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ふと見上げた夜空はどこか響くものがある。

作者: name free/ねむふり〜

主人公:私

友人:羽菜


「」▶︎ 会話

【】▶︎メール文



あれ、昨日の夜…いつ寝た?

どうやって寝た。いつ布団に入った?

重い瞼を微かにあけピントの合わない天井をボーッと眺める。


♪(メールの音)


私 「メール…」


寝起きのダル重さを全身で感じながら充電器に繋がる携帯を少し強引に引っ張り離し、布団に入ったまま確認。

友人からのメールだった。

私 「羽菜から…」


羽菜【今度ご飯行かない?いつ休み?休み合ったら行こ!】


私 「え。ご飯行きたい。」

「あ、でもシフトどうだったかな…。」


なーんて…。

休日がないようにバイトを入れているから、

わざわざシフトを確認しなくても分かるけど。

と思いながらも一旦確認する。

結局毎日シフトが入ってる自分の欄を確認した後無感情のまま改めて理解し返信した。

私 【ごめん休みなくて、また休み合ったら行きたい!】

羽菜【分かった!来月こそリベンジ!】


その返信の通知にスタンプを送って画面を閉じ起き上がる。

別に確認しなくたって分かってたくせに。と自分に文句。


私 「バイト…」

ゆっくり起き、洗面台に向かう。

冷たい水で顔を洗い、スキンケア。

メイクをして服を着替え荷物の準備。

私 「モバイル充電器、財布、口紅…」

「よし……、おっけー。」

と独り言を言いつつ玄関へ向かい、私以外誰もいない家と分かっていながらも「…行ってきまーす。」と小声でボソッと言い残して家を出る。

毎日働いて、息をして、ただ生きているだけの人間なんだと、私は私を、まるで第三者のように思いながら生きている。

ここ最近は自分のことをそう思ってしかない。


私は22歳フリーター。大学に進学するも色々とあり中退。

自分のやりたいことが分かっていない。

考えても尚、自分が一番自分を分からない。

友達に勧められた職業診断なんてサイトも正直自分には役に立たなかった。何も分からない。何もできることがない。やりたいことを勉強して、それを職業にし活かす友人を心から凄いと思う。羨ましいとすら思う。永遠に繰り返すその思考や親不孝と思われる自分自身の存在が何度も恨めしくなる。

私「そんなこと、、、自分が一番分かってる!!!」と心の中で叫ぶこともある。


大学を中退してからのここ数ヶ月。

今も尚、私は私を分かっていない。


誰に相談しても話をしても、

私が分かっていないのに他人が分かるわけがないと気付く。

他人に話すのをやめ、独りで思い悩むようになった。

だんだん心が廃れていくように感じたし、

以前より感情が薄れたような気がした。


テレビを見てもなんとも思わない。

綺麗な風景をみてもなんとも思えない。

バイト先、友人とも前は何でも楽しかったし沢山笑ってた。

話すことも外出することもとにかく楽しくて仕方がなかった。


なのになんで?なんで何も感じなくなったの?

いつからこんなになっちゃった?

忘れっぽくなったし、常にボーッとするようにもなった。

そんな自分に気付いている自分自身にも、もっと嫌気が増す。


ふと気付いた頃には、




「どうしたら真っ当な人間になれる?」




そう口にしていた。

そう口にしたときは流石にハッとして、「ぇ…」と失笑。


将来何がしたいのか、

今は何がしたいのか、

自分が分かっていない、

きっと周りが思うのはそれだけ。


私はそれをこうも悩み、

私という存在を私自身が認めてあげることすらできない。


家に着き、

部屋の電気すらつけず体育座りをして、

まさにアニメや漫画でありがちな状況下で携帯を弄る夜。


♪(メールの音)


