治験を頼んだら若干ハードな告白を受けてしまって息ができない
世界観の描写が薄いので、異世界・現代・SFどれでもいけますが、設定をしないと投稿できないので「異世界」キーワードはなろうの仕様です。
「ストレス解消薬?」
「あぁ! 私ではうまく効果が出なかったものでね」
「どういう効果が出る手はずだったんですか」
「抑圧されている感情を表に出すものだな」
「酒との違いは?」
「いい目の付け所だな。アルコールにもたしかに同じような効果があるが、酒を飲んでも理性が変わらない者も多いだろう?この薬はそういう者にも効果が出るよう作り上げた」
「自分に効果が出ない時点で失敗なのでは」
「抑圧されている感情を表に出す、と言っただろう? あいにく私は抑圧しているものがないらしい。充実した日々を送っているからだろうな」
「いつも生活ほっぽって研究してますしね。もう少し、いえ、もっと周りに目を向けてくだされば負担も減ってありがたいんですが」
「いつも感謝しているよ! 君がいなければ私は研究のために餓死していたことだろうな」
「中毒者と変わらない生活をしていることをもっと恥じて頂きたかった……」
「ははは! まあそれはそれとして、被験者になってくれないか? 君なら抑圧されていることも多いだろう? それに、人殺しができない程度には善人だ。効果を確かめるには適任と判断した」
「一番矛先が向かいそうなのは、いつも世話をかけるあなたであることくらい想像できないんですか?」
「無論だよ。だからこそだ。心配はいらない、私が責任をとる。他に迷惑がかからない、これ以上にない最適な治験先だろう?」
「本当にあなた研究バカですね……今更か」
「これでも誠実なほうだと思うんだ。私は君が飲む紅茶に混ぜることもできはしたんだ。先の通り責任は全て私が取るつもりなのだから、結果は変わらない。だが、それでは希少な助手の信頼を失ってしまいそうだったからな。まぁ何より、茶と混じって成分が変わるのも本意でなかったからだが」
「誠実以前の問題だと思うんですが……」
「どうだい、やってもらえないか?」
「…………仕方ありません。他に被害者を出すわけにもいきませんから。ところで確認ですが」
「なんだい?」
「あなたのいう責任は、もちろんあなたが手籠められる覚悟も含みますよね?」
「…………ふぅむ、そうか、君も男だったな。ならば」
「情婦の呼び出しは不要です」
「……まさか、情婦が使い物にならなくなる程のハードなせいh」
「あなたが手籠められる覚悟、と言いました」
「…………」
「もっと周りに目を向けろ、とも言いました。人殺しができない善人? それは私欲で周りの助手を全員辞めさせる人物も善人と言えるんでしょうかね」
「…………いやに……退職者が多いな、とは」
「これでも誠実なほうだと思うんです。ちょっと調べればわかるようにしてたんですよ。きちんと研究以外の周りに目を向ければ分かる程度に」
「それ、は、誠実以前の問題だと……」
「でもあなたは本当に研究以外は無頓着で、簡単に俺の掌握を許した。合鍵は全て持っていますし、他人との連絡も俺を介さないとままならない。そんなに無防備な女性は囲い込んでおかなければいつどこにかっ拐われるやら。俺以外だったらどうするんですか」
「いや君である場合も結構問題g」
「今更あなたの信頼を失っても、もうあなたは俺なしではやっていけないでしょう?」
「君、ちょっと、近すぎやしな」
「これを飲めばいいんですよね?……ああ、明日は休暇をとらせますよ。起き上がれないでしょうから」
「待っ」
「ご心配なさらず。責任はとりますので」
ラブコメキャンセルされた彼女はこのあと助手が美味しくry