第18話 開戦!(そして終戦)
「ケン、準備はいいか?」
リアムがゆっくりと杖を構えた。
「いや、全然よくない!」
僕は全力で叫んだ。
「始まってるんだから、逃げ道はないぞ」
リアムが淡々と答える。
(そんなの、あんまりだ!)
でも、逃げるわけにはいかない。
「……やるしかないか」
僕は手に持っていた魔法具、「ガイア・シールド」を構えた。
「とりあえず、防御だ!」
ゴゴゴゴッ!
茶色い光が広がり、僕の周囲に分厚い岩の壁が出現する。
「よし、まずはこれで――」
「甘い」
リアムが冷静に杖を振った。
その瞬間――
ズバァァッ!
何かが空を切る音がした。
次の瞬間、僕のガイア・シールドが真っ二つに割れた。
「……は?」
バキィィィン!
ガイア・シールドが粉々に砕ける。
「えっ!? 待って!? これ防御用の魔法具だよ!? 一撃で!?」
「魔法具の性能に頼るだけではダメだ」
リアムが淡々と告げる。
……ヤバい。
次の攻撃が来る。
「くそっ……こうなったら!」
僕は体勢を立て直し、前に向かって走り出した。
「おらあああああ!」
勢いだけで、魔法具を構えたままリアムに突進する。
「悪くない判断だ」
リアムは少しだけ満足そうに頷いた。
だが――
「だけど――遅い」
次の瞬間、視界が一瞬ブラックアウトした。
気がついたときには、僕は地面に寝転んでいた。
……え?
何が起きたの?
「試合終了! 受験番号27番、ケンタロ・ヤマダ、敗北。」
試験官の声が聞こえる。
「えっ!? ちょっと待って!? 何が起こったの!?」
僕は慌てて起き上がる。
「今の、何?」
「俺の魔法弾が当たっただけだ」
リアムがさらっと言う。
「え!? ちょっと待って、見えなかったんだけど!? 何で!?」
「速度を上げたからな」
「ちょっと待って、もうちょっと初心者向けに攻撃してくれてもいいんじゃない!?」
「試験だからな」
「非情!」
僕の抗議をよそに、試験官が淡々と告げる。
「二次試験で敗北した受験者は、ここで試験終了となる」
「え?」
「受験番号27番、ケンタロ・ヤマダ、留学試験不合格」
ザワッ……!
観客席がざわつく。
「えっ、ちょっと待って!? これで終わり!?」
「当然だ。二次試験で敗れた者はアルカナ魔法学校への留学資格を得ることはできない」
「お、おおおおおおおおおわった……!?」
僕はその場で崩れ落ちた。




