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ワールドブレイカー(自称  作者: 天竺トマト
1章 ワールドブレイカー
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1話 こんな..世界ぶっ壊れちまえ!

初めまして、二作品目の投稿になります。


歩いてたら突然、閃いた作品になります。最初と最後の構成は出来上がってます。


ストックは0です。何もないです。本当にないです。1話書いて直ぐに投稿しましたので。


なるべく早く投稿出来るように頑張りたいと思います、よろしくお願いします。


 中学校、3-B教室。 


 「蛯澤(えびざわ)さん....ずっと好きでした。お、お、おれと付き合って、てください!」

 

 従業が終わり、先ほどまで騒いでいたクラスの生徒達は、各々部活動に行ったり帰宅したりと、教室内は静まり閑散としていた。


 星乃 輝星(ほしの べが)は小学校の頃から思いを寄せっていた、クラスメイトの蛯澤 恭子(えびざわ きょうこ)に思いを告げようと思った。


 彼女はクラスの人気者である。ギャル風のメイクがとても可愛いく、髪の色は茶髪で腰まで伸びている綺麗な髪をしている。体型はスレンダーで胸は小さい、将来豊胸しようと思っているようだ、豊胸のことは隠しいるがみんな知っている。友達がいない僕が知ってるんだから。

 明るい性格でみんなに朝と帰りの挨拶してくれる、もちろん僕にもだ。彼女の笑顔を見ると癒されるんだ、小学校の頃から変わらない笑顔だ。可愛くて人気者の彼女は男子に人気がある。


 打って変わって僕は違う普通のつまらない人間だ人気なんて当然ない。友達はいないし、別にイジメにあってる訳ではない....はずだ。とにかく、何をしても上手くいない自分を変えようと。

 

 僕はつまらない人生を..バラ色に変えようと愛の告白をした。


 「ごめんなさい。相澤(あいざわ)君....」


 アイザワ?  僕ってアイザワだっけ....。


 「好きな人いるから..ごめんなさい。初めてクラス一緒になったけど一年間よろしくね」


 初めて? 一年間? よろしく? 小学校の頃からずっと同じクラスだよ。中学も一年から同じクラスだし、2年の3学期で隣の席になったよ。お喋りしたし..教科書見せあったし.....。


 「また明日。相澤君....」


 振られるだけではなく、名前すら間違えられ、あの様子だと星乃(ほしの)ではなく最後まで相澤として終わった。小学校の頃からの思いが砂のように流れ好きだった思いは消えていく。


 蛯澤(えびざわ)さんは自分の机に向かうと鞄を背負う、こちらに振り向くことなく早足で教室を出ていった。


 「....だから..相澤って誰だよ? 僕は星乃(ほしの)だ」

 

 相澤として振られ、自分の存在を否定された感じがして落ち込んでいると。もう一つの出入り口から男子3人が教室内に入って来た。


 「今のは蛯澤さんだよな? お前....蛯澤さんに告ったのか....マジ受けるんだけど綾小路(あやのこうじ)

 「はっ?」

 「おいおい..お前のことだよ。綾小路、自分の名前忘れちったのか....それにしてもお前如きが蛯澤さんに告白するとはな無謀じゃねぇか!」

 「ふぅーー.....」


 僕はいつから綾小路になったんだ。相澤と綾小路..頭のあっしか合っていない。まるで3つの顔がある潜入捜査のスパイみたいだな。まぁ、とっくの昔にCIAになるのは諦めたけどね。それにしても相澤の次は綾小路か....。 


 3年前に遊んだ潜入ゲームに出てくる主人公に憧れて。CIAになる為、アメリカの名門大学に履歴書を出したが一通も返事は返って来なかった。後日インターネットで調べたら国籍の問題と年齢制限がありスパイになることは頓挫した。


 輝星(べが)は先程から馬鹿にするように大笑いしてるクラスメイトを見る。真ん中で綾小路と思って指をさしている男子が谷崎 信(たにざき のぼる)チャラ男の風貌で身長は163Cm程だ。

 右隣にいる金髪が椎名 一平(しいな いっぺい)だ。3人の中で一番ガタイがいい、身長は170Cm程で体型は太っていてラクビー部に所属している。 

 そして、左隣で腹を抑えながら「綾小路..蛯澤さんに振られたのか馬鹿じゃねぇか」と大笑いしてる。丸坊主で160Cm程の身長だ、この中で一番背が低い。確か..名前が....。


 あっ! 相澤だ! そうだこいつが相澤だ。大笑いしてるけど....お前は蛯澤さんに振られたから。僕が証人だ。


 輝星(べが)は3人を無視する、だって..綾小路じゃないし気にせず自分の机に向かって歩き出す。3人は蛯澤さんに振られ滑稽に見えるのか、笑いのつぼに入って大笑いしてる。綾小路の名前を連呼して。自分の鞄を持ち上げると出入り口に向かう。一番滑稽なのは君だよ、相澤。


