を使って何でも作ることができる。
(でもこれ下手するといくら輸血パック持っててもすぐに貧血で気絶するんだよね)
「えーっと、取り敢えず場所を移動しよう」
「止めるんだよ」
俺はとりあえず距離を取り、矢を放つ。
ガッ
華原に当たりそうになった瞬間、矢が弾き飛ばされた。
(何が起こった?何も見えなかったが)
そう考えているといつの間にか華原が俺を殴っていた。
「う・・・っ」
能力を使っても姿をとらえられない。こいつ、速すぎる。
俺はナイフを取り出し切りつけた。
キン!
ナイフが弾かれ俺は前のめりになり、バランスを崩す。
「まz・・・」
「綾、さっさと来い!」
「速いよー」
俺は今、綾を連れて山を降りている。だがこの山、舗装された道がまったくない。
「もう疲れたー」
だからあまり普段こんな動かない綾にはたしかにきついだろう。
「肩車してやる、乗れ」
「ありがとう」
俺が燃費がとてつもなく悪いが多分家に帰る速さならこれが一番のはずだ。
『灰雷』
俺の刀を呼び寄せ、その上に乗る。
「三十秒で家に着く、しっかり掴まれ」
「うわっ」
俺は飛ばせるだけの速度で灰雷を飛ばす。
「分かった」
この使い方、速いっちゃ速いが俺と綾、合わせて体重が約80kgある。この速さと重さなら体力消耗が激しすぎるこの方法だと家に着く頃にはフラフラになるだろう。
そして三十秒後
「なん・・・だと」
家は火事になっていた。
小高い丘に着いた。
ここなら狙撃には適しているだろう。
塔の上に一人、扉の前に三人。
狙撃すべきはこの四人かな
四回、乾いた音が響いた。
完璧。
まだ僕の狙撃の腕も捨てたもんじゃないね(まあ血をつけて操ってるから当たりやすくはなってるけど)。
僕は走って扉から基地に侵入する。
華原霧奈の抹殺、これが僕の仕事だ。
まさかだけど、捜索隊の人たち騙されてないよね?
この基地、外から見るとわかりやすく厳重なくせに中の警備が明らかに薄いような気がする・・・
「侵入者だ!」
僕は血で創った棘を生やし、そいつらを貫く。
「が・・・」
大森家の人間が来たとバレたらめんどくさい。機動戦と行こうか。
血を操り、自動車と同じぐらいの速さで通路を通り抜ける。
「HQ!侵入者を確認!応えn」
勢いを殺さず蹴りを食らわせ、浮かび上がった体を棘で貫く。
「休憩室、ここか!」
鍵のかかった扉をこじ開け部屋に入った。