携帯の上部に《羽菜》という名前でメッセージバーナーが表示された。


私 「羽菜から…」

このときも特に感情も湧かないもので、

大好きな友人からのメールなのに、何だろう!何の用事かな?と多少なりとも思うことなくただ既読をつけた。



羽菜【今日スイーツ作ったから渡しに行っていい?いま家?】







「………。」


画面を見つめ、考える。

何故か会ってみようかな、と思ってしまった。






私 【そうなんだ!!ありがと!いま家!】


羽菜【おお!よかった!なら駅前コンビニまで行く!】


私 【わかった!行くね!】


メールって。

文って。

素晴らしいですよね。

お互い顔を合わせてないからどうとでも言える。


けど私が【行くね。】とこのとき返信したのには少し気持ちの変化があったんだと後々思う。


用事があるとか、外出中で…とか。

適当な言い訳はいくらでもあった。

人に会うことを避けることはできたはず。

だけどこのときはそうしなかった。


羽菜に会えば窮屈さが、少しはなくなると思ったんだ。

何故か、ただ、このときはそう思った。




羽菜は製菓専門学校を出てパティシエとして夢を叶えるためにシェフの元で働いている。


私は大学中退前は音楽を学んでいた。

音楽を勉強して、プロになるわけでもないのに何になるんだ。

なんて、もはや決まり文句まであります。


他人の意見を気にしないように生きてきたつもりが、

私は人の意見を気にしすぎてしまう。

だからこそ、友人の羽菜には話す気になれなかった。


羽菜のことを好きでも、

羽菜がくれる言葉を素直に受け止められるのか

不安があったから。


製菓専門学校を出て、シェフの元で学ぶ友達。

プロになるわけでもないのに、音楽を学びに行き結局中退。

掛け持ちバイト生活のフリーター。


あまりにも自分がちっぽけで。


でも。なんでだろう。本当に今でも分からないけど。

話せそうだったら話してみようかな。




そう思ってしまった日だった。




携帯だけ持って、待ち合わせのコンビニに向う。

すっかり暗くなってしまった夜だが、

スポットライトがあたったように明るいコンビニの前には既に羽菜がいた。


元気に、感じ良く。

心の中で何度もおまじないのように唱える。


私 「ごめん!待たせたー!」


羽菜「いやいや全然大丈夫!急にごめん〜はいこれ!」

言っていたスイーツを渡してくれた。


私 「あ!ありがと!ほんとにいいの?嬉しすぎる!」

我ながらフリは上手いと思えた。


羽菜「うん!今日シェフに新しいスイーツ習ったんだけど、

それで作ったの持って帰って良いよって言ってくれたか ら、渡しに行こうって思って!!!」


私 「…。ほんとにありがとうね!」

「羽菜の作ったスイーツ美味しくて、いつも食べるの楽

しみなんだー!」


羽菜「まじ?!」

「ありがと!また渡すからそのときも食べて!」


このとき複雑な気持ちも合った気がしたけど、羽菜の元気さと優しさが微笑ましくて私は「うん」と微笑んだ。




羽菜「あ。そうだ。ねぇいま何してるの?」

ドキッとした。

羽菜は仲の良い友人だ。

中退したことも、フリーター生活も報告済み。


私 「何って、前話したときと変わらずだよ〜」

と言いながら私は自然に羽菜から地面へ目線を下げた。


羽菜「あ!そうなんだ!」


羽菜には、

本当にやりたいことが何か分からなくなったことを

打ち明けたことがある。

だから気にしてくれていたのかな…と思った。





何か変わるかな………………





無意識に頭の中でそうよぎった。

この間にどんな心境の変化があったのかは、分からない。


私「あのさ、羽菜…」

「前にも話したことあるけど…」


とここ数ヶ月の悩みを打ち明けてみた。

返ってくる言葉に期待しない。

そう言い聞かせて。下にやった目線を前にして身構えた。


羽菜はどう思うのかな…


羽菜「大丈夫?」


羽菜からの返ってきた言葉の最初がそれだとは予想になくて少し驚いた。

聞いた瞬間自分の目が少し大きくなった。


私 「え…うん。大丈夫…。」

