選抜の人物、設定の紹介②
●人物
・ギルファス家
現当主 ジニアオルガ・リ・ギルファス
感情を表に出さなそうな無機質な印象の男。
4人の子供達の実力を競わせて、次の当主を決めようとしている。
長女 ペトリカーナ・リ・ギルファス
(ペトリカーナ派)
赤い瞳と長く漆黒のストレートヘアを持つ絶世の美女。その性格はワガママで物事が自分を中心に動いていないと許せない性分。ルナットのことを一眼見て気に入り、自分のものにしようとしている。感覚、感受性の豊かさと他人の心を惹きつけるカリスマ性により、画家としての才覚を持つ。
長男 クロード・ブレル・ギルファス
(クロード派)
物静かで自己主張の少ない赤髪と黒い瞳の美青年。剣の腕は叔父であるガウスマンに鍛えられて、非常に高い。しかし、あまりあれこれと策略をめぐらせるのは好きでなく、不器用な一面がある。腕を試すために選抜に自ら参加する。叔父のガウスマンから一人前と認められた証として譲り受けた《フラクタクル時計塔の「短針」》という剣を所持していて、剣に炎を纏って戦う。
[魔法]炎の付与
[魔法器具]《フラクタクル時計塔の「短針」》
[魔力測定値]493
次男 テオファルド・ヴォン・ギルファス
(テオファフ派)
家柄の良さを笠に着て、他人を見下し、威張り散らす頭の悪い男。赤色の髪と瞳をしており、全体的に赤い格好をしている。特殊な魔法を使えるものの、魔法での戦闘も弱い。血筋のおかげで顔だけは整っているが、顔や手足の関節など体のあちこちに変な器具をつけているせいで全体としては不恰好。
次女 シェリアンヌ・ギルファス
(シェリアンヌ派)
唯一、後妻オーマンの産んだ子供。薄い色の金髪。そしてニース家の特徴である黄金色の瞳を受け継いでいる。兄弟との仲はよくなく、特にペトリカーナからは陰湿なイジメを受ける。歪な環境で育ったせいで無口で塞ぎ込みがちな性格。人形遊びが好き。
時々一人で森へと遊びに行き、そこで出会った化け物にエサを与えようとしている。
後妻 オーマン・ギルファス(旧姓ニース)
(シェリアンヌ派)
名門ニース家が御三家筆頭であるギルファス家とつながるために政略結婚的に後妻となった。オーマンが産んだのは4人兄弟のうち、最年少のシェリアンヌのみである。異常な環境のなかで平凡で常識人の彼女は苦悩する。兄弟の他3人にも母親としての愛情をそそごうとするものの、拒絶され、特に感受性の強いペトリカーナからは敵視されている。
ガウスマン・ロジロヘイム
(クロード派)
前妻ソーナの弟で、四人の子供たちの叔父に当たる。財務大臣を務めており、論理的だが他人への共感力に欠け、目的のためには手段を選ばない性格。かつては炎剣使いとして知られており、【魔戦競技】で準優勝だったこともある実力者で、全盛期に測った魔力測定値は510。甥である長男クロードに剣術を教え込んだ。
今回の継承権争いではクロードの後ろ盾となっている。政治能力の低いクロードの後見人となり、実質的にギルファス家の当主となろうと目論んでいる。
・主要 選手候補
ルナット・バルニコル
(シェリアンヌ派)
アウスサーダ家の事情で選抜に参加。
[魔法]8つの項目を駆使する、様々なことができる魔法
[魔法器具]【流魔鉱】純度100%の杖
[魔力測定値]7069
ロズカ・スピルツ
(ペトリカーナ派)
ルナットと同郷の少女。訳あってペトリカーナ陣営として参加。
[魔法]結界魔法
[魔法器具]フルートのような形状の杖《第六神奏器》
[魔力測定値]366
エビィー・テウター
(シェリアンヌ派)
ルナットと山で知り合った、ヘラヘラとした性格のヌズムム族の青年。空気をあえて読まず、周りをイラッとさせるところが悪い癖だと妹から評される。高い身体能力を持つ。
