覚醒?
短編です
電子レンジに近づいただけで、レンジが勝手に動き出す。急にこういう心霊現象が起こるようになった。
テレビもリモコンに触ろうとするだけで、勝手に着くし、チャンネルが勝手に変わる。
いったい何なんだ。この部屋そんなに心霊現象が起こるような部屋じゃなかったはずなのに、急にこうなり始めた。
俺の変化と言えば、数日前に、急に酷い頭痛がして仕事を休んだことはあったけど、それぐらいだ。それ以外は家も変えてないし、心霊スポットとかに行ったりもしていない。
それなのに、頭痛が治ったと思って、飯でも食おうと思ったら、レンジは何もない空間を温めだすし、テレビは勝手に見たくもないチャンネルをつけ始める様になった。
俺、もしかして、頭痛の影響でエスパーにでも目覚めたかな?
試しに、ベッドの上に置いているぬいぐるみに手をかざすと、少しだけ動いたような気がする。壁に力なくもたれていたクマが、少し揺れて、ベッドに倒れた。やっぱりだ。俺はエスパーの力に目覚めたんだ!どうしよう!俺、テレビに出れちゃうかも!
「「ピンポーン」」
急な来客。ノゾキアナを見ると、見るからに怪しいスーツの男が立っていた。コレきっと何かの勧誘だな、絶対出ないぞ?
男は少し周囲を見回していたけど、俺の部屋以外は行かないようで、階段を下りて行ってしまった。変な勧誘じゃないのかな?何だったんだろう。なんか見たことある人だったけどまぁいいや。
普段の休みに加えて、頭痛分の休みが合わさったから、今日はこの新しい力を試す日にしよう。
さて、まずはクマの人形を持ち上げてみようかな。
横たわるクマを今度を起こしてみる。ふぬぬ、結構力がいるな。大変だ。
ようやくクマを起こし終えると、どっと疲れたような気分になった。なんだ、急に眠気が。
俺は気を失ったようで、記憶がプツリと途切れてしまった。
どのくらい時間が経ったのか、わからないけど、目を覚ますと、俺の部屋にたくさんの人がいた。その中にこないだ来た知らない男もいた。そいつは「オオヤさん」と呼ばれていた。誰だよオオヤ!なんだよ、お前ら!土足ではないけど、勝手に人の家に入りこむのはやめてほしい。俺の部屋そんなにきれいじゃないんだ。誰か来るなら部屋を掃除してからにしたい。
よく見ると、玄関の外には会社の人間と、俺の両親がいた。
なんだよ、なんでこんなに人が集まってるんだ?俺、何かした?
寝起きのせいか、頭がはっきりしない。くそ~、一旦お前ら部屋から出ろよ!
そう思ったら、クマの人形が動き出した。そうだ、俺には新たな力が宿ったんだ!
電子レンジに視線を送ると、勝手にレンジがついて、テレビに手を伸ばすとテレビついた。どうだ!みたか!俺の力!本当は動画サイトとかでちょっとずつ見せるつもりだったけど、とりあえずみんな部屋から出ろ!状況の説明をしてくれよ!!
「うわ、なんだ!?」
「ひぇぇ!!」
男たちと、母親が情けない声を上げた。どうだ母さん!!!すごいだろ!
「いったん部屋を出ましょう」
警察のような恰好をした男がそう言った。
「司法解剖などもろもろはそれからになるかと思います。」
——もしかして・・・——
俺の部屋に死体でも埋まってたか!?




