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金太郎とカメ

作者: ラベンダー

 ムカシ:ムカシ、あるところにおじいさんが桃の中にいました。

「誰かー!ここから出しておくれー!」おじいさんは桃の中から外へ出たいそうです。

「ドンブラコー!ドンブラコー!」桃はそう言って、おじいさんの声をかき消すのでした。桃は今、川で流れています。


 そのとき、一匹のウサギがきました。

「おやおや、桃が川に流されているぞ」ウサギは言いました。「だけど、一人じゃ助けられないや。俺は泳げないし」そう言ってウサギは川を飛び越え、山の中へと消えてしまいました。


 しばらくして、カメがやってきました。

「おやおや。桃が川に流されているなー」カメはそう言うと、泳いで桃を岸辺に運びました。

「ふー。ちょっと疲れたなー」カメはそう言うと寝てしまいました。


 しばらくして、サルがやってきました。サルは(ざる)を持っていました。その中には柿が入っています。サルはカメを目撃すると柿をカメに投げつけました。

「人の不幸は密の味だな」サルは言いました。しかし、カメは甲羅があるため痛くもかゆくもありませんでした。


 その頃、桃の中に入っているおじいさんは昔、綺麗なおねえさんから貰った箱がズボンのポケットに入っていたことに今、気が付きました。おじいさんはそれを初めて開けてみます。すると、中から煙が出てきました。


 サルはまだ、柿をカメに投げて遊んでいます。そのとき、桃が急に粉々になり、中からお兄さんが出てきました。そのお兄さんは元おじいさんでした。

「誰だ?お前は?」サルは言います。

「わしか?僕は金太郎だ」金太郎は言います。桃の中に入っていたのは金太郎だったのです。

「君、カメをいじめていたね?」金太郎は言います。

「そうだよ、俺は弱い奴をいじめるのが最高に楽しいのさ!」

「そうか、それは良くない。僕が君に相撲で勝ったらカメをいじめるのはやめてくれ」

「いいだろう!だが、俺が勝ったらいじめを続けるぞ」サルは言います。

「僕に勝てたらな」金太郎はそう言うと、川の岸辺から少し離れたところへ行き、円を描きました。

「この円から出た方が負けだ」金太郎は言います。

「もちろん、いいだろう」サルは言います。


 勝負は開始し、たったの1秒でサルは金太郎に押され、円から出ました。金太郎は勝ったのです。サルは先ほどまでいた川の中に落とされ、そのまま川に流されてしまいました。


 カメが起きたようです。

「あれ?寝ちゃってた?」カメは言います。

「助けてくれてありがとう」金太郎はカメに言います。

「え?何のこと?」

「桃を岸辺に運んでくれたじゃないか。何かお返しがしたいのだけど」金太郎はカメに言います。

「今、ウサギとかけっこしてるんだ。先にあの山の頂上に行ったほうが勝ちなんだけど。もうウサギは山頂にいるかもなー」カメは山を見ながら話しました。

「わかった。僕がつれていくよ。まだ、間に合うかもしれないし」

「そうかなー」

「じゃあ、行くよ!」金太郎はそう言うと、カメを手に持ち、山の頂上を目指しました。


 金太郎は足が速くありません。しかし、一生懸命に走っています。


 山頂までもう少しです。すると、山頂の手前でウサギを見つけました。ウサギは木の下で寝ていました。

「ウサギは寝ているね。これなら勝てるよ」金太郎はカメに言いました。しかし、ウサギは耳が良いので、起きてしまいました。

「あ!やばい!寝てた!カメよ!負けないぞ!」ウサギはそう言うと山頂へ走り出しました。

「くそ!ウサギは足が速いな!僕じゃ勝てない!」金太郎は言いました。

「わかった、僕を投げて!山頂に投げるんだ!」カメは言います。

「ダメだよ!けがをしてしまう!」

「大丈夫!僕には甲羅がある。これがあれば、痛くも痒くもないよ!」

「わかった!じゃあ、投げるよ!えいっ!」金太郎はそう言うとカメを山頂に投げました。カメは山頂に到着し、ウサギに勝つことができました。


 しばらくして、ウサギが山頂にやってきました。そのあとに金太郎も山頂に到着しました。

「ずるじゃないか!」ウサギは怒っています。

「えー。そーなの?」カメは言います。

「ちゃんと自分で走らないと!」ウサギはカメに怒鳴ります。

「まあまあ、カメは僕の恩人なんだ。許してやってくれ」金太郎は言います。

「誰だよ!お前!」ウサギは金太郎に近づきます。

「僕の名前は金太郎さ」金太郎がそう言った瞬間ウサギは金太郎の顔を殴りました。

「痛いよ」金太郎は言います。

「うざいんだよ!」ウサギは大声で叫ぶと、次はカメのことを蹴ってしまいました。

「おい!」金太郎は怒鳴ります。

「なんだ!?」ウサギはそう言うと、もう一度、金太郎に殴りかかろうとしました。しかし、金太郎がウサギの腕を瞬時に掴み、そのまま、投げ飛ばしました。ウサギはそのまま月まで飛んで行ってしまいました。

「あれあれ?力を入れすぎたかな?」金太郎はカメに言いました。しかし、カメは寝ていて聞いていませんでした。

「良く寝るなー」金太郎はそう言ってカメを自分のお腹に乗せ、寝てしまいました。


 ウサギは金太郎に投げられ、月に衝突しました。これからは月で暮らすようです。




おしまい

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