3話 無断改造
短いですが投稿します。
輝星の意識を失った時、背中から寄生した生物――”バルクブレイン・パラサイト”は困惑していた。寄生した宿主の命が著しく低下しているためだ。
バルクブレイン・パラサイトは未知の新しい霊体系の生物であり、精霊に近い存在である。どうやって誕生したのかというと、地球と異世界が繋がったことにより未知のエネルギーが生まれ、神すらも予想できないまるで神秘――奇跡という形で新しい命、種族を地球上に誕生させた。
バルクブレイン・パラサイトの特徴は半透明な身体をしており、霊体や精霊に近いため、金属の壁や木材の壁などは通過出来る。まるで幽霊のような存在である。
顔が蛇見たいな長い形をしており、顔の頬下に甲殻類のモンハナシャコのようなハンマーの腕をしている。
胴体から下は足はなく触手が何本も生えていた。この触手で宿主の身体――手足や脳を奪いコントロールする能力がある。
この世界に誕生させて間もないバルクブレイン・パラサイトが生の鼓動と同時に求めるのは器である。他者の身体に寄生して遺伝子情報学び力を奪う。そして宿主の遺伝子情報を学び終わると、環境に適した遺伝子に組み換え改造し全く新しい肉体に変異させる。
得られた遺伝子情報や視認器官での情報を、核となるオリジナルに流す得られた情報を整理し、他のバルクブレイン・パラサイトに情報を流し、全てのバルクブレイン・パラサイトで共有し統括する。
バルクブレイン・パラサイトは個であり全の存在である。また、仲間意識が以上に強い。彼らはまだこの世界に誕生して間もない、まるで母鹿の子宮から生まれたばかりの小鹿のように脆弱であるためだ。
輝星の身体に寄生したバルクブレイン・パラサイトは困惑しながらも生きるために行動する。己だけではなく他のバルクブレイン・パラサイトのために少しでも、この生物の遺伝子情報を手に入れるために。
先ずは触手細く小さく変形させて毛細血管など小さく細かい穴を通り身体全体に張り巡らせる。脳まで侵入すると記憶を学習すると、宿主の記憶から文明や言語を情報を収集する。
そして、宿主の今の状態を確認すると、頭部の後ろ後頭部が陥没して危険な状態であることがわかった、他にも腹や胸、腰、手足など全身が打撲し擦り傷などがあった。
このままでは宿主と共に己も死ぬことが分かった。生まれて少ないエネルギーを全て使って、バルクブレイン・パラサイトの種族能力【死滅細胞組成成長】で怪我を死滅した細胞を遺伝子を組み換え作り直す。ただ作り直すだけだはなく強靭な肉体として成長させる。
「うっ! ぅぅぅぅうぅぅぅ....」
遺伝子を組み換え過程で当然痛みが伴う。輝星は気を失いがら身体からくる痛みに我慢出来ずにうめき声を上げる。
死滅した細胞を生き返らせ傷を治していく、輝星の頭の傷が塞がり出血が止まる、全身の擦り傷や打撲も直されていく。
全身の怪我を治すと、次に遺伝子情報を収集し宿主の身体を強化していく。全ては己のため――全てはバルクブレイン・パラサイトの仲間のために行動する。
ほとんどのエネルギーを使い果たした、バルクブレイン・パラサイトは困窮していた。生まれて間もないためエネルギーの制御が上手くいかず、残り僅かになっていた。
バルクブレイン・パラサイトは食事を必要としない、語弊があるが人間のように肉や野菜などの栄養摂取は必要ないだけで、存在するため生きるためにエネルギーが必要である。そのため魔力が無くなり欠けているため死に掛けていた。
地球に魔力が全くないわけではない、パワースポットや神聖な場所には魔力のもとになる魔素が少ないが存在する。地球人は魔力が存在していないと思ってるので、輝星の記憶からもエネルギーを回復するすべがわからないでいた。
エネルギー不足..存在危険領域..宿主コントロール不可..遺伝子情報送信不可..エネルギー不足..救難念話範囲最大不可..エネルギー不足..存在維持のため休眠に入る....エネルギー節約..救難念話範囲最小....救難念話範囲最小....。
バルクブレイン・パラサイトは残り少ないエネルギーを維持するため休眠状態に入った。
バルクブレイン・パラサイトの意識が無くなっても、指令を受けた細胞たちは宿主の――輝星の身体を強化していくのであった。
しばらく時間が経つと真っ暗なトンネル内に赤い点灯が回転しながら写りこむ――トンネルの外から緊急車両のサイレンが鳴り響いてた。
チート化スタート、輝星の身体を強化中....。