表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇の魔法使いにかけられたのは恋愛体質の呪いでした  作者: 希羽


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/34

第14話 僕は魔法具を使いこなすぞ!

 タイムリミットまで、あと343日――。


「このテスラコイルみたいなやつ、使ってみたいんだけど」

「フルミナス・コルヌか。良い選択だな」


 リアムが頷き、魔法具の一つを指差す。


「留学試験の一次は筆記だが、二次試験は対人戦だ。お前が使えそうな攻撃用の魔法具を探しておかないとな」

「うん、練習に付き合ってくれてありがとう、リアムくん」


 今日はついに、学内の魔法具実験室で魔法具を実際に試してみることになった。


 リアムが立ち会ってくれるのは心強い。この部屋の床や壁には強力な防御魔法が施されているため、思う存分に練習できるらしい。


「じゃあ、フルミナス・コルヌの一番上にある球の部分を押してみろ。ゆっくりな」

「こうかな?」


 リアムに言われた通り、球の部分を押してみた。


 次の瞬間、フルミナス・コルヌが青白く光り始め、空気がピリピリと震えた。


 頂上の球体から稲妻が奔る。


 バチバチバチッ――!!


 目の前の空間に雷の渦が巻き起こり、中心から人影が浮かび上がる。


 まるで雷雲から生まれたかのように、閃光に包まれたその存在は、ゆっくりと姿を明らかにした。


「ケン、これが雷の魔法精霊だ――」


 リアムが説明しようとしたその瞬間――


 ドゴォンッ!!!


 雷の魔法精霊がいきなりリアムに向かって激しい雷撃を放った。


 バシュウウウ!!


 しかし、リアムは一瞬の動作で杖を振り、放たれた雷撃を跳ね返す。


「……へぇ、なかなかやるじゃないか」


 全く動じていない。さすが学年トップの実力者。


「ケン、こいつは使えるぞ!」


 いや、まだ何も使えてないけど……


 その次の瞬間――


 雷の魔法精霊が、僕の方を向いた。


 ……いや、まさか。


「ちょっ、待っ――」


 ズバァァァン!


 青白い稲妻が僕の体を直撃した。


「ぎゃああああああ!」


 全身に激痛が走り、完全に動けなくなる。


「ケン!」


 リアムの声が聞こえるが、意識が遠のいていく……。


「……これ以上は危険だな」


 リアムが冷静に杖を振ると、強烈な魔力の波動が走る。


 ゴォォォッ!


 雷の魔法精霊は、一瞬のうちに光の粒子へと霧散した。


 僕は地面に崩れ落ち、煙を上げながらリアムを見上げる。


「……ケン……雷の魔法精霊は召喚できても、魔力がないせいでコントロールができないようだな」

「……自滅……」


 そう呟くと、僕の意識は完全にブラックアウトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