アイヌとコーカソイド
アイヌ人はコーカソイドじゃないって話しと、アイヌ人には微塵もコーカソイドが混じってないは全く別の話し。3大人種区分は純血を表すものじゃない。何となく形質が区別できるクラスターを大雑把に分類してるだけで、混血集団は混血って事で片付けてる。
以前も書いたけど、コーカソイドは後から完成したもので最初からコーカソイドと言う集団が合ったわけじゃない。なにせクロマニオン人の肌は黒いタイプもいたそうだから。人種よりも重要のは地理的な隔離にある。地理的な隔離によって周囲と断絶された集団は特殊な形態を生みやすい。これを3つで大まかに分けていて、ついでにプラスワンでオーストラロイドを加えてるぐらい。
遺伝的には全く近くないが、それでも、もしアボリジニのハプロであるC1Bと縄文系であるD系が混血していたらD系もオーストラロイドになっていたと見ている。ドラヴィダとアボリジニ、アマンダン諸島などの原住民をオーストラロイドと言うのだが、このうちアマンダン諸島は縄文系のD系の先祖タイプに当たる。なおかつほとんど混血して無いのでオーストラロイドといえるのか?怪しい。アジアとの混血があるていどされてるネグリトもどっちに扱うのか?難しいところになる。
D系縄文人は特別に変わった集団じゃない。オーストラロイドに含められないのが問題になるだけでスンダランドを通過していた頃のD系はオーストラロイドと言っても良いと思う。北方ルートだって決めつけがおかしくしてるが、おそらくD系は北方ルートではない。D系はアジアで他のアジア集団と混血したからモンゴロイドになったと見ている。
わけのわからない謎系統は大体オーストラロイドが多い。3大人種に入らないから系統立てて話を出来ないってのがある。私的にはオーストラロイドで大きな集団であるポリネシア人(広義では東南アジア人も混血だが、モンゴル比率が強いのでモンゴロイドに加えられる)が典型的な境界線混血集団なのでモンゴロイドの亜種的に扱って3大人種プラスワンとしてみている。3大人種で説明するとややこしいものがちょうど南方ルートを通ってるので都合が良い。
本来オーストラロイドに入りそうだったものが何故違うのか?がやはりいろいろ考えられる。まず一番の理由はスンダランドに早く到着した事。それゆえ北方への拡散が後から来たグループより早かった。ここがまず遺伝的に南方系と距離が遠くなった理由だと見ている。次にこの理屈ならC1から別れたC2はどうなるのか?となる。おそらく、なんらかの理由でC2は北上してD系と似たルートを通ったと思われる。
区別は付かないが、日本にも縄文系C2Cと弥生系C2Cが居ると思われる。ひょっとしたら分岐年代で区別できる可能性はある。船で着たのでは?だが、それなら何故オホーツク文化まで継続的な流入が無かったのか?となる。船による流入が無かったと思わないが、当たり前の様にベーリング海峡を船で越えていたシベリアのエスキモー達の文化はオホーツク文化までまたないと無理なのじゃないか?と見てる。
陸伝いにやってきた。そうなると問題は時期が温暖化が始まる1万年以前になってしまう。それを区別できる分かり易いC2Cは日本には無い。あるとしたらC2Aなのだが、これ実は過去のデータが間違っている。C3Aと書いてあるデータはまず疑ったほうが良い。後に日本のC2AはC2Cに大半入ってしまって、C2Aの%は激減している。なおかつC2AもC2Cに混入される予定だ。これは私もされたか?までは知らない。
多くのサイトでは未だにこのC2Aで北方縄文系の説明してるサイトが大半。C2Cが本当に縄文時代にきたのか?は分からない。C2Cはおそらく氷河期海岸線の消滅までぎりぎりまで残ってるので、D系より北方への拡散が後だと見ている。それと言うのもアメリカにわたったのはC2Bに偏ってるから。
じゃ日本にはC2Bが入ったのじゃないか?なら入ってる。日本に偏って多いC2Bがあり。これひょっとしたら縄文系じゃないのか?って疑いは持ってる。ニヴフとアイヌが混血してるため北海道なら当たり前にC2Bは出る。だが違うんだ全国にばらけてそれなりの数あり、アイヌに限ったデータではない。ただ分岐年代が微妙。
以前話した日本海側と沿海州との交流だけど、これについては日本海側に偏ったデータではない点で違うと見ている。過去に北海道方面に入ってきた北方集団とはこれじゃないか?とは見ている。ベタな北方系であるG系の偏りが東部縄文には見える。C2系の中で後から半島から入ってきた集団と区別が付かない。だが半島には日本にこれだけ高く残るC2Bは無いと思う。無いわけじゃない。ただ低頻度だったはず。しかも日本に偏って高頻度に存在するもので存在の古さが伺える。
サブグループまで分析したら多分半島にはこのハプロは無い。かつ、分岐年代が微妙だがそれなりに古い。例えば半島にあるものが日本で分岐したとしよう。それなら半島にはそれだけ古い分岐物が存在しないといけない。多分無い。おそらく北から広がったと見ている。県によっては全くでないのに沖縄で出てるのは別系統の可能性がある。C2Bをまとめたデータと日本に偏って多いC2Bの存在を知ってるだけで、後者の数値を直接見てるわけじゃない。
