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第18話「ジーナとデート」

ジーナよ、早く来すぎじゃ。もう少し寝かせておくれよのう。



「コン先輩……コン先輩……」

 うーん、むにゃむにゃじゃ。

「どうしよう……全然起きない……」

 うーん、むにゃむにゃじゃ。

「ルナ先輩はキスしたら起きるって言ってたけど」


「うーん、むにゃむにゃじゃ」

「あ、起きましたか? コン先輩」

 ワシは寝返りうって寝直すのじゃ。

「ワシが起きるまであと二十四時間じゃ……」

「一日終わっちゃいますよぉ……」

 ジーナが涙目になってそうなので仕方なく起きるのじゃ。


「やれやれ今何時じゃ?」

「朝の五時です」

 ワシずっこけるのじゃ。早すぎるわい!

「もうちょっと寝るぞい! ほら、ジーナもこいよのう!」

「え? あ、ちょっ、コン先輩……」


 ワシはジーナを抱き抱えてベッドにインするのじゃ。ジーナは恥ずかしがっておるのじゃが、ワシは気にせんのじゃ。

「ワシをモフモフしておれよのう」

 ワシは目を瞑り眠るのじゃ。ジーナはワシの手を握ったり頭を軽く撫でたり頬に手を置いたりしとるのじゃ。


 これはこれで気持ちいいのう。ゆったり一時間添い寝したのじゃ。

 六時になって起き上がり、ジーナを立たせるのじゃ。改めて服装を見ると制服じゃ。

「お主、何故制服なのじゃ?」

「制服デートしたくて……」

「正直に言わないと怒るぞい?」

 コーンコンと頭を叩くのじゃ。


「その……服を制服か部屋着しか持ってなくて……」

「なら買い物もコースに入れるぞい! 勿論ワシの奢りじゃ」

 ジーナは申し訳なさそうにするのじゃが、ワシは頭を撫でるのじゃ。

「ワシとデートする時くらい、おめかししてくれんとのう?」


 ワシらは学園長室に行ったのじゃ。ワールド副学園長先生に申請した通りなのじゃが、追加でショッピングモールにも行けるようなところにしてもらったのじゃ。

 ワープして着いた所は水族館じゃった。朝八時から開園じゃ。


「少しその辺を散歩しようかのう?」

「うん」

 ジーナに合わせてワシも制服で来た制服デートじゃ。手を繋ぎブラブラ歩くのじゃ。

 風が心地よくワシの毛をくすぐるのじゃ。


 近くにカフェがあったので、モーニングを頼むのじゃ。フレンチトーストとコーヒーを頼み待っとると、ジーナが見つめてくるのじゃ。

「ジーナはワシを見るのが好きじゃのう」

「……ごめんなさい」

「何故謝るのじゃ?」

「見ちゃいけなかったのかと思って」


 すぐ謝る癖がついとるのかのう? ワシはジーナに言うのじゃ。

「卓球やっとる時のお主はかっこよかったぞい! もっと自信を持てよのう!」

 食事を食べながらゆっくり時間を待つのじゃ。


「そろそろ行こうかのう?」

「うん」

 水族館に着くとチケットを渡すのじゃ。中に入ると様々な魚達が泳いどるのじゃ。

 ジーナの方を見ると魚たちに目を奪われてキラキラ光らせとるのじゃ。


 ワシはそんなジーナをパシャリと撮ったのじゃ。すると気付かれたようじゃ。

「……撮った?」

「撮ったぞい。可愛いジーナをのう!」

「消して〜! 恥ずかしいよ〜!」

 ワシの腕時計型魔道具を弄ろうとするジーナじゃ。


「いいから行くぞい」

 ワシは強引に次のゾーンへ連れていくのじゃ。幻想的な館内にまたもやジーナ、目が奪われておるのじゃ。

 ワシは自撮りモードにして上手いことジーナの横顔と一緒に写るのじゃ。


「ええ?」

 撮られたことへのリアクションが独特じゃな。

「そんなに私を撮りたいですか?」

「だって可愛いんじゃもん」

 抱き寄せて頭を撫でるのじゃ。


「ひ、人が見てますよ」

「見せつけとるんじゃよ」

 顔を真っ赤にしたジーナは茹でダコのようじゃった。

 色々な海の生き物を堪能したワシらはお土産コーナーへ行くのじゃ。


 ペンギンのぬいぐるみを抱いてみたり、イルカのぬいぐるみを抱いてみたりするジーナも可愛いのでパシャリじゃ。

 結局チンアナゴのぬいぐるみを買ってあげたわけじゃが、満足そうじゃったわい。


 さて約束のショッピングモールで買い物じゃ。ワシらはオシャレな服を飾っとる店に入るのじゃ。

「ワシが思うに、お主にはドレスやワンピースもよいが、ワシとおるときはもっと元気よくいて欲しいのじゃ。なのでこういった服を着てみて欲しいわい」


 それはボーイッシュな服じゃった。緑のオーバーオールに、黄色のシャツを合わせるのじゃ。少し大きめのサイズがポイントじゃ。

「私じゃないみたい」

 快活なイメージに変えてあげたいワシじゃ。

「私をコン先輩色に変えてください」

 そんなこと言われたら照れるわい。


 ワシは更に白シャツに白デニムを買ってやり、紺色のデニムジャケットを買ってあげたのじゃ。

「気分で選べよのう」

 デニムジャケットを色んなものに合わせるのもありじゃな。

 更にハーフパンツを買ってあげた後……最後に一つ女性らしいものを買ってあげたのじゃ。


 それは水玉模様のワンピースじゃった。清涼感あるそのワンピースを試着させた時、これじゃと思ったのじゃ!

「こんなところかのう? お会計に行くぞい」

「全部買うの!?」

「ワシ、神じゃから支給されてるお金沢山あるんじゃ」


 荷物は全部ワシが持ってあげたわい。するとジーナはワシに向けて腕時計型魔道具を向けとるのじゃ。麻酔針でも打つのかのう?

「やった! コン先輩の横顔ドアップ撮れた!」

 なにやら操作して待ち受けにしとるジーナじゃ。


 ワシらはワールド様に伝えて学園に帰ったのじゃった。

「デートどうじゃった?」

「楽しかった! ありがとうございます。コン先輩」

「またデートしようのう?」

「……! うん!」

 ワシは笑顔のジーナに向けて心のカメラを撮るのじゃった。

ジーナに喜んでもらえて嬉しいのじゃ! ジーナには元気な顔をして欲しいワシじゃ!

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