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鬼門の縁  作者: いふてく
1/1

始まり

鬼坂仙花


この男は山に囲まれた小さな村で生まれ、貧しくはあるが両親の愛を受け平々凡々たる生を過ごしていた。


だが一つだけ、この男には他とは違う特別といえるところがある。

父親が元侍、さらに言えばかつて伝説とも呼ばれた剣豪であったのだ。

この父親、信介が何者なのかという話はのちにわかる事なので今は省略しよう。


まあそれゆえ仙花は幼い時から信介から厳しく剣技、武士道などを叩き込まれたのであった。

だがこの世界、少なくとも日本という国においては今は平和である、

最強と呼ばれた男の剣技、”滅刀流”でさえも無価値と言えるほどに。


それでも信介は己の技を途絶えさせたくなかったんだろう、仙花には己の技の全て教え込んだ。

蛙の子は蛙とはよく言ったものだ、仙花は異常なほどの吸収力で技を身につけていきあっという間に7つの型を習得してしまった。

そのおかげか仙花は異常なほど強く、他人を思いやれる優しい男に育った。


仙花が齢16になったころだろう、父、信介が持病で亡くなった。

突然のことではない、前々から医者からは長くないといわれていたのだ、

逆にここまで生きてこられたのは奇跡だと言える。

仙花も覚悟はしていたが今生の別れというものはやはり想像を絶する悲しみだろう、

数か月は立ち直れないでいた。


しかしそれでも時の流れというものは恐ろしいものだ、あんなにも辛く、苦しかった感情も無くなったといえば嘘になるが数ヶ月前とは段違いに和らいだ。


ちょうどそのくらいの時期であった、仙花に一通の文が届いた。

仙花は村から出たことがない、それゆえ外の人間とは関わりがなかった、

だから仙花は不思議に思い文を開けて見た。

「鬼坂仙花殿、私は京に生きる一人の娘でございます。信介殿の死、辛くお思いでしょう、そんな中無礼だとは承知しておりますが、この度は貴方に頼み事があり連絡をした所存です。

かつて信介殿が倒したとされる六人の名のある剣士を集めて私の所に連れてきて欲しいのです。

勿論簡単なことではないのは承知しております、成功した報酬には一生困らないほどの金と広大な土地を約束します。

大体の居場所は同封した地図に記しております。どうかご検討の程をお願いします。」


仙花は端的だが丁寧な言葉遣いに育ちの良さを感じた、そして父の事を知っているようで驚いた。

しかしこの文、理由が書いてなかった、なぜそんな事をするのか仙花は考えるべきなのだがこの男、頭の方は回りは悪い方なのだ、、、

だがそれ以上に仙花は金に困っていた。今までは父の少ないお金でぎりぎり母と三人で暮らしていたがその金も底をつき、明日を生きるのも必死なのだ。


仙花は決めた、顔も知らない娘の依頼を受けると。

母と二人生きるために、そして単純に父親のことを知りたかったのだ。

父はさまざまな事を仙花に教えたが自分のことはほとんど話さなかった、知っているのはものすごく強かったということだけ、、

だから依頼を受ける事にした。


まあそんなこんなで仙花の六人の剣士を探す物語が始まるのだ。

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