そもそもC2Cもそれなりに古いものが日本には揃っていて、これが縄文C2だと言えなくも無いが、ただその古いものが半島にもごろごろしてるので、弥生では?となってしまう。
C2Cは置いておいてもC2全体がDの後追いで北方に広がったのは事実だと思う。これで東南アジアに居た集団と遺伝的に距離が遠い説明が出来ると思う。多分これによって問題になるのはO2だと思う。O2は北方系なのか?後は多分早い段階で隔離されたと想像できる。C2Cは後からになるが、これも東南アジアじゃなくて、黄海から東シナ海にかけての沈んだ場所だろうと予測されてる。
そんなの証拠が無いじゃないか?実は有る。傍証だがC2系はボトルネックにさらされた痕跡が見えて、これが故地の消滅と言う被害だったんじゃないか?と見ている。移動すれば良いじゃないか?となるが、今でも生活環境を無理矢理追い出されて、しかも日本の中じゃない、外国に放り出されるようなものだ。この環境の変化にどれだけ対応できたのか?が不明だ。
減ったと見るのが自然だと見てる。それだけの大事件で予想されるのがそれかと。海岸沿いに北上したと予想されるので、地震による津波、火山とかもいろいろあるのだけど。
後C2Bのアメリカへの移動ってややこしいものがあって、氷河期後船で移動した民族が多くてQが北方ルートで早く入ったのは分かってるが、Cと南方系のQのルートがイマイチ私は良く分かってない。しかも南方ルート系のQは主流じゃないそうだ。南米にもシベリアのアジア集団のmtハプロが到達してるため、南方ルートもそれなりに早く言ってるはずなのだが、詳しくは知らない。
それに海峡付近で残ったQ系も居て、私は南方系Qと北方系Qの区別が付かない。だからこのあたりの人の流れがイマイチ良く分かってない。ただおそらく氷河期終了までにはC2Bも極北に届いていただろうとは見ている。C2のすべての集団が海岸線消滅ぎりぎりまでいたわけじゃないと見てる。
ただ言えるのは北方集団は東南アジアにずっといたわけじゃないと見ている。そしてその中で扱いの難しいO2はひょっとしたら新モンゴロイドの中心集団では無いかもしれない。そうなるとわかりやすいのは、C2系とN系だけが遺伝的距離が遠くて、これに強く混血したO2系がそっち側に入ってしまっただけじゃないか?と。おそらくO2系は初期小集団。N系の農業の発展にくっついて大きくなった。N系が多くなったんじゃなくて、Nと初期にくっついたO2系がN系を上回るほど多くなった。だからN系との混血率が高くて、ほぼ北方集団になってしまっただけじゃないか?と見てる。
その程度で隔離されるのか?なら生活様式が違えば多分隔離される。その違いは海の中で今となっては分からないのだが。
アイヌはモンゴロイドって点で、すくなくともコーカソイドじゃなくて、オーストラロイド程度って話しまで。一応北方モンゴロイドが新モンゴロイドの適応があっただけが理由じゃないって説明がしたくて、人種は何故生まれるか?の説明になる。地域で分離して混血がなくなれば形質の違いになりやすい。それは適応的であるかもしれないし、遺伝的浮動であるかもしれない。
次に、本題で、アイヌがコーカソイドか?でこれ、コーカソイドじゃないが、コーカソイドが混ざってないとは否定できない。そこでアイヌと混ざったニヴフが問題になる。この系統C2の高さに誤魔化されるが、その他にRとかPとかQとかが入ってる。このPが曲者で、RとQが分離する前のコーカソイド的形質を持ってる可能性がある。
ニヴフのRはロシア人との混血じゃない?は言えるだろう。だがQともに検出されるPなら全く話しは別だ。北方ルートのアメリカ組の居残り組みだこれ。コーカソイドではない、だがコーカソイドの1要素になったグループのハプロを持ってる。今アイヌには都合よくC2しか残ってない。だから表面上は分からないが、ハプロが出鱈目だと言うのは以前書いただろう。形質は全遺伝子にあるんだから。
アイヌがコーカソイド的に見える理由はニヴフの存在が否定できない。それはC2が濃いニヴフよりD系が濃いアイヌの方が生かせるかもしれない。
次に以前書いたJCウイルスハプロで青森で出るコーカソイド系のものがアイヌでも一部出る。以前からアイヌは個人差で全く白人になんて見えなくて日本人と代わらんって人がゴロゴロ居ると聞いている。あくまでの一部の人がそう見えるだけ。それが実際そうかもしれないって点。
ここでコーカソイドは様々な系統が混血して後から作られたってのが生きてくる。ニヴフ系のものとJCVは多分関係ない可能性がある。欧州集団とほぼ同じコーカソイドがやってきたためJCVはバラまれた。それはアメリカ居残り組じゃ苦しい。それに少数民族の調査でナーナイ、チュクチ、コリャーク。これらの民族から検出されたがニヴフじゃない。アイヌは形質的に2つのコーカソイド要素を継承してる事になる。ただし、あくまで一部。これはアイヌは長く孤立した集団で部族単位で生活してきたためだと思う。アイヌ民族だけのばらつきで、日本人のクラスターの円がどんどん大きくなるほどばらけてるから。
アイヌはコーカソイドではない、沖縄人に米軍の血がたまに入ってる?みたいな話しでしかない。