第48話〜四分蔵の能力は無限大〜
今回も非常にシュールとなっています。
ドタバタではなく、《シュール》ラブコメディーという試み。
シュールラブコメ、何とかなってますよね?
それとも手遅れでしょうかね?
「昨日のバーベキュー…じゃなくて、BBQは美味しかったね」
「言い直す必要無いだろ!!!」
忠海ものっけからよく分からない事を言うなよ。
「それにしても暇でござるな〜」
「だからって家に押しかけてこないでよね!」
里美が四分蔵に怒る。
今日は休日。家には四分蔵と忠海の二人が遊びに来ていて、綾子さんと里美も一緒に五人でぐうたらしている。
「まぁまぁ里美殿〜。堅いことはなしでござるよ〜」
「そうだよ里美。怒ってばっかりだとシワが増えるよ」
「うるさいわね!」
そうだそうだ。二人共、もっと言ってやれ。
「それにしても慶二、昨日は大活躍だったね」
と、忠海に言われる。
「そうね。慶ちゃんのお陰でバーベキューができたようなものだからね〜」
「能力も使いようでござるな」
と言うのも俺は昨日、能力を使ってバーベキュー用の火を起こしたのだ。
能力も使いようと言ったが、まさにその通りだと思う。
「ボクの風も日常生活で、そこそこ使えるよ。その中でも、空を飛べるのが一番だね」
「私はアイシングの氷が無かった時とかに、能力が重宝するわね」
「私はアイスクリームを買って、それを持ち帰る時によく使うわね〜」
そして俺達は四分蔵を見た。
「拙者は、パンツを覗いたりする時に重宝するでござるよ」
ボカスカドスドスボカスカ
「テメエェェェ!犯罪じゃねぇかぁぁぁ!!!」
「恥を知りなさいよ!恥を!!!」
「ボクの半径三光年以内に近寄らないで!!!」
「イタタタタ!拙者を蹴らないでっ!痛っイタタタター!」
「四分蔵ちゃんの能力も使い方によれば、世の為人の為になるんじゃないかしら〜?」
綾子さんが言った事が気になったので、俺達は四分蔵を蹴るのを止めた。
「言われてみればパンツ覗きじゃない、何か他の用途があるはずだな…」
「そうね。そもそもあんたはどんな能力なの?」
「視界に入っている影と、拙者の影を繋げるのでござる。故に影同士での物の移動が可能になるのでござる」
スポーツとかだと結構使えそうなんだがな。まあ、卑怯極まりないけど。
「うーん…。思い付かないわね…」
「ボクもパンツ覗き以外に思い付かないよ」
「私思い付いたわ〜」
と、どうやら綾子さんは思い付いたらしい。
「まず、影に手を入れます♪」
「それでそれで?」
忠海が興味津々に聞く。
「それでスカートをめくれば、バレないわね〜」
そういう事じゃねぇぇぇ!!!
「バレないでパンツを見る方法を考えてたんですか!?」
「ええ。そのスカートをめくられた子は、風がめくったって思うでしょうね〜」
「いや、それだったら影からパンツを覗く方法でもバレませんよ!」
「言われてみれば…」
綾子さんはしょんぼりしてしまった。
「ボクも思い付いたよ」
「お、忠海も思い付いたでござるか」
「うん。要はバレなきゃいいんでしょ?」
「だから違うって言ってんのぉぉぉ!!!」
犯罪にならないでパンツを覗く方法を考えてどうするんだよ!!!
「私も思い付いたわ」
今度は里美が思い付いたようだ。
「手じゃなくて、足を影から…」
「違うって言ってんだろうがぁぁぁ!!!」
そりゃ足の方がバレ難いけど…ってそういう事じゃないの!!!
「足が駄目なら棒を…」
「方法の問題じゃないって何回言ったら分かるんだよ!!!」
「謝ってから棒でめくるとか〜?」
「綾子さん!謝ったからといって許される訳じゃないですよ!!!」
「それならもういっそのこと、普通にスカートめくっちゃう?」
「ちがぁぁぁう!!!!!!」
「拙者、思い付いたでござる」
今度は四分蔵だ。
「今まではパンツを覗く事を考えていたでござるが、拙者はその逆。逆に考えてみるでござる」
そうか。覗くのとは逆に、パンツを覗く人間を捕まえたりするんだな。
しかしどうやって…?
「逆に拙者のパンツを見せればいいのでござるよ」
「逆ってそっちかよ!!!!」
「なるほどね〜」
「忠海もどうして納得してんだよ!!!どっちにしろ犯罪じゃねーか!!!」
「あ、そうね〜。それは盲点だったわ〜」
「慶二もやるじゃない」
この親子は大丈夫なのかよ!?
「そういう慶二はさっきから文句ばっかり言っているけど、何か案はあるの?」
「俺?」
「そうだよ!人にばかり文句言っちゃってさ!」
忠海に文句を言われる俺。
どうしてお前に文句を言われなきゃならないんだよ…。
「そうだな…。発想次第ではかなり使えそうな能力なんだけど…」
「そうね〜」
うーん…やっぱり…。
「パンツ覗き以外無理じゃね?」
「そうね〜」
「そうよね」
「だよね」
「でござるな」
四分蔵の能力を消さないと駄目だな。