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第8話 学級崩壊ってやつだ!

 翌週――。


 タイムリミットまで後351日。


 今週からついにクーレシタ魔法学校での授業が始まった。


 というわけで、今日も授業を受けているのだが……


「鍵を開けるための基礎的な魔法は『アペルトゥラ・クラヴィス』です。皆さん、実際にやってみましょう」


 今日は教授に配られたこの鍵に向かってアペルトゥラ・クラヴィスと唱えればいいらしい。


「アペルトゥラ・クラヴィス」


 シーン……


 周りの皆は普通に成功しているのに、僕だけは呪文を唱えても何も起こらない……


 フフフッ


 でも今週色んな授業を受けて、僕は一つ学んだことがある。


 そう、それは、魔力が無くても使える魔法道具は沢山あるということだ!


 昨日も魔法道具を買いに、ちょっと高級そうな魔法道具屋さんに行ってきた。そしたらお店で働いていたおばさんがタダで収納バッグをくれた。


 この収納バッグは、いくらでもモノを詰め込むことができる、そう、つまりはトラえもんの四次元ポーチなのだ!


 こんな高級なモノをタダでゲットできるとは、僕はなんてラッキーなんだ。


 フフフフフフッ


「上手く行ってないみたいですけど、大丈夫ですか?」


 ハッ!


 結局同じクラスになってしまったシャーロットことジェシカさんだ。


「大丈夫だよ。今からちゃんと開けるから」


 たらたらっらら〜


 テンションレンチ(L字型の金属棒)みたいなやつと、ピック(細い金属製の針)みたいなやつ〜


 アペルトゥラ・クラヴィスなんて言ったところで何も起こりはしない。


 そう、僕はこの鍵を開けるんだ、「ピッキング」でね。


 やり方は簡単!


 テンションレンチで回転圧をかけつつ、ピックでピンを1本ずつ押し上げるだけ!


 フフフッ。物理的にピンを正しい位置に整列させることで、鍵を回せる状態にできるはずだ!


 よしよしっ


 むむむ……?


 あれ?


 ピンが上がらない……?

 

 どうしてだ?


「……ケンくん、その鍵は魔法の力でロックされてるから、魔法を使わないと開かないと思いますよ?」


 ガーン……


 でたよ、理解不能の魔法力。


 僕がこの世で一番嫌いなもの。そう、それは理解できないモノ。つまりはこの世界における魔法力……


 どうしたら……


「困ってるの? 私が開けてあげるよ!」

「私! 私が開けてあげる!」

「私の方が早いわよ!」

「ちょっとその鍵貸しなさいよ!」

「私が開ける!」

「私!」


 おお……


 クラスメイトの子達が一斉に僕の鍵を開けようとし始めたぞ。


 これが噂の学級崩壊ってやつだろうか。


 というか、魔法が使えなくても生きていけるかも……

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