[魔法]一方面に特化した身体強化
[魔法器具]拳の威力を上げるコテ《風圧拳》
[魔力測定値]197
イェーモ・テウター
(シェリアンヌ派)
生物学に詳しい常識人なエビィーの妹。エビィーとともに、「あの方」の命令でドンソン家の【魔戦競技】の選手、コヴォーズ・テンニメスを殺害し、山に埋めたことがある。
[魔法]電磁力による反発と誘引NS魔法、身体強化
[魔法器具]機動力を上げる靴《電磁浮遊靴》
[魔力測定値]348
ラルゴ・トレビアン
(ペトリカーナ派)
ペトリカーナの親衛隊隊長で、体の大きいゴリマッチョ。よく変な歌を歌う。実は今選抜で上位の実力者。
[魔法]結界魔法
[魔法器具]大きな鏡の盾《大鏡》
[魔力測定値]523
ヘルメッセン
(ペトリカーナ派)
手足が細長い、色白で内向的な性格の男。ペトリカーナの傘下にいる選抜候補者の一人。不気味な雰囲気で何を考えているのか分からない。よくリンゴスボリスを齧っている。どうやってか普通では知り得ないことを知っている。
[魔法]風魔法
[魔法器具]ユキノワタゲバチのカラクリ人形《ゼヴァ》
[魔力測定値]304
ハグリオ・チェビオーニ
(ペトリカーナ派)
ナルシストで軟派なイケメン。女好きでペトリカーナに執着しているが、ペトリカーナの持つ雰囲気に迂闊に手を出さないでいる。一般的に『5大属性』のうち1属性を極めるのが一般的な中、3属性の上級魔法を操ることができる。
[魔法]雷、炎、風の3属性
[魔法器具]3色の宝玉をはめ込んだ杖《真・ゴーキ》
[魔力測定値]312
バーバラ・エーヤン
(ペトリカーナ派)
「ペトリカーナ親衛隊バビブベ三銃士」のリーダーで化粧の濃い女。口から生まれたような人間で脊髄反射のようにその場しのぎの嘘が出てくるのが特技。
[魔法]風魔法
[魔法器具]《反響の大巻貝》
[魔力測定値]184
ビロンチョス・ビーチョス
(ペトリカーナ派)
「ペトリカーナ親衛隊バビブベ三銃士」の1人で、アフロヘアをしたヒョロい体の調子のいい男。記憶力はいいが、判断力はない。
[魔法]雷の付与
[魔法器具]|《雷太鼓》
[魔力測定値]154
ブーデン・シートベルト
(ペトリカーナ派)
「ペトリカーナ親衛隊バビブベ三銃士」の1人で、太った体型のマイペースな男。美人な嫁を探すために田舎きら出てきたが、ペトリカーナに一目惚れしていつの間にか親衛隊に入隊していた。
[魔法]水魔法
[魔法器具]|《梯子状の琴》
[魔力測定値]208
マグノリア・ゴッドフォース
(無所属)
選抜候補者のなかで最強の戦士と目されている大男。無骨な性格で、まだどこの派閥にも属していない。自分にも家族がいるので子供は危険な場所にいるのは許せない、と言っている。
[魔法]???
[魔法器具]【流魔鋼】でできた、巨大な斧《グランドラプチャー》
[魔力測定値]569
コリス・アルラ
(クロード派)
クロードとしょっちゅう行動をともにしている泣きぼくろが特徴の大人な女性。ガウスマンの右腕で、命令によりヘルメッセンを暗殺しようとしたが、逆に毒をもられて死にかける。メイレーンによってひとまずアウスサーダ家の施設で治療を受けることとなるも、生死の境を彷徨っている。
[魔法]氷魔法
[魔法器具]《氷骨珊瑚のミイラ》
[魔力測定値]412
マーボロン・ギョス
(テオファルド派)
テオファルドに調子のいい性格が気に入られ、以降彼のイエスマンとしてそばにいることが多くなった幼い少年。年齢は10歳だが、口の達者さと実力は大人顔負け。実はガウスマンの命により、テオファルド派へのスパイとして行動している。
[魔法]???
[魔法器具]???
