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真夏のキミと花火を見たかった【久磁原由井 編】

僕は高校2年の危川彩。

去年は何もなく1年が過ぎ去ってしまった。

今年こそは終業式の次の日に開催される

花火祭りに女の子と一緒に行きたい。

そして最高の夏休みにしたい。


「ってことがあってよー!参っちゃうよな危川!」

「それは理不尽だったな田島。」

「だいたいよ、悪いのは俺じゃねぇって!」

「うん、確かに田島は悪くないよな。」

「だろ?なのによ!なんで俺が先生に怒られなきゃならねんだろうな!」

「本当、田島も大変だな。」

っと田島と歩きながら廊下を歩いていたら…。

ドンッ!

「うわっ!」

「あ!先輩ごめんなさーい!」

「だ、大丈夫だよ。廊下は走らないようにね。」

「はーい!すいませーん!」

「なんだ?危川、知り合いか?」

「知らないよ、向こうからぶつかってきただけだ。」

「なるほどな、しかし今年の1年生は元気な子ばかりだな。特に今ぶつかってきた子とか。」

「確かに、そうだね。」

「あの感じはクラスを盛り上げてる立場なんじゃねぇかな!」

「確かに、わかるぜ田島。」

「ま、そんなことはいいから早くトイレに行こうぜ!」

「そうだな!」

と、下級生と廊下でぶつかってしまった。

これがまさかあの子との出会いになるとは…。


…。


さて、お昼になったわけだけど

田島は忙しいから今日は僕1人か。

なんだか1人で食堂は寂しいものだな。

「あの、先輩1人ですかー?」

「え?」

「あのー先輩今1人ですか?」

「あ、あぁ、1人だけど…君は…」

「ごめんなさい!あのときぶつかった、由井といいます!」

「由井さんか…。」

「あ、さん付けじゃなくてもいいです!」

「えっ?!そ、そうか。じゃあ由井でいい?」

「はい!どんどん呼んじゃってください!」

「あははは、元気だなぁ。」

「そして、あのときは本当に、すいませんでした!」

「大丈夫だよ、気にしてないよ。」

「本当ですか?すいません、ありがとうございます!」

「ところで僕に用事?」

「はい、あの、その、なんて呼べば?」

「あぁ、僕は危川彩って言うんだ。」

「じゃあ!彩先輩で!」

「あぁ、わかったよ!ところで僕に用事?」

「はい!その、ぶつかったお詫びに、今日彩先輩に食事を奢ろうかなと!」

「本当に?そんなことしなくてもいいのに。」

「いえ!奢らせてください!」

「それじゃあ、今日は味噌ラーメンを頼むよ。」

「はい!わかりました!買ってきます!」

「うん、ありがとう。」

こうして由井と一緒に食事をした。

なんだか元気で、とても積極的な子だな…。


…。


今日は委員会の仕事かぁ。

この荷物重たいんだよな。

誰か一緒に運んでくれたらな。

「あ!彩先輩!私やりますよ!」

「ん?あ、由井じゃないか!」

「私手伝いますよー!」

「本当か?じゃあそっちを持ってくれ。」

「はい!行きます!せーの…!」

…。

「ふぅー、疲れたぁ。ありがとう由井!」

「いえいえ彩先輩の役に立てて良かったです!」

「ありがとう!本当に役に立ったよ!じゃ今日はこれで委員会の仕事は終わりだから僕は帰るね。ありがとう!」

「はい!また明日!彩先輩!」

こうして由井が荷物運びを手伝ってくれた。

なんだか本当に積極的だな。


…。


補習だけにはなりたくないからな。

教室に誰もいなくなってしまったけど

ここだけはしっかり勉強しないとな。

「彩先輩ー!」

「ん?あぁ、由井どした?」

「暇なので彩先輩の教室に来ちゃいました!」

「そうか、まぁ前の席にでも座りなよ。」

「いいえ!大丈夫ですよ…。」

「そうか、なら何か僕に用かな?」

「はい!その…彩先輩って。まだ誰にも唇を奪われてませんよね?」

「え?!唇?!う、奪われてはないけど…。」

「なら私が奪っちゃってもいいですか?!」

「え?!」

「私、ぶっちゃけ言うと彩先輩のことが好きで…。」

「えっ…!?」

「その思いを確かめて見たくて…。」

(積極的だなぁ…。)

