表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/34

第3話 僕は実家に帰りたい!

 そもそもどうして叔父さんはあんな魔法具を持っていたのだろうか?


 叔父さんはこの世界に来たことがあるのだろう?


 もしかして、叔父さんは魔法使いなのだろうか?


 すなわち、僕も……?


 ……いや、考えても無駄だ。


 よしっ


 とりあえず、次叔父さんに会ったとき、思いっきり顔面をぶん殴らせてもらおう。グーパンで。


 うん。だって、準備ゼロで急に一人で知らない街に放り出されて、魔法の修行なんか始める前に、僕、野垂れ死にしちゃうよ。


 でも、ついさっき話しかけてくれたお姉さんのおかげで、しばらくは生きていけそうだ。


 頑張ってお喋りしたおかげで、お姉さんはこの世界に馴染むための服や、小道具、そして少しだがお金もくれた。


 この世界での身分証や、お金のやり取りの役割も果たす天然石のネックレス『ソルヴィール』もゲットすることができた。


 ようは、このネックレスがマイナンバーとか電子マネーとかの役割を果たしてくれるらしい。


 しかも、魔力を持たない人間も、このネックレスを身につければ、魔法が使えるようになるらしい。非常に便利だ。


 そして、お姉さんに魔法の修行がしたいことを伝えたら、この街から少し離れたところにある魔法学校についても教えてくれた。


 ちょうど来週、その魔法学校への編入試験があるらしい。飛び込み参加での受験もありなんだとか。


 よくわからないけど、魔法学校に入学すれば、宿にも困らないし、叔父さんに言われた通り魔法の修行もできる。そして何より、この世界について学ぶことができる。


 この街には国立図書館もあるらしいから、編入試験までは宿に泊まって日中は図書館でとにかく勉強だ。


 

 翌日――。


 タイムリミットまで後363日。とりあえず国立図書館にやってきた。ヨーロッパにありそうな立派なゴシップ建築の建物だ。


 中に入ると、それはもう大量の本が置かれていた。というか、本が浮いている……。


「拝啓、アイザック・ニュートンさん、リンゴが木から落ちずに宙に浮く世界もあるみたいです」


 とりあえず、どれか一冊本を手に取ってみよう。


 手に取った本は、どうやら火の魔法についてだ。ラッキーなことに入門書のようだ。どれどれ。


 火の魔法の基本法則について……火の魔法は、次の三つの要素を満たすことで発動する。一つ目は燃料。魔法力や周囲の物資が燃料となる……


 待て待て待て。魔法力って、何ですか?


 燃焼は、燃料中の炭素(C)や水素(H)が酸素(O₂)と反応して、二酸化炭素(CO₂)や水(H₂O)を生成する酸化反応のことだ。


 火が発生する条件、すなわち燃焼の三要素は、燃料と酸素と熱。燃料は木材とかガスとかだろう。それが魔法力って何だ!?


「……そろそろ実家に帰りたい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