第1話「ワシ、異世界転校するのじゃ!」
学園恋愛物ですじゃ!狐依コンの冒険を元に書いておりますセルフパロディなのじゃ!狐依コンの冒険もよろしくお願いしますのじゃ。
ワシ、名を狐依コンと言うのじゃ。地球の学校から神として異世界転校させられる事になったワシは、異世界の学園で学園長に会っていたのじゃった。
「それで……神依ゴッド学園長、ワシはどうしたらよいのじゃ?」
この学園長、男なのか女なのかわからんのじゃが、聞くわけにもいかずそのまま質問しておると微笑して質問に質問で返してきたのじゃ。
「逆に君は何をしたいのかな?」
「ワシは……強制的に転校させられただけなのじゃ」
それを聞いた学園長は頷きながら、尚も微笑し続けるのじゃ。
「君の質問の答えは君が握っている。自ずとしたい事が見つかってくるだろう。それまで自由にこの学校を堪能したまえ、教頭からも何かあるかい?」
ワシは世依ワールド副学園長を見たのじゃ。ワシをこの学校に転校させることを決めた人じゃ。この人も男か女かわからんのじゃ。
「君は地球では人だったが、ここでは神のうちの一人だ。本来なら教鞭をとってもらいたいところだが、この学校にきたばかりだし、徐々に慣れていくといい」
そうやっていると学園長室に一人の少女が入ってきたのじゃ。
「失礼します。狐依コンさんを案内するルナです。コンさん、よろしくお願いします」
銀髪の長髪で少しカールのかかった灰色の眼をした女の子が入ってきたのじゃ。青いリボンは高等部の印のはずじゃ。
ワシも高等部に入る予定なので、その案内に来たんじゃろう。
「ルナさんよ、よろしく頼むのじゃ」
「ルナでいいですよ」
「ではワシもコンでよいのじゃ」
「じゃあコン君で」
この学園の事を少し説明しようかのう? 小等部、中等部、高等部、大学部、大学院部までがまとめて入っとるのじゃ。
そして完全寮制じゃ。かなり広大な敷地になっておるのじゃ。
今おる校長室と隣の職員室は一階じゃ。他にも保健室や図書室などがあるのじゃ。
小等部は二階、中等部は三階、高等部は四階、大学部は五階、大学院部は六階じゃ。
運動場と体育館もあり、また美術室や化学室や音楽室、部活動部屋などは別棟じゃ。
さて説明が長くなったのう。ルナに連れられ廊下を歩くワシは、あまりの広さに酔いそうになるのじゃ。
「何か質問はありますか?」
歩きながらルナが聞いてくるのじゃ。
「お主は高等部でどんな役割をしておるのじゃ?」
「一応、委員長をしています……ですが、あなたの勉強のために委員長をあなたと交代するように言われています。私は副委員長としてあなたを支えますよ」
ワシはいきなり委員長スタートなのじゃな。頑張らねばならんのう。
そうこうしているとワシのクラスの教室に着いたのじゃ。ルナが教室のドアを開けてワシを中へ促すのじゃ。
ワシは中に入って周りを見渡すのじゃ。人で埋め尽くされておったのじゃ。
「ルナさんご苦労様、コン君はじめまして。教師の蛇依メデサよ。よろしくね。早速だけど委員長になるのは聞いてるかしら?」
「はいなのじゃ」
「では皆さんに挨拶してもらえる?」
メデサ先生は鋭い目つきで見てくるのじゃ。
「コホン、ワシは狐依コンという者じゃ。皆の心を癒し、学業の助けになろうと思っておるのでよろしく頼むのじゃ!」
「先生ー! 私不安です。この世界に来たばかりの人が委員長でいいんですかー?」
「私も心配です! ルナさんが委員長の方がいいんじゃないですか?」
メデサ先生は頷いて、それではとワシを手招きするのじゃ。
「今発言した二人は前に来るように」
メデサ先生の睨みの前では二人もたじろぐのじゃが、早く来なさいと言われて、恐る恐る来るのじゃ。
「早速あなたの役目が来ましたよ。校長先生からは聞いてますね?」
頷いたワシは二人の頭に手を当てポンポンと軽く叩くのじゃ。
「コーンコン」
ワシがそう言うと、二人の頭から黒い小さな狐が出てくるのじゃ。
二人はホワンとしており、ハッとすると頭に手を当てて言ったのじゃ。
「何かモヤが晴れたような……」
「スッキリしてる……?」
ワシは二人の悪い部分を取り除いたのじゃ。
「どうかしら? これはコン君にしかできないわよ?」
メデサ先生がそう言うのじゃ。すると反対していた二人は頷いて言うのじゃ。
「とりあえず様子見させてもらいます」
席に戻った二人を見て、メデサ先生は言うのじゃ。
「コン君は狐の神として転入してきました。まだまだ力には慣れないでしょうけど、皆の力になると思うので、このまま委員長として役割を担ってもらいます。まだ異論はありますか?」
皆、納得いったようなので改めて、ワシはこのクラスで委員長をすることになったのじゃった。
授業が終わったあと色々と学校内をルナに案内してもらうのじゃが、これが中々広くて大変なのじゃ。
元々この世界におった人たちと、異世界転校して来た人達で溢れておるのじゃ!
そして寮の食堂まで案内された時、ある女の子に出会うことになるのじゃ。
「コン君? 顔が怖いですよ」
ワシが見つめていたのはイジメの現場じゃった。そこでイジメられていた女の子のためにワシは一肌脱ぐのじゃった。
面白いと思っていただけたら、幸いですじゃ。