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Night Magius  作者: 青葉 夜
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017 華麗なる日常の崩壊

日常と言うのは何にも変えがたく、そして何よりも容赦の無い物だ。

俺が再び屋上で目を覚ました時、その時刻は08:20。朝礼まで後10分といった所。


…走れば、ギリギリ朝礼に間に合うという微妙な時間だった。


傍に捨て置いていた鞄を手に取り、全力で駆け出す。

幸い此処は校舎の中。走れば、間に合う…筈!!


駆け抜けて教室に到着して。


「…っと、遠野、ギリギリセーフか」

「お、おはようございます、っぶはぁ……」

「ん? なんで外靴なんだお前?」

「……あ」


校舎の中に居たのは良いものの、昨晩一度外靴には着替え、そのまま校舎の中を爆走していたのだ。


「履き替えておいで」

「しゅ、出席は…」

「ア・ウ・ト♪」


俺は涙した。





驚いた事に、その日学校には先日の戦闘を思わせるような損傷は何処にもなく、思わず俺まで「夢でも見ていたか?」と首を傾げてしまった。


…が、その考えは一瞬で吹き飛んだ。なんせ、俺の懐には確たる証拠が置かれているのだ。

――M686と、HK45二丁。回収していかなかったな夕子さんめ。


まぁ、そんなわけで、物的証拠が手の内にある以上夢と思う事も無く。

のんびりと(多少手元の凶器の存在にドギマギしながら)その日を過ごしたのだった。





「…………ヲイ」


帰宅しての第一声がソレというのも如何な物かとは思うが、しかしそれも仕方が無いといえば仕方が無いのだ。


祖父の…現在は俺だけの家である遠野屋敷…通称マヨヒガ。

じいちゃんが俺に残してくれた遺産であり、俺が昔から住む古屋敷だ。

俺達の苗字や、山奥に在って偶に遭難した人間が訪れる事からそんなあだ名が付けられたこの屋敷。帰ってみれば、何か知り合ったばかりの気配があることを感じて。


家を覗いて、何故か運び込まれている大量の荷物を見て。


「……………ヲイ」

「あら、鉄斎。元気?」

「…夕子さん」


振り向いたその太陽のような笑顔。間違えようも無く、ホラーハンター玖珂夕子さんだった。


「…ナニシテンノ?」

「引越し。今日からこの家に住もうと思ってね」


説明がバッサリ抜けている気がするのだが。


「アハハ。えとね、ようは正式に私がこの土地の霊的管理人を引き継ぐことになったのよ。それで、折角だし(お金もないし)鉄斎の家にホームステイさせてもらおうと思ったのよ」


小声で呟いて聞こえていない心算だろうが…ちゃんと聞こえてます。


「霊的管理人って……そんな簡単に成れる物なの?」

「何分此処は極東の地だし、魔術師も少ないのよ」


地元のシャーマンとかも頑張ってるらしいんだけどね、と夕子さん。

……巫女さんとか神主とかか。実在していたのか。


「で、何か質問は?」

「…俺の意志は?」

「応えて欲しい?」


…無いんだろうなぁ。


「夕子おねーちゃん、荷物出来たよ!!」


不意に、そんな声が屋敷の中から聞こえてくる。

この屋敷は俺の一人暮らしだし、となると必然的に夕子さんの連れだろうか。


気になって家のほうを見ると、ガラガラと音を立てて玄関が開かれた。

其処から現れた白い肌の少女。

……ん? なんだろうか、何処かで感じたことの在るような気配だった。


「それに、この子のことだって。預かりはしたけど、ちゃんと貴方が責任を持たないと駄目でしょ?」


夕子さんはその少女を不意に引き寄せ、俺の前に少女を突き出してきた。


「ほら、香苗っ」

「あ…………う……………」


少女は顔を真っ赤にして伏せてしまう。

……なんだろう。新手の羞恥プレイだろうか。こっちまで恥ずかしくなって来るんだが。


「……その、こんにちは。逢うのは二度目ですけど…初めまして、玖珂 香苗です」

「………あ」


逢うのは二度目といわれて、そこで漸く気付いた。

昨日の晩。最後の最後、俺が懸命に助けようとした少女が居たではないか。

でも、この少女は…


「身体は、こっちで用意した人形。苗字は私ので、名前はその子の新しい名前。…正真正銘その子よ」


いいネームセンスでしょ、と笑う夕子さん。

…本当、凄い人だ。


「……ええと、うん。初めまして。遠野鉄斎です。これからよろしくね(・・・・・・・・・)


夕子さんが、俺の言葉の真意を読み取ってニヤリと微笑んだ。


「良かったわね香苗。一緒に住んでも良いですって♪」


緊張していたのだろう香苗は、一瞬キョトンとし、然し次の瞬間、まるではじけるように、香苗の顔に笑顔が浮かんだ。


「……はい! よろしくお願いします鉄斎さん!!」


見事な笑顔。

まぁ、こんなのが見れるなら人が増えるのも面白いかな、などと思い。

三人並んで、屋敷の中へと戻るのだった。



うわ、締めが臭い。そう思った貴方。私も同感です。

何か良い感じの締め方は無かった物か……。

さて、この作品事Night Magiusですが、……なんといいますか、私の別作品『CROSS ROAD』を書いている際、「あ”〜、なんか現代のファンタジー書きてぇ」とか思って、気晴らしに書いた作品なのです。

ぶっちゃけ、導入部分のみ。とりあえずは此処で終わります。CROSS ROADとMachina&Magicと、続き書かねばいけないので。

他作品も是非読んでみてください。以上でした。


…続きは書くかもしれないので、最終話にはしておりません。あしからず。

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