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第44話〜思い出はほろ苦い?〜

「綾子さんってどんな物が好きなんだ?」


「うーん…。慶二から貰えるなら何でもいいんじゃない?」


「それって逆にプレッシャーかかるな」


 みなさんこんにちは。今日も修学旅行の振り替え休日で、学校は休みです。

 なので俺は里美と二人で、十月三十日に迫った綾子さんの誕生日プレゼントを買いに、例の超巨大ほにゃららら〜。に、デートがてら二人で来てます。


 デートって言ってもいつもと何も変わらないけど…。

 でもやっぱり、里美が可愛く見えてしまうものですねぇ〜。エヘヘ〜。


 え、気持ち悪いって?


「問題は綾子さんが何に興味を持ってるかって事なんだよな」


「そうね」


「カラオケセットとかは?」


「ああ。お母さんは歌が大好きだから、いいかもしれないわよ」


「綾子さんって歌が好きなんだ」


「うん。しかもプロ並…いや、プロ以上に上手いの」


「そうなの!?本当に何でも出来るんだな」


「うん。完璧超人だからね」


「里美もちゃんとそれを引き継げよ。特にむねっ−−」

−−ゴチーン!!!


「殴るわよ!」


 口がアイススケートしたな…。



 ようするに、滑ったって事ね。


「でもお母さんはよく言ってた。何でもできる才能より、さっちゃんのような努力の才能が欲しかった。って」


「ふーん。どうして?」


「そっちの方が楽しいじゃない。だってさ」


 天才には天才なりの苦悩があるのか。それまた大変だなぁ…。


「とにかくお母さんのプレゼントを考えなきゃ」


「そうだな…。ブラジャーとかは?」


「消えて。お母さんってアクセサリーを付けてないから、アクセサリーなんかがいいんじゃないかしら」


 消えてって言われた…。


 言われて見れば、綾子さんはピアスも付けてなかったし、ネックレスも然り。


「ネックレスなんかいいんじゃないか?」


「決まりね。行きましょ」


 俺は、分かった。と言って、里美とジュエリーショップに向かった。確か以前に澪と雪江さんと来た事があったかな?


「いらっしゃいませ」


 俺達が店内に入るや否や、若い店員さんが話し掛けてきた。


「カップルの方ですか?」


「ブッー!!!」


 里美が吹き出した。何を今更慌ててるんだか。


「そうですけど、今日はこいつの母親へプレゼントを買いに来たんです」


「なるほど。結婚に反対されているから、言わば賄賂ですね」


「違います。その人は俺の親でもあるからです」


「あら、もう結婚なさっていたんですか?」


 そりゃあそう勘違いするよな。俺の言い方が悪かった。

 まあ説明するのも面倒なので、それ以上何も言わない事にした。


「とにかく俺達はネックレスを…」


「はいはい。こちらになりますね」


 その店員さんは嫌な目付きで俺達を案内する。昔、恋愛関係で何かあったのだろうか。

 つーかそういう人がここで働くのはどうかと思うよ。


「こちらになりますね」


 店員さんが案内した所には様々な種類のネックレスが置いてあった。

 しかし、これだけあると迷うな…。


「何かお勧めはありますか?」


「最近は指輪が流行っていますね」


「指輪って、チェーンに指輪を通すやつですか?」


「はい、そしてその当店オリジナルがお勧めです」


「なるほど。とりあえずその当店オリジナルってのを見せて頂けますか?」


「畏まりました。少々お待ち下さい」


 言って店員さんはどこかに行ってしまった。

 しかし当店オリジナルか。どんなのがあるんだろうな。


「お母さんに似合うやつならいいんだけどね」


「綾子さんなら何でも似合いそうだけどな」


「言えてる」


「お待たせしました」


 意外とすぐに店員さんは戻ってきた。


 段ボール箱と共に…。


「その段ボール箱は…」


「最近はチェーンに指輪を付けるのが流行です。そこで当店は指輪じゃない物を付けてしまおうと。そしてその一つ目のオリジナル商品が−−」


 無視されました。


 とにかく、その店員さんが言うには、チェーンに何かを付けてしまおうと。そういう事らしい。

 極端に言えば…消しゴムとかも有り得るわけか。そんな訳ないけどな。






「この消しゴムを付けたネックレス。その名も、元カレとの思い出イレーサー〜いっそのことあいつ消してしまえ〜。です」




 無い無い!!!それは無い!!!


 しかも名前が…!!!絶対に過去に何かあっただろ!!!


