第6話〜無茶振りはいけません〜
やっと本編。ここらへんからシュールなギャグを入れていきます。
チュンチュン
みなさんおはようございます。医者です。
さて、今日から慶二君は入学するわけですが、そんな朝にはコレ。ハゲーンダッツクッキーアンドクリーム。そう、アイスcreamだ。
やはり私のようなイケてる医者に−−。
「慶ちゃ〜ん朝よ〜♪」
「…」
「起きないわね〜。慶ちゃ〜ん!」
「…」
「よし!なら仕方ない!」
言うと綾子さんは胸が顔に当たるようにしてのしかかった。
はい、俺は既に起きています。
「これならどうだ!」
むにゅにゅ〜。
「ンッー!!!!」
「まだ起きないのかしら〜?」
綾子さんは言ってさらに体重をかけた。苦しいけど気持ちいいなぁ…なんて言っている場合じゃなかった。下手したら窒息死するっての!!!
「ムゴゴッ」
「や〜っと起きたわ〜♪」
「ホゴゴ」(起きてるからどいてくださ〜い!)
「ちょっと慶二! 何をしてるのよ!」
…。
……。
………。
「朝から窒息死する所だったよ…」
あの後、里美のおかげで俺は開放された。
開放と引き換えに、里美のジェノサイドブレイバーを喰らうことになったが、致し方ないことだ。
「まったく、お母さんもお母さんよ!」
「だってぇ〜慶ちゃんの寝顔を見たらつい…ね♪」
俺は時々、綾子さんは確信犯じゃないかと疑う。ダメだろうか?
「あらあら〜。そんな話をしてる時間なんてないわよ〜」
「本当だ!!」
「慶二! 急ぎなさい!」
里美はもういつでも行ける状態だ。
予鈴が8時35分。
本鈴が8時40分。
現在は8時20分。
所要時間は歩いて20分。
「こりゃ最悪だ」
俺はそう言うと、一瞬で用意完了!
「「いってきまーす」」
「いってらっしゃ〜い」
俺たちは一気に家を飛び出した。
そして−−。
キーンコーン梶ー原
サールガーンセーキー
学校に着くと同時に予鈴が鳴り響いた。意外にも余裕の到着。
「じゃあ俺は職員室行ってくるわ」
「わかった。じゃあね」
「ああ!」
そうして俺は里美と別れた。
なぜ職員室に行くかとういのは、転校生は職員室に行かなきゃだめだった気がしたからだ。 そうですよね? 私は、転校経験が無いから、よく分からないんです。
コンコン
「失礼しまーす…」
「はい?」
美人な先生の登場です! 俺のテンションアップアップフッフゥー!!!
「今日からこの高校で生活をする前田慶二といいますフッフゥー!」
「ああ、あの今日転校してくる前田慶二君?」
「そうですフゥッフゥー!」
「私はあなたが入るクラスの担任、石田成美よ」
「成美フゥッフゥー先生ですか?」
「ええ、それじゃあ早速行きましょうか」
「はい…」
成美先生はツッコんでくれなかった…。多分、俺という人間を勘違いされただろうな…。
そうして俺は先生に連れられて、教室へ向かっていく。
ガラガラ
教室に着いたところで成美先生は、俺を廊下に残して教室に入っていった。
クラスの中からいすを動かす音が聞こえてくる。
「みなさんおはようございます」
おはようございまーす! と、心の中で叫んでみる俺。
「里美さんと七美さんと兼次君は知ってると思いますが、今日は転校生がこのクラスに来ます!」
俺の転校を知っている人物を正確に言い当てただと!?
しかも里美と兼次はまた同じクラスなのか。どうせあいつらのことだから、小中高全て同じクラスなんだろうな。
「よかったですね〜、この2年は組にもまた新しいお友達が…」
は組!?
「ほんとだ」
俺はクラスが書いてあるプレートを見上げて確認した。
そこには、二年は組! と書いてあった。
「うん。まあ、ようするに3組って解釈でいいのか…」
「違います! は組です!」
「すいません!!!」
先生に聞こえてたのか?
というかそこまで怒ることじゃないだろ…。
「はい、では話を続けます」
そして15分くらい話した後−−。
「それじゃあ長坂真さん、入ってください!」
俺は教室に入って前に立った。
「はじめまして前田慶二です。えーっと趣味は…」
「ちょっと前田さん!」
はい何でしょうか。
「今私名前を間違えて紹介したでしょ?」
「ええ、一文字も合ってないどころか戦国武将ですらなかったですね」
「ちゃんとツッコんでくれないと、私という人間が勘違いされるでしょう!!!」
あなたがそれを言いますか!!!!!
まあいいや、確かに俺のボケが分かりずらかったかもしれないし。
「じゃあもう1度お願いできます?」
「仕方ないわね」
そしてまた俺は渋々廊下に出た。
「おはようございます!」
おはようございまー、そこからか!!!
「この2年は組に…」
「…」
「ちょっと前田さん!」
また何かあったらしい…。
「…何ですか?」
「どうして、うん。まあ、ようするに3組って解釈でいいのか、って言わないのかしら」
ああ、そういえばそんな独り言だったか…。ここで反論しても面倒だ。
「うん…まあようするに3組って解釈でいいのか」
と、素直に言ってみた。
「ええ、その解釈であってるわ」
おい! 絶対めんどくさくなっただろ!
「それでは話を続けます」
そして15分間スピーチをした後。
「紹介します」
やっとここまできたか。転校生を紹介するのに何分かかってるんだよ。しかも話の8割がセミおしっこについてだし…。
「アンディロイペン君です」
「ハーイ! ワターシーガーアンディロイペンデース! スキナジョユーハ国外涼子…って俺は前田慶二だよ!!!!!」
サァー
「席についていいわよ」
「…はい」
俺は見事にすべりましたよ。