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第1話 変態に呪いをかけられた!

 僕の名前は山田健太郎。公立高校に通う高校生だ。


 え、僕の特徴?


 そんなものは無い。強いて言えば――女の人が苦手だ。


 いや、苦手というより怖い。怒ったら何をしてくるか分からない生き物……は言い過ぎか。


 まあ簡単に言えば、トラウマってやつで女の人との接し方がわからない。


 だから、高校では女子の少ない理系を選んだ。毎日学校で授業を受けて、陸上部で暑苦しい男友達と部活に励んで、家に帰ってゲームしたりアニメ観たり……


 女の人とできる限り関わらない平凡な生活を送っている。幸せだ。


 今日も部活を終えて、家に向かって歩いているところだ。早く帰ってネットプリックスが観たい。


 いつもの道路。いつもの交差点。いつもの……


 と思っていたら、なんかめちゃくちゃコスプレしてる人が立っている。片手にハリーポッマーが持ってそうな魔法の杖なんか持っちゃって。


 ハリーポッマースタジオの帰り道だろうか?


 それにしてはローブが真っ黒だ。


「フフフッ……お前だな?」

「……」


 何か話しかけてきた!


 周りを見渡しても僕しかいない。確実に僕に話しかけている。


 こういう怪しい人は、無視して素通りするのが正解だ!


 そう思って、素通りしてみたのだが、真っ黒ローブの不審者……というか変態は、まだ僕の方を見ている。


「エクセクラティオ・ウィタエ!」

「え!? なに!?」


 変態が叫ぶと同時に、僕の身体から黒い光がにじみ出てきた。


「キモ! キモイキモイッ! なになになにっ!?」

「フフフッ。これで呪いをかけるのは五人目。四人目の奴は毎日年老いていく呪いだったよ。さて、君は何の呪いが当たるかな? 楽しみだねえ」


 そう言い残し、変態は闇の中へと消えていった。

 

 一体何だったのだろうか?


 急いで病院へ……けど、体のどこにも異常は無い。さっきの黒い光も気のせいか?


 カーボンナノチューブのように光をほぼ完全に吸収する素材を衣服や体に部分的に装着すれば、体から「黒い空間」が滲み出るような演出も可能……


 いやいや、そんなものは装着していない!


 呪いがどうとか言ってたな……


 よしっ


 とりあえず家に帰ってネットプリックスを観よう。



 帰宅後――。


 リビングでネットプリックスを観ていると、玄関から誰かが入ってきた。僕の叔父さんだ。


 僕の両親は長期の海外出張でたまにしか帰ってこないから、こうして頻繁に叔父さんが僕の様子を見に来てくれる。


「け、健太郎……」

「何?」

「呪い……!」

「のろい? そういえば、今日は短距離走でいつもより遅かったんだよな。何で知ってるの? 見てたの?」

「違う! このままだと、お前は確実に死ぬ!」

「えっ――」


 どうやら僕は、死ぬみたいです。

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