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サテライトクラスタ  作者: 樫木佐帆
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設定:ARメガネ「ブラインダー」について

pixivから転載。2012年1月24日制作。



 簡単に言うとヘッドマウントディスプレイにAR技術を組み込んだデジタルな眼鏡の事である。『ブラインダー』という名称はゴーグルが前に飛び出したようなヘッドマウントディスプレイが技術進歩と共に薄型・視野が広くなり、AR技術を載せた形のものが一般化、一般普及されたモデルのブランドが『ブラインダー』という名称だった事に由来する。携帯型カセットテーププレイヤーの大ヒットブランド『ウォークマン』がそのまま携帯型カセットテーププレイヤーを指すようになった事例と似ている。だが一般的にはARメガネやARグラス(注:2022年追記)、デジタルメガネという俗称の方が広まっている。主に『ブラインダー』というのは若い世代である。『スカウター』という呼び名も存在するが、これはドラゴンボールファンの間でしか通用しない。


・第0世代


 ヘッドマウントディスプレイの時代を第0世代とする。年を追う毎に映し出される映像の緻密化や薄型化など努力はしているが結局普通のモニタで十分じゃないかということであまり普及せず、AR技術をプラスする方向へと向かう。代表的なのがOculus RiftとPSVR。


・第一世代


 2007年前後からAR技術は広まっていき、2010年代にはスマートフォンや携帯ゲーム機などで少し一般化したといえる。2010年あたりからヘッドマウントディスプレイ+AR技術の機器が開発されARメガネのようなものも出始めている(本当に:ARメガネで検索してみると色々出てくる)。問題はどうやって目にAR映像を写すかの技術、それとデザイン性である。2012年から2年間はAR映像を映すためのギミックがデザインを圧迫しているのが多い。しかしそのようなギミックを使わないとAR映像を目に写せないという技術的な問題もあった。ここからレンズ一枚だけのARメガネが開発されるまでに数年掛かることになる。ちなみに第一世代からPCやスマートフォンと有線で繋ぐことが出来る。電池消費量は次世代コンデンサを使用することで大幅に抑えられ、長持ちするようになっている。


・第二世代


 2023年までヘッドマウントディスプレイ+AR技術の機器は出ていて、技術進歩もあり、ゴーグルとして全体的に薄型&小基板化になっていった時期のARメガネを第二世代と呼ぶ。ゴーグル+サングラスのような形で。問題は視野全体のAR映像実現化であり、それを実現するとなると薄いゴーグルのようになってしまう。言ってしまうとメガネ側にある基板がデザインを邪魔しているのだ。しかし人を気にせずインドアで使う分には実用に耐えているので大ヒットはしないが売れ、ニュースで取り上げられる事も多くなりARメガネの一般認識は高まった。だが大ヒット商品がでないので開発を諦めたメーカーもある。日本では3社だけになった。


 希望として実用化に耐えうる超小型電池が実現、充電式電池も小型化し、電池の新しい形として電池チップが発売、スマートフォン分野では2012年モデルの約1/3の薄さのモデルが発売された(だが薄すぎるのも問題で衝撃による破損が多かった)。これによりARメガネ単体での起動ができるかもしれないという期待が高まってきている。


・第三世代


 2030年頃に今までの発想を転換、外部機器(スマートフォン)と接続する形で基板としては映像反映部分のみメガネに付ければ良くなり、メガネの更なる薄型・ワイド化に成功。第二世代で開発を諦めたメーカーも再び開発に参入する。そして携帯電話キャリアと提携、共同技術開発するようになった。だがデザイン的にはまだレトロフィーチャーとも言える奇抜なデザインが多く(視界全部を覆わなければならないという考えが邪魔しているのも一つの要因)、一般化には至っていない。しかし第三世代にて目とレンズの近さから生じる焦点の問題(手軽な確認方法として携帯の液晶画面をメガネの位置まで持っていくと両目でも片目でも画面がぼやけてしまうのが分かる。目の焦点距離の問題でもある。その解消方法)があったが、ARメガネの特性は視界全部を覆う事であり、あまり問題とされていない。この焦点距離に拘ったメーカーもあるが、その商品は売れていない。画面解像度(特にdpi:dpiという単位が使われているのかは不明)の飛躍的な向上が一応解決を見る。だが電気量消費の問題があった。それでもデジタルなメガネとしてはほぼ完成とも言える。あとは売れてくれるかどうかの問題だった。つまり携帯電話でいうスマートフォンを一般化したiPhoneなどの大ヒット商品が出てくるかどうかである。


