殺人、柚木編
内海梅子は、バスのラッシュ時から解放された時間に乗っていた。
夏でエアコンが、よく利いてる。(涼しい)そんなことを思いながらゆったりしていた。
何事もなくバスを降り、家路に着いた。
1時間後、柏木警部から連絡がきた。
「おはようございます。梅子さん、柏木です。貴方が乗ってたバスの中で殺人事件が起こりました。被害者は、和田功 30歳 不動産投資の社員をしてた者です。首に針が刺さってました。針には、青酸カリが塗られてました」
「何も私が乗ってるバスで殺人が起きなくてもいいのに。
こんな暑い日にバス会社まで行くの嫌!」
「何言ってるんですか?いつもは、張り切ってるクセに」
柏木警部は、呆れてた。
渋々、暑い中バス会社まで行き死体の写真を見たら
確かに首には、小さい針が刺さってた。
青酸カリ、アガサクリスティの世界だ。
梅子以外に3人の女性が居た。
「この人たちも、あのバスに乗っていた女性3人です。、
柚木有香 20才 大学生 薬学部 4年
村井愛子 40歳 薬剤師
山岸美鈴 35歳 薬剤師
3人とも毒物には明るいから誰もが容疑者になれる
梅子さんは犯人ではないのは分かってますから・・・」
「有り難う。(私も犯人候補と勘違いされるような事があったのかしら?)」
「実は、吹き矢が見つかったのです。梅子さんだって吹き矢で、人の首に命中させれるでしょ?」警部は困惑した表情を浮かべながら話した。
「吹き矢なんて吹いた事ないわよ‼」
「あの3人の女性も同じ事を言ってますよ。しかし、貴方たち4人の誰かが和田功を殺害したのですよ。」
「分かりました。私が犯人では無い事を証明します!」
梅子は、いつもどおり張り切りだした。
翌日、健康吹き矢教室に来た梅子だった。
初めての吹き矢は、難しく肺活量も普段より必要だ。
(誰もが吹き矢は初めてと、言ってたけど肺活量が普通の人よりある部活、習い事をしてた人はいるのかしら?)
梅子は3人の女性を思い出したが、誰一人としてしてそんな事をしてる人たちには見えなかった。
夕方、柏木警部と聴き込みを行った。
まずは、大学生の柚木有香からだ。
「柚木さん、今晩は。単刀直入に聴きます。殺された和田さんとは、知り合いではないですよね?後、肺活量が必要な習い事、部活をしてませんでしたか?」柏木警部が聞いた。
「殺された和田さんは知り合いではないです。後、部活や習い事はしてないです。」
柚木は淡々と答えた。
「私もです。部活や習い事はしたことないです。」
村井も言った。
同じく山岸の答えも同じだった。
「しかし、皆さんは青酸カリの事は、ご存知のはずです。
一般人より手に入りやすい世界にいますから。鞄の中を確認させてください。」柏木警部は、お願いした。
3人は渋々同意した。梅子は、キラキラした目で同意した。
自分が容疑者候補になったのは、最初は嫌だったが今は幸せな事だ。近くで犯人を追い詰められるからだ。
鞄の中を確認したが、青酸カリは入ってなかったし犯人の目星となるような物はなかった。
翌日、聴き込みをする事に決めた。
まずは、柚木有香からだ。有香は、家賃20万円のマンションに住んでいた。
「この前は、どうも。和田さんとは知り合いではないと言ってたけど本当ですか?」柏木は有香に聴いた。
「私は、本当に和田さんを知りません。不動産投資なんてしたことないです。」
「そうなの?このマンション大きいわ。一人暮らしなのに、高い金額のマンションに住んでるわね。大学生なのに、家賃は誰が出してるの?」
梅子は、中をジロジロ見ながら有香に聴いた。
「父親です。父親は、国会議員をしてるので…」
「あら、お父様は あの柚木衆議院議員なのね。じゃあ、貴方は お金に困ったことはないのね」
梅子は失礼な事を言ったが、謝らなかった。
代わりに、柏木が謝罪した。
「梅子さんが、失礼な事を言って申し訳ありません」
「いえ、梅子さんの言うとおり困ったことはないですから」
有香は、梅子の言葉に心の中では怒っていた。