言われたことをきちんと理解していないかのような言い 方になってしまったことに後悔しながらも、私は横にい る羽菜に目をやった。


私の横に立っていた羽菜は一歩私側に寄り、くっついてきた。

コンビニの前は寒いし、羽菜のおかげで片方だけ暖かい。と思いながら白い息を「ハ〜…」とはく。


羽菜が口を開く。


羽菜「も〜ー。早く言ってよー…。」

「すぐ言ってくれてよかったのに〜…」


なんでもっと早く話してくれなかったんだ〜と言わんばかりの反応に安心した自分がいた。


続けて羽菜はこう話した。

「あのさ…、フリーターが悪い訳じゃないと思うよ。

そりゃ、自分に合うこと見つけて安定した仕事に就くの も大事だとは思うけど今の全てが良くないことだとは思 わない。これから見つければいいんだよ。」


「周りの意見も人それぞれやっぱりあるけどさ、

もしそれが自分の欲しい言葉とちょっと違ったとしても さ、それはそれで自分が考えるときのただのヒントにな ればいいって思うよ。私も正直他人の意見を気にする方 ではあるんだけどね。

やりたいこと、自分に合うこと?焦らず探せばいいよ」


こんなにきちんと考えてくれる

返事が返ってきたことはなくて、嬉しかった。


悩みを受け止めてくれる友人が近くにいてくれたのに、

返ってくる言葉に怯え、

独りで悩んでいた頃の自分に早く打ち明けてみな。

と言ってあげたくなる程に。


抱えていたことがなくなったわけではないけど、

このとき私は羽菜に話したことで少しだけ救われたんだと思う。


私 「え………そんな風に返ってくると思わなかった…本当に ありがとう…」


羽菜「あーもう気にせんで大したこと言ってないし!何かあ あったら話してよ?」



私 「うん…。そのときは聞いて?」と笑って返した。


このとき笑って返せすことができたのは羽菜のお陰だ。

話す前より心が軽い気がする。


羽菜「当たり前じゃん!」


私 「話して良かった〜、話す前はほんとに悩みすぎて…」と 気が抜けた口調で声が出ていた。


羽菜「ぇええ〜、死なないでよーー?笑」

とふざけたように言われ笑えた。


死ぬように見えたのかな。

まぁ、あのまま独りで悩んで生きるって思うと

いつかは死んでいたかもしれないな。



羽菜「じゃ、またねーー!またスイーツ持って行く!

何かあればすぐ言ってねー!」

と言いながら手を振ってくる羽菜。


私も手を振って

「…はーーい!またねー!ありがと〜!」

と言葉を交わし私たちはコンビニを離れた。


歩いて夜道を帰りながら久しぶりに空を見た。

晴れていて星がいっぱいで綺麗だった。


私 「きれーー…………」ボソッと声に出た。

そのとき星を見上げながら、

「あっ。」

そのときの私は何か気付いたように口を開け、

目も大きく開き間抜けな顔をしていたと思う。


気付いたときにはポロッと涙が出て頬を伝っていた。

歩きながら見たあの星空は確かに、

綺麗で、美しくて、

似たような言葉をいくつも並べながら、

心が生き返ったようにすら思えた。


それは、私が涙を流すには確かな理由。

溢れてくる涙のせいかギューッと胸が痛む。

私 「…痛ぁ〜……」

誰にも聞かれないくらいの小声で呟きながら涙を拭う。


持っていた携帯を胸元で握りしめる。

片手で涙を拭いながらぐちゃぐちゃの顔をした私は生きている心地がして微笑んだ。




















主人公は中退して後悔はないみたいですが、作者は

【限界フリーター】を垣間見てつらいです。


人は、独りでは生きていけないと言いますもんね、、。


本当に限界になる前に身近な人に話を聞いてもらうだけでやはり人は変わりますね。

羽菜がいて良かった・・・。


主人公には羽菜の存在が大きかったですね。

改めて仲の良い友達は大切にしたいと思いました。


作者は今回はじめて小説を書きました。

普段の○INEのように文を書くのはダメだ!!と思い標準語もがんばりました。


書き方もよくわかっていない中でしたので、

どうか優しくお願いいたします・・・


▶︎今後、主人公の大学編も書きたいと思っております。



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