[魔力測定値]282
セルドリッツェ・ニース
(テオファルド派)
ギルファス家の執事だが、テオファルドに命令され、選抜に参加している老紳士。遠い親戚にあたるシェリアンヌとオーマンのことを気にかけ、陰ながら支えたりしてる善良で有能な執事。
[魔法]土魔法、カラクリ技巧
[魔法器具]ニース家伝統《ヨビサマシのマキネジ》
[魔力測定値]275
・その他の人物
メイレーン・ディア・アウスサーダ
アウスサーダ家の一人娘。頬にある黒いイバラのようなアザを包帯で隠し、格好も地味にして、正体を隠してルナットのメイドという形で潜入。温厚で世間知らずそうな性格だが、かなりしっかりしており、ルナットに的確なアドバイスを施す。知り合いであるコリス・アルラをキシムに見張らせていたりと、謎の行動をしている。
ドーマ
秘密情報組織【悪魔】の一員で、かつて指名手配されていたところをルナットとロズカで助けた。ロズカが選抜に参加するきっかけになった。
ミンキー・ニース
ドンソン財団の交渉係で、主にアウスサーダ家と繋がりがある。以前のバルザック元支店長による謝罪として、ルナットに【流魔鉱】の杖を渡した。ルナットやメイレーンとアウスサーダ家の繋がりについて知っているが、黙秘してくれている。慎重の低さと、語尾に「ね」をつける、早口な喋りが特徴。
キシム
蜘蛛の化け物「アラクネ」のような見た目の、真っ白な2mくらいある生物。アウスサーダ家の使用人として働いている。体の中にもう一つの人格である「エリキ」がいて、入れ替わると二足歩行するバッタのような見た目になる。特殊能力で体の細胞を透明化して周りから見えなくなることができる。体にはメイレーンと同じ、イバラのような黒いアザが浮かんでいる。
コロリー
腹のあたりに人面がついている鳥。メイレーンのペット? メイレーンには忠実だが、ルナットには後輩扱いして威張っている。人面は羽毛で隠すことができるので、普通の鳥にカモフラージュできる。
●家系
・御三家
ギルファス家……その昔、ギルファス王国とオルミナール王国の二つの国に別れていた時、ギルファス王国の王家だった血筋。現在も政治的影響力が最も高い家柄。今回の【魔戦競技】ではギルファス側の推薦選手として、より実力のある選手を集めるために選抜(今回の舞台)を開催している。ちなみに、開催地は本家ではなく別荘地である「クピルファ山林」の開発地である。
アウスサーダ家……イド教の代表の家系で、医学薬学方面に精通している。メイレーンはそこの一人娘である。『水魔法』、『転移魔法』、『強化魔法』、『回復魔法』といった魔法陣を使用した魔法を得意としている。
ドンソン家……ここ数十年で商売を成功させて、一気に御三家の地位を獲得した家。本来はギルファス家が血統主義、ドンソン家が実力主義であったが、急激に力をつけてきているドンソン家を見習ってか、今回のギルファス主催の選抜ではドンソンのような実力主義を採用している。
・その他の家
ニース家……金色の瞳が特徴の家。【魔法器具】の製作に長けている家系で、御三家それぞれとのつながりが深い。
●用語
魔力……空気中に存在するエネルギーの物質化したもの。魔法は体内に蓄積した魔力を術式に倒すことで現象を引き起こすことである。
【魔法器具】……魔術式が組み込まれた道具で、魔力を通しただけで決まった魔法を発動することができる。電灯として使われる【魔法器具】などのように、一度機能し始めると空気中の魔力を使って自律的に発動し続けるものもある。武器として使われるものはほとんどが【魔法器具】である。
【流魔鉱】……魔力伝導率が最も高い金属で、【魔法器具】の内部には必ずと言っていいほど使われている。ここのところ税金が大幅にかかる法律が決まり、値段が高騰している。
【悪魔】……色々な御伽噺に出てくる自在に壁などをすり抜ける化け物。人語を介し、取引を持ちかけるような話もある。しかし、その実態は秘密情報組織であらゆる情報を金と交換している集団である。