 そういえば....綾小路って誰だけ? 記憶にないんだけど....一応ごめん綾小路。お前は蛯澤さんに振られたことになったみたいだ。


 凄いね、蛯澤さんは一回で3人の男を振ったよ。

 

 明日のクラスの噂話しで盛り上がるのはきっと綾小路が蛯澤さんに振られた話しだ。綾小路本人が知らないうちに、お喋りな3人が振られ話しをLINEで拡散するだろう。クラスで専用のグループがあるみたいだ、僕を除外して。

 

 教室を出た輝星(べが)は廊下を歩く、3年生の教室は3階にあるため1階に降りる必要がある。階段を目指して歩くと、視線の先に仲が良さそうな5人組の男子グループがいた。帰りにマック寄ろうぜと楽しく会話している。

 そのまま男子グループを通り過ぎ階段を下りると、下の階から4人組の女子グループが好きなアイドル話しで盛り上がりながら階段を登っていた。

 このまま歩けば邪魔になるので端に寄る。道を譲った輝星に女子グループは会釈もなく気にせず喋りながら階段を登っていった。


 「友達か....楽しそうだな」


 1階に降りると昇降口に向かう。下駄箱の付近でまだ、残っていた帰宅部が各々グループを作り好きな、アニメの話しをしながら靴は履いて、友達の家で遊ぶ約束をする。


 「僕もアニメ見てるんだけどな....」

 

 自分の下駄箱前で誰にも聞こえないように小声で呟く。靴を上履き靴と外履き靴を履き替える。


 外に出ると応援する声や厳しく指導する声が聞こえてくる運動部がグラウンドで活動していた。家に帰る為グラウンド横のアスファルト道を通る。グラウンドとアスファルト道の間にある花壇には色とりどりの花が咲いていた。


 「部活か....部活に入ってたら友達出来てたかな? 高校に行ったら部活に入ろう。ゲーム部かアニメ部があったらいいなぁ」


 中学校の黒い門を出ると坂があり、その道の両脇には桜が満開で咲いてた。春風が吹くと木々が揺れ桃色の花びらが空を舞っていた。

 一枚の桜の花びらが輝星の頭に落ちる。桜の花びらを取るため、見えないが感覚と勘で探し当てる。

 桜の花びらを見ながら。


 「綺麗な桜だな....僕の青春は砕け散ったよ。しかも相手を間違えられて振られたよ。僕の9年間の思いは桜のような桃色にならなかったよ。はぁーー」


 肩を落として落ち込みながら代わり映えの無い道を通る。桜は満開だけど、それ以外は普通だ。


 何がイケないんだろう。友達はいない、小学校の頃は友達はいた。だけど、中学になると別の小学校から来た人達で新しくグループを作っていた。親しかった友達はみんな別の友達と仲良くやっている。一年の頃は誘ってくれたけど2学期になると一人だった。


 「あ! 忘れてた。蛯澤さんに振られのが効いてるのかな? 音楽聞こう、こんな時だからこそ好きな音楽聞こう」

 

 いつもは教室で帰り支度しながら音楽を聴く準備していた。今日は蛯澤さんに告白したから忘れていた。好きな音楽は10年前に流行ったアニメの主題歌だ。リアルタイムでは見れなかったけど、インターネットの動画サイトを見て一気にファンになった。

 主題歌を聞いてると、脳裏にアニメキャラの活躍が想像出来る。これだけで元気慣れる。


 音楽を聴きながらいつも使っている駅に向かう。駅は商店街の奥にある。最近は駅の周りも再開発が進み何件かお店が無くなり更地になった。その後に商業施設付きマンションがいくつも建てられている。変わりゆく街並みを覗きながら自分のことを改めて考える。


 僕の名前は星乃 輝星(ほしの べが)だ。輝く星と書いてべがと呼ぶ。いわゆるキラキラネームだ。親はどうしてこんな名前をつけたのかはわからない。親はもういないから聞けないんだ。

 身長は163Cmだ。体型は痩せ型だけど筋肉はついてる腹筋も4つに分かれている。ゲームやアニメのキャラに憧れて鍛えたからね。


 成績の方は可もなく不可もなくって感じだ。正直勉強は苦手だ。だけど、家に帰ったら授業で学んだことは復習している。頭の出来が悪いから忘れやすい。あと戦略ゲームを遊んで軍師に憧れた、兵法ってどこで学べばいいの分からず、始める前に頓挫した。うん? 勉強と書けないかも。

 

