昭和・ドライブ奇譚 第5話 「昭和のドライブイン風景」 続・小夜物語 第19話
昭和時代、永遠に過ぎ去った僕らの青春
わたしは何の因果か?まったく縁もゆかりのない
遠い、他県に就職しました
というか、、当時すごい就職氷河期で
50社くらい受けたんですがみんなボツで、、、、
やっと合格したのがこの遠い他県だったんですよ。
で、、仕方なく?私は赴任しました、
紹介してもらったアパートは2Kの一戸建てでした
こういう一戸建てって昔は結構あったものでしたね、。
そういう戸建てが10件くらい並んで立ってるのです、。
そして駐車スペースもあって車が止められるのです、。
其処は田舎でして車がなければ生活もできないようなところでしたから
わたしは初給料で早速中古車を買いました、免許は持ってたんですよ、
でも苦学生だから大学時代には車は持てませんよね
さて
買ったのは、、コロナマーク2という結構豪華な車でしたよ。
ゆったり乗れるおおきなくるまでしたね、
それでわたしは休日はドライブに行くのが唯一の楽しみでした、
まったく無縁のこの土地ですから、見るものすべてが興味深いものでしたね、
それが第一話から第4話でも書いた通りです、
さて今回は
ゆく先々でお世話になった
「昭和のドライブイン」のお話です、
きくところによると、今、、昭和ドライブインがひそかなブーム?だとか?
まだ残ってるんですねえ
消えさってないのかと思ったんですが、、、
だって、、今ではしゃれた「道の駅」とか各所にありますものね。
昭和ドライブインの需要なんてもうないでしょうにね。
それでは、、そんな、、昭和の思い出の糸を手繰ってみましょうか
思い出のあの昭和のドライブイン
わたしの休日ドライブはもちろん手弁当など持ってゆくはずもなく
手ぶらですね
飲み物や食事は自販機かドライブインです。
ドライブインですから当時の主街道沿いにあるんですが
バイパス建設で
其処は今では全くの裏道?ってことになってる場合が多いですね
さて、、とある休日、、私はその街道に車を走らせてると、
大きなクヌギが目印の、その、ドライブインが見えてきました
其処は業務運送のトラックが良く休憩するドライブインで
いつ行っても何台も止まっていましたね
当時まだその田舎の県には高速道路は通っていませんでしたから
この街道がトラック運送の主要道路でしたね
大きなトラックが、なんだいも砂煙を巻き上げて行きかってましたよ、
そのドライブインは大型トラック用に
広い駐車場があって、砂利がしいてありました。
平屋の鉄骨造りの長い建物が隅にはあって、そこが食堂になっていて
外には屋根付きの自販機もずらーっと並んでいますね
その前には錆びたベンチも置いてあります
自販機はうどんそばが人気で
たしか100円?入れると、
電光掲示板にあと何秒で出来上がり表示が出て
カップが下りてきてそこにうどん玉がぼしゃっと落ちて
熱湯が出てきてぶんぶん回って、湯切り?
そのあとだし汁が出て一丁上がり、
それなり?おいしかったですよ、
ああそうだ
トーストサンドもありました
アルミホイルにくるまれたチーズ入りの焦げ目の付いたトーストが出てくるんですよ。
そしてもちろんコカ・コーラは瓶入りで
自販機の正面についた『瓶開け機』に引賭けてふたを開けるんですよ
それと業務トラックの休憩所でもあるわけで、、、
勿論、酒類は置けませんから、
そのかわりに?
自販機コーナーの並びの鉄骨家屋には小規模のゲームセンターが併設されてるんですよ、
其処にはクレーンゲームだとか、スペースインベーダーだとかがあって
ひと時、遊べるわけです、
さて
食堂のほうですが
メニューは定番の
かつ丼に、カレーに、その他丼物が多いです
蕎麦にうどんもあります、
わたしはいつもかつ丼をたべてましたね
店の主人は、60才くらいのご夫婦?で
てきぱきとやってましたね、
土間にはスチールの椅子とスチールのテーブルで
畳の座敷スペースもあって、、
昭和の食堂そのものでした、
あれから50年、
いまでもそれはあるようです、
でもそこはバイパスができて
主街道からは外れて車も殆ど通らなくなり
今ではもっぱら近隣の住民の「食堂」としての営業みたいだそうですけどね。
聞くところによると
ゲームコーナーは閉じたし
自販機もあのレトロなのはもうないし、
今ではもっぱら食堂でしか営業していないそうですよ。
経営者も代変わりしてるんでしょうね。
わたしが、、いまさら行く気もないしね、
ノスタルジーはノスタルジーで封じ込めておいて
それをいまさら現場に行く気は、、私にはないですからね。
ああ
それにしても、、、、
昭和は遠くなりにけり
そういう私も
きがつけば
すっかり
おじいさんに
なり果てましたよ