第15話 僕、学校サボってました!?
タイムリミットまで、あと342日――。
「……ケン、起きろ」
どこからか声が聞こえる。
バチバチッ……!
痛い。体が痺れてる。
「おい、しっかりしろ」
薄っすらと目を開けると、リアムが呆れた顔でこちらを覗き込んでいた。
「……生きてる?」
「ギリギリな」
「……やっぱり、僕に魔法は向いてないんじゃないかな」
「いいから、他の魔法具を試してみるぞ」
「リアムくん、容赦ない……」
そう言いながら、ふと周りを見回す。
「……というか、今何時?」
「朝の十時だ」
「……え?」
何かがおかしい。いや、確実におかしい。
「……日付変わってるじゃん!」
「そうだな」
リアムは淡々と頷く。
「授業にいかなきゃ!」
僕は一気に飛び起きる。全身がまだ痺れてるけど、そんなこと言ってる場合じゃない!
「僕は学年トップのリアムくんと違って、基礎の授業もあるんだよ!」
「そうか。じゃあ、続きはまたあとでな」
「うん、ありがとう!」
僕は全速力で教室へ向かった――。
教室にて――。
「5、8、3、10、6……」
配られた答案用紙を見て、僕は思わずつぶやいた。
「先生、これって10点満点ですか?」
「いいえ、100点満点です」
……。
…………。
魔法具を試してる場合じゃなかった……