 友達は....タイミングが悪かっただけだ。高校に入ったら頑張る。


 恋人は....思い出と共に砕け散ったよ。


 僕なりに努力してるんだ。他の人からしたら努力していないと言われると思う。それでも僕は頑張った。だけど変えられない自分......色々考えてまとめると僕の人生はつまらない。


 輝星は駅に着くと鞄に入れていたPASMOを改札に通す。改札を出るとホームに向かう。ホームでしばらく電車を待っていると音楽が終わる。


 「次はどれにしようかな。うーーん。これは失恋の歌だから気分じゃないしなぁ。だけど....いいかな失恋がテーマな歌でも。どうせバラ色の人生が砕けて灰色の人生なっただけだ。もとより、つまらない人生は決して変えられないことが分かった」


 新しい音楽に切り替えて数分の時間が経つと、駅のアナウンスのが流れ電車が到着した。車両に入ると学生やサラリーマンなど男女が結構乗っていた。座席に座りたいためキョロキョロと顔を動かす。左を見ると真ん中が空いていて2人は乗れる。右を見ると端が空いている箇所があった。

 

 「あ! 端が空いている」


 早足で右の座席端に向かう。座席の場所取りに間に合い椅子に座るため横に回転すると、70代ぐらいの腰が曲がったおばちゃんがいた。


 「あ! どうぞ座って下さい」

 「別にいいのよ。大丈夫だから....」

 「僕....次の駅で降りるんで気にしない下さい」

 「ごめんね。ありがとう」


 おばちゃんはお礼を言うと座席に座る。輝星は軽く挨拶して立ち去る。反対側の席はまだ間に合うか見ると子供連れの主婦が座っていた。軽くため息をして他の車両に向かう。どこも座席は空いてなかったので出入り口の横に寄りかかる。


 「6駅ぐらい....直ぐだから座るのはいいか」


 輝星は家から少し遠い中学に通っていた。特に理由はないが小学校の頃に仲が良かった友達グループが私立の中学に行こうと誘われたので同じ中学を選択した。結局は疎遠になったけど。


 出入り口のドアに寄りかかっていると、反対側の出入り付近から甘い男女の声が聞こえてくる。視線を向けると学生のカップルだった。学生服を見ると隣の市立中学の生徒だった。中学生カップルかよと呪詛の言葉を小声でプレゼントする。


 二人の顔を拝んでやろうとチラリと覗き込みながら見ると、男子はフツメンだった。身長は僕よりも低くボサボサの髪だ。男子の顔を見ても気分が悪いので女子の顔を見る。普通に可愛い子だった、小柄で前髪を綺麗に揃えている清楚な感じがする。


 「くっ、なんであんなフツメンに彼女がいるのに....僕には彼女はいないんだ。本当につまらないだ.....早く家に帰りたい」


 リア充カップルのイチャイチャを感じムカつきながら待っていると、外の風景が変わるトンネルだ。

 

 駅と駅の間に山がありその間を通るため長さ1キロ程のトンネルがある。電車の音が反響しながらトンネル内に響く。静かにしてるとガタンコトンとリズム良く聞こえてくる。僕はこの音が好きだ、だからトンネルに入ると音楽を止める。


 窓から外を見るトンネルの風景が流れるのを見て、心落ちつかせながら耳に集中して音を聞く。


 「やっぱりいいなぁ、このリズム感が好きなんだ....」


 輝星が電車音を聴きながら黄昏ていると、リア充カップルが甘口が激甘になって激しくイチャイチャしていた。男子は女子の背中腰に手を置いていた。女子は甘い声を出しながら男子に寄りかかっていた。


 この世界は不公平だ。本当にそう思う。自分を変えたいと努力はしたけど変えられない現実がある。中学を卒業して高校に行っても同じなのかな、大学も同じか、社会人になったら変わるのかな。たぶん変わらないと思う。もっと不公平な現実が待っている。


 本人につまらない人生だ。こんな世界....。

 

 輝星は深く溜息をする。リア充カップルの男子は調子に乗って、腰に置いていた手を下げる。男子の手は女子の尻に触れると。女子は甘い声を出し更にイチャイチャする。


 その光景を見ていた輝星は、先程まで聞いていた音楽――失恋の歌が頭の中に流れる。脳が音楽を覚えてたようだ。次に9年間思っていた蛯澤さんへの記憶が映像のように蘇り思い浮かぶ。


 輝星はの心は暗く底なしの暗黒に沈む。


 全てが嫌になり、全てを拒絶して否定する。


 そして――。


 「こんな世界..ぶっ壊れちまえ!」


 ――世界に拒絶した言葉を呟く。


 その一瞬で――世界が変わった。


 地中深い地層からドンと大きな衝撃を身体が感じ取る。


 身体がこれはヤバイと感じた瞬間、叫び声と共に電車が大きく揺れると、電車は脱線して飛び上がりトンネルに激突する。

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