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闇の魔法使いにかけられたのは恋愛体質の呪いでした  作者: 希羽


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第19話 謎の挑戦者、現る!?

 タイムリミットまで、あと258日――。


「はあ……」

 

 僕は寮の部屋のベッドに寝転がり、天井を見つめていた。


 二日前、僕の留学試験はあっさりと終わった。


 リアムに秒殺され、試験官に「不合格」と告げられ、僕の未来は閉ざされた。


 ……終わった。


「ケンくん、大丈夫?」


 心配そうに声をかけてきたのはアレックスだ。


「あ、うん。全然大丈夫じゃないけど、大丈夫……」

「全然大丈夫じゃないんだね……」

「だって……!」


 僕は勢いよく起き上がる。


「留学試験、不合格だよ。 もう試験を受けるチャンスもなし…… 絶望のどん底だよ」

「……いや、ちょっと大げさすぎない?」


 アレックスが苦笑する。


「そもそも、試験に落ちたからって終わりじゃないよ。魔法の勉強は続けられるし、また別の道もあるかもしれないしさ」

「そうですよ、ケンくん!」


 ジェシカが元気よく僕の背中を叩く。


「そもそも、ケンくんは本当にアルカナ魔法学校に行きたかったんですか?」

「え?」

「呪いを解くために受けた試験でしたよね? だったら、他の方法を探せばいいだけじゃないですか!」

「……」


 たしかに、そうだ。


 僕の目的は「留学」じゃなくて「呪いを解く方法を見つけること」。


「それに、別にケンくんがダメダメだったわけじゃないですよ!」


 ジェシカは笑顔で続ける。


「試験に落ちたのは……単純に、リアムくんが強すぎたせいですから!」

「そうだよ!」


 アレックスが頷く。


「いや、全然フォローになってないよ……」


 そんな話をしていると、部屋のドアがノックされた。


「ケン、入るぞ」


 リアムが現れる。


「あっ、リアムくん!」


 ジェシカが手を振る。


「……リアムくん、どうしたの?」

「お前が落ち込んでるって聞いたからな」


 リアムは淡々とした表情で僕を見る。


「……別に、そんなに落ち込んでないし?」

「そうか? 俺には、地面にめり込むレベルで落ち込んでるように見えるが」

「どんな落ち込み方!?」


 僕がツッコむと、リアムはわずかに笑った。


「だが、試験に落ちたくらいで全てが終わるわけじゃない。アルカナ魔法学校へ行けなくても、別の方法で呪いを解く道はあるはずだ」

「……リアムくん」

「それに――」


 リアムが何かを言いかけたその時だった。


 ガチャッ


「おーっほっほっほ!」


 突然、ドアが開き、派手な笑い声が部屋に響き渡った。


「……だれ?」


 ドアの前に立っていたのは――


 性別不明の派手な化粧をした学生だった。


 金色に輝くロングヘア(ウィッグ?)、キラキラした装飾のついたローブ、そして艶やかな口紅。


「……誰?」

「アタシ? アタシはエルマーよ♪」


 エルマーは艶やかに微笑みながら、僕の前に歩み寄った。


「あなたが噂の試験最速敗退記録保持者のケンちゃんね?」

「いや、変な肩書きつけないでください」

「おーっほっほ、いいじゃない♪ 目立つって素敵よ!」

「全然素敵じゃないよ!」


 僕が慌てて否定すると、エルマーはウインクしながら言った。


「ケンちゃん、アタシと勝負しなさい♪」

「は? なんで?」

「決まってるじゃない。アナタを見てたら、ムラムラと闘志が湧いてきたのよ♪」

「……僕、今そういうの求めてないんだけど」

「そんなこと言っていいのかしら?」


 エルマーは妖艶に微笑むと、チラリとリアムを見る。


「あなた、留学試験合格者のリアムでしょ?」

「……そうだが?」


 リアムが眉をひそめる。


「お前は……俺と同じくアルカナ魔法学校への留学試験に合格した奴じゃないか……!」

「え?」


 僕とアレックス、ジェシカが驚く。


「どうして、こんなところに!?」

「ふふっ、それはね――」


 エルマーはゆっくりと口元を吊り上げた。


「アナタたちに用があるからよ♪」

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