第7話 人生初のハーレムってやつだ!
夕方――。
ジェシカとアレックスに魔法を教わった結果、やはりいくら試しても僕は魔法が使えなかった。
というわけで、魔法の特訓は諦めて、三人で街のレストランへとやってきた。
ついさっきまでアレックスもいたのだが、ジェシカの圧に負けて、アレックスは帰ってしまった。
「ケンくん、それで――」
「お兄さん、どこから来たの〜?」
ジェシカが僕に話しかけようとした瞬間、小さな女の子が声をかけてきた。
「半径が約6,371kmの地球ってところから来たよ」
うんうん。こんな小さな女の子なら、僕も怖くないぞ。
「私の名前、アメリアって言うの! お兄さんのタイプの女性は〜?」
「女性より、ホーキング博士が好きかな」
「じゃあじゃあ、アメリアのこと好き〜? 嫌い〜?」
「え、えっと……」
「じゃあじゃあ――」
「何してんの!?」
アメリアから質問攻めにあっていると、急に後ろから声をかけられた。振り返ると、僕と同い年ぐらいの綺麗な女の人が立っていた。
「えっと、な、何……とは?」
「私の妹に気安く話しかけんな! このクズ!」
突然やってきた美女は、どうやらアメリアのお姉さんらしい。なぜかめちゃくちゃ怒っている。
というか、どうやら僕は誰にでもモテるというわけではないようだ。
「あの、僕は――」
「ねえ、そこの僕! 珍しいオーラね。今度、お姉さんと一緒にお茶しない?」
今度はまた別の女性がやってきた。
「ねえ、ケンくん、それより来週から早速学校で授業ですよ! クラスの他の女の子とデートしたら殺しますからね――」
「じゃあじゃあ、年下の女の子は好き〜? 嫌い〜?」
「こんな小さい女の子を口説くなんて信じられない! このクズ!」
「お姉さん、去年までは男だったんだけど、女になるって決めたの!」
ああ。これがハーレムってやつか。