第26話 魔法の名門校、アルカナ魔法学校!
タイムリミットまで、あと163日――。
長い旅路を終え、ついに僕たちはアルカナ魔法学校の駅に到着した。
列車がゆっくりとホームへ滑り込み、車輪が軋む音とともに静かに停車する。
「……ついたか」
リアムが立ち上がり、窓の外を見やる。
僕もつられて外を見ると、そこには見たことのないような光景が広がっていた。
駅の向こうには、まるで古城のような壮大な校門がそびえ立っている。その奥には広大な敷地が広がり、緑豊かな庭園や湖、そして――
「う、浮いてる……!?」
思わず目を疑った。
学校の建物のいくつかは、宙に浮かんでいたのだ。
巨大な塔や講堂らしき建物が、まるで雲の上に浮かぶように空中に並んでいる。
「すごい……!」
僕は思わず感嘆の声を漏らした。
「まあ、アルカナ魔法学校は魔法界でも最高峰の学び舎だからな。この程度で驚いていると、先が思いやられるぞ」
リアムが肩をすくめながら言う。
「いやいやいや、驚くよ! どうなってんの、あれ!? 落ちたりしないの!?」
「落ちるわけないだろ。ちゃんとした浮遊魔法で支えられている」
「すごい……」
僕はただただ圧倒されるばかりだった。
リアムとともに列車を降りると、他の学生らしき人たちも一緒にぞろぞろと校門へ向かっていた。
道の途中で、僕はポケットから事前にもらっていた地図を取り出す。
「えっと……寮はどこだろう?」
「入学手続きがあるから、まずは管理棟へ向かわないとな」
リアムが手慣れた様子で先に進んでいく。
「まって、ちょっと待って、迷子になっちゃうよ」
地図を見ながら、僕は慌ててリアムの後を追い、アルカナ魔法学校の新たな生活へと足を踏み入れた――。