「彩先輩!ダメですか?!」

「だ、ダメじゃないけど…。」

「なら、私にその唇を、奪わせてください…。」

「うん、いいよ…。」

「なら、さっそく…いきます…。」

チュッ。

うぅん、あたたかくて柔らかい唇…。

…。

「ありがとうございます、彩先輩…。」

「いや、大丈夫だよ…。」

「自分の気持ちわかりました…。やっぱり私は彩先輩のことが好きです。なので、これからも一緒にいさせてください!」

「うん、もちろんいいよ!」

「やった!ありがとうございます彩先輩!じゃあ私帰りますね!それじゃあ!」

「うん、気をつけてな!」

こうして由井とキスをしてしまった。

由井はやっぱり積極的すぎる…。


…。


こうしてあれから長らく月日が流れた。

あれからも由井は積極的だった。

一緒に食堂でご飯を食べたり

時々、キスをお願いされるようになった。

そして明日は終業式…。

積極的な由井と、僕は夏祭りに行きたい…!

絶対誘うぞ…!


…。


「彩先輩ー!」

「あ、由井、また教室に来てくれたんだね。」

「はい!もう彩先輩のことが好きなので!」

「ははは、恥ずかしいな!でもありがとう。」

「ところで彩先輩…!明日の夏祭り一緒に行かないですか?」

!?

まさかのそっちから誘ってきた?!

「え、一緒に行ってくれるのかい?!」

「もちろんですよ!彩先輩以外となんて、私行きませんから!」

「そうか、なら明日是非一緒に行こうよ!」

「やった!ありがとうございます彩先輩!」

「なら、18時に現地集合でどうかな?」

「はい!それでお願いします!」

「それじゃあ…明日ね!ばいばーい!」

よしっ…!やったぞ!

あの積極的な由井と明日…。

夏祭りに行けるぞ…!


…。


「お待たせ!彩先輩!」

「あぁ!由井!来てくれてありがとう!」

「当然ですよ!ささっ、さっそくいきましょう!」

…。

「彩先輩、この唐揚げ美味いっすね!」

「ジューシーで美味しいね!」

「彩先輩!このじゃがバターとろけるおいしさですよ!」

「確かに、柔らかいね!」

「あぁ、やっぱり私金魚すくいは苦手です!」

「はははは、残念だったね。」

…。

「ふぅー、疲れた!色々見てまわりましたね彩先輩!」

「うん…そうだね!楽しかったな!」

「…。」

「…。」

「彩先輩…」

「ん?どうした?」

「今日は伝えたいことがあります。私のこと、積極的だなとか実は思ったりしてませんか?実は私、あのときぶつかってから、彩先輩に一目惚れしちゃって、もっとくっつきたい、もっと近づきたいって思ったんです。もう(先輩後輩)って関係じゃ、私我慢できなくて。彩先輩…もしよかったら私と(恋人)になってください。」

「もちろんだよ由井、優しくて積極的な由井と、僕も先輩後輩の関係じゃ我慢できないよ。僕からも言う。こんな僕に一目惚れしてくれてありがとう。好きだよ、由井。」

「彩先輩…」

チュッ。

ヒュ〜〜〜〜ッ、パ〜〜〜ン!

今、先輩後輩から恋人へと変わった合図が

鳴り響いた。


あれから私は彩先輩と恋人になりました!

休み時間のたびに教室に会いに行ったり

彩先輩の委員会の仕事を手伝ったり

この前は私の苦手な国語を教えてくれる

勉強デートに行ったりしました!

これからも私は間違いなく

あの学校で1番彩先輩のそばにいた人に

なりたいと思ってます!

また来年、彩先輩と花火を見れますように。


-END-

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