「何か他にありませんか?消しゴムはちょっと…」


「そうですか。それならこれはどうでしょうか」


 言って店員さんは出した。


「辞書を付けたネックレス。その名も、元カレの辞書に私一筋という文字は無い〜星の数だけ彼女がいる〜。です」


うぉぉぉい!!!絶対何かあっただろ!!!


「いらないです!他に無いんですか?」


「ありますよ」


再び店員さんは段ボールをガサゴソと漁る。


そして−−。



「この五円玉を付けたネックレス。その名も、私はこの十万倍貢いだ〜そして見返りゼロ〜。です」


そんなのいらねぇんだよぉぉぉ!!!


「いい加減にして下さいよ!もっとまともなのは無いんですか!?」


「ありますよありますよ」


「最初からそれを出して下さいよ」


「チッ…糞ガキが…」


「今何か言いましたか?」


「いえ、何も…」


店員さんは言いながら段ボール箱を漁る。


「まともなやつをお願いしますよ」


「はいはい…ったくうっせーガキだな…」


 この人どんだけ腹黒いんだよ。彼氏にフラれるのも頷けるっての。

とにかく、次こそはまともな物を出してほしいな。消しゴムとか辞書とか、小学生の自由研究レベルだから。


 そして店員さんが取り出したのは−−。



「このブラジャーを付けたネックレス。その名も、元カレは私のブラを一回も触っ…」

「止めろぉぉぉ!!!」


 元カレ元カレうるせえ!!!



「まともなやつって言ったでしょ!?それはまともですか!?」


「それならこれ。鏡を付けたネックレス。その名も、元カレがくれた唯一のプレゼント〜それを使って自分の顔をちゃんと見てみろよ〜。です」


「だからぁぁぁ!!!もっとまともなやつはぁぁぁ!!!無いんですかぁぁぁ!!!」


「ありますよありますよ」


「さっきっからぁぁぁ!!!そればっかなんですけどぉぉぉ!!!」


「落ち着いて下さい」


「次はぁぁぁ!!!頼みますよぉぉぉ!!!」


「分かりました」


「この携帯付きのネックレス。その名も、アドレス帳の彼女フォルダに複数の女性が登録されている〜そこに私の名前は無かった〜。です」


「………」






「もういいです。あのハートが付いたネックレスをくれますか?里美もそれでいいよな?」


「うん。あれ可愛いよね」


「毎度あり」






もう絶対に行かないと、そう心に誓いました。

有次『俺と』

直正『わしの』

二人『元ネタ武将はどんな人?のコーナー!!!』


有次『今回のゲストはお堅い美女、詩織里ちゃんだ』


詩織里『ったく、どうして私がこんな企画に…』


有次『そして今回の武将は戦国最強を争える武将、本多忠勝についてだ』


直正『家康に過ぎたるものは二つあり、唐のかしらに本多平八じゃな』


詩織里『唐のかしら?』


有次『それは家康の回で紹介する。そんで忠勝についてだが、生涯において参加した合戦は五十数回に及んだ。しかし、いずれの戦いにおいてもかすり傷一つ負わなかったと伝えられているんだ。その事から重武装をしているイメージがあるが、実際には動きやすい軽装を好んだらしい。つまり、回避を重要視していたと考えられるんだな。また忠勝は、自分とは対照的に重武装であり、全身に傷だらけの井伊直政を批判していると言われている』


直正『失礼なやつじゃのう。傷こそ男の勲章なのにのう』


詩織里『忠勝が正しいわね』


有次『まあ人それぞれって事でな。そして彼は出陣するとき、忠勝は愛槍である蜻蛉切と鹿角脇立兜、そして肩から大数珠をさげるのが常であったといわれる。大数珠を身につけたのは、自らが葬った敵を弔うためであったといわれる。このように忠勝は勇将であったが、必ずしも戦争を好むような人物ではなかったんだ』


直正『忠海もしっかりとその性格を引き継いでいるのう』


詩織里『忠勝と最強を争える武将はどんな人がいるのかしら』


有次『うーん…。武勇で言うなら立花宗茂と道雪。島津義弘、真田幸村とかかな…。他にもいるよ。でも一番多くの人に最強と言われるのは、おそらく忠勝だろうな』


直正『井伊直政と言うは人はいないのかのう』


詩織里『そんなのどうでもいいわ』


有次『それじゃあまた次回。今回のゲストはお堅い美女、詩織里ちゃんだ』


三人『さようなら』

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