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魔王城の組織改革

「みなさん⁉ いつからそこへ⁉」


「えっとー、教団の人の提案をメアが突っぱねたとこくらいからかなー?」


 香恋がそう答えると、ネムが俺にこんなことを尋ねてきた。


「魔王様どうだった~? 結構怖そうだったでしょ~」


「た、確かに。俺が謁見する立場だったらすごい怖いかも」


 俺が正直にそう言うと、メアが不安そうにこう言ってきた。


「ま、真裕は、先程のような私は嫌ですか……?」


「ううん、むしろ魔王感あってカッコよかったよ。こう、威厳がある感じというか……」


 普段のメアを知っている身からすると、先程のメアはギャップがあってすごく魅力的に映った。もちろん、普段のメアの方が俺は好きだけど。


「そ、そうですか。それなら良かったです……」


「今日の謁見はもう終わりー? もしそうだったら少し休憩取らない?」


 香恋のその提案にネムも賛同する。


「ボクも賛成~! 魔王様も休憩取らないと体に毒だよ~?」


「そうですね……確かに今日の謁見はもうありませんし少し休憩にしましょうか」


 そうして俺たちはメアの部屋で休憩を取ることにした。メアが入れてくれた紅茶を飲みながら休憩をしていると、メアが俺にこんなことを尋ねてきた。


「真裕、仕事はどうですか? うまくやっていけそうですか……?」


「うん、今日みたいな仕事だったら問題なくできると思うよ。まあ、量は多いと思うけど……」


 正直、あんなに書類があったらいつまで経っても終わる気がしない。一つひとつの作業はそんなに苦ではないが、大量にあるとなれば話は別だ。


「だよね~。魔王様、もう少し減らせたりしないの~?」


「そうですね……そこまで多いなら私の方に回してくれても構いませんが……」


 そう提案してきたメアに香恋が慌てたようにこう言った。


「いやいや、メアの仕事量って二人よりも多いくらいでしょ? そんなことしてたらほんとに体壊すよ?」


「……ですが、これも魔王としての務めですし」


 メアのその言葉に俺は今日整理していた書類の内容の一部が頭によぎった。


 ……そういえば、書類の中には明らかにメアが処理しないでも良さそうなものが大量にあったな。今の問題は書類の多さもあるが、書類を分類や、処理をする人員の少なさだ。そこを解決すればもう少し仕事が楽になるはずだ。


「……書類の分類や処理をする人を増やせたりはしないの?」


「……そうですね。増やせないことはありません、明確な分類基準を設ければ、書類を分類する人員は増やせるでしょう」


「今もボクができない日は他の人がやってるからね~。まあ、結局魔王様の仕事は減らないけど~」


 そうか、分類する人員が増えても最終的にはメアのサインとかがいるのか……魔王は増やせないしな……。


 そこまで考えたところで俺は一つのアイディアを閃いた。


「……! だったら信頼できる配下――つまりネムとかに魔王代理の地位を与えたらいいんじゃないかな? それならメアの仕事を分担できるでしょ?」


「! 確かにそうですね……考えてもみませんでした。ですが今、私は仕事が結構ギリギリで手が空いていません。なので魔王軍の仕組みを変えるだけの余力がありません」


 ……なるほど、メアの仕事を減らすための組織改革をするためには、メアの仕事を減らさないといけないという訳の分からない状況なのか……。


「そこで、です。真裕に魔王軍の組織改革を一任します。組織改革の資料を作って私に見せてください、納得できるものができたらそれを魔王軍全体に適応させます」


「え? そんな大役を俺に任せても大丈夫なの?」


 俺がそう尋ねると、メアは力強くこう言ってきた。


「他ならない真裕だから任せるんです! そのアイディアを思いついたのは真裕ですからね。適任は他にいません!」


 本気の目でそう訴えかけてくるメアの提案を俺は断ることなんてできなかった。


「……分かった。最大限、あらゆる手段を用いてやってみるよ」


 そうして俺は魔王軍の改革という一大プロジェクトを任されてしまったのだった。


 それからというもの俺は魔王軍の仕事改革のため、案を練ってはメアに提出し、問題点などのフィードバックをもらいながらより良いものにしていった。


 しかし、今まで働いたことのない一般人の知識だけでは限界を感じ、俺は世に出ている様々な本を読み漁った。仕事効率化のための本や、仕事を選別する本、物事を仕組み化させる本など役に立ちそうなものは全て読み込んでいった。


 そうして二週間が経った頃、俺は行き詰まりを感じていた。どれだけ問題点を潰していっても新しい問題点が生まれる。案はより良いものになっているはずだが、ゴールはむしろ最初よりも遠くにあるように感じる。俺は自室に戻ってくると、重力に身を任せてベッドに倒れ込んだ。


「……はあ」


 正直限界だった。元々一般人の俺にこんな大役なんて無理だったんだ。そう考えがよぎるが即座にその考えを振り払う。


 いや、そんなこと考えちゃ駄目だ! 折角メアが任せてくれた訳だし、俺だってメアの役に立ちたい……でも、これ以上どうしろっていうんだ……?


 俺がそう頭の中でぐるぐると思考をしていると、ベッドの下からメアがひょこっと顔を出した。


「メ、メア? なんでこんな所に?」


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