・第四世代


 2035年に『ブラインダー』というブランドのARめがねが発売される。


 技術は既に揃っていたので後はデザイン性と使い勝手の問題だった。『ブラインダー』はレンズ部分をプリズム加工化しめがねの上部・横部から映像を映し出す仕組みとし、奇抜なデザインを取り入れず、現行で発売されている普通のメガネとデザインを合わせ、更に機能性も優れていた。レンズ映像の広さについては第三世代より劣る(というか捨てたと言ってもいい)が、外で着用していても恥ずかしくない「普通のデザイン」「ただのメガネと変わりが無い」という事で受け入れられたのだ。耳元でのスマートフォンのようなタッチ操作が可能でデジタルの強みであるズーム機能がメガネの左淵フレームに回転型セレクタとして付けられ、これだけでも使えるというのが売れた要因の一つかもしれない。売れ方としては全国一斉で売れたわけではなく少し特殊な事情を持つが省略する。この手の製品としては大成功であり、以後『ブラインダー』がARメガネを指す言葉へと変わって行く。そしてブランド的に優位に立った『ブラインダー』は更に先手を取り様々な形のフレームデザイン製作、人気度が高いデザインを作って販売した。各社もそれを追うように類似品を発売する事になる。AR技術にて遠視・近視・老眼対応、見ている物のズームアップ機能、AR認識での自動言語トランスレーション機能…etcから若い人だけではなく中高年にも売れ始める。このような製品は実際に使ってみなければわからない所があり、『ブラインダー』はそのように実演販売の実績を伸ばし、あとはネットの評判で売れていった。普通のデザイン、ただのメガネと変わりが無い、だからこそ常時身に付ける人が増え、交通事故が多くなった。ARメガネに関する法律、主に道路交通法が定められたのも第四世代からである。コントローラーはスマートフォンが馴染みやすく使いやすいという事で使われている。


 そして第二世代からAR依存症なる新しい精神依存系の病気が報告されていたが第四世代から更に全国・海外レベルに広まっていく。それはARに触れていない者にはわからない、そのような病理である。ネット依存、ネットコミュニケーション依存、VRによる現実乖離による依存、そのような例は沢山あり、ようやく精神科が認識した頃の事でありAR依存についてはまだ蚊帳の外であった。視界として立体視できる世界、それに干渉できるのであれば、人が依存していく。例えばAR対応した簡単な映像であっても依存してしまう。そのような危険性がARにはあった。


 またアジアでは当然のように海賊版ブラインダーが登場するが、あまり関係ない。


・第五世代


 デザインは第四世代でほぼ決まり、レンズの緻密化により高精細なAR・VRが見れるようになったが、付属品がまだ少なかった。この付属品が次々開発、発売され、受容による選別を受け一般普及されていく間が第五世代と呼ばれている。メガネをかけていると分かるが、メガネのレンズ部分だけがAR映像の部分なので、そこから外れると認識はするがヴァーチャルなキーボードの打ち間違いなどが頻発する。下を向いてヴァーチャルなキーボードを表示させながら打てば問題ないが首が疲れ、キーボードを真っ直ぐ向いたところで操作すると横から見て怪しい人である。この辺の細かい問題から付属品が作られ始めたと言える。第四世代からスマートフォンをコントローラー代わりに使っている人が多い。


 最初に作られたのは指で操作する付属品である。下敷きのような薄さであるが、これは簡単でタッチセンサーを付けた下敷きであれば問題無い。キーボードに関しては0.3mm上下するボタンのキーレスポンスがあればいいので問題無い。マウスも同様で指だけで操作する。

次にゲーム用のコントローラーである。結局コントローラーが必要だというのは2010年代の反省点でもある。よく、SFなアニメで空中に現れる操作画面が出てくるが、実際には操作しにくい。スマートフォンでも操作しにくい部分がある。そのような経緯でコントローラーが必要となった。


 次に指輪であるこれで空中に浮かぶものを操作できる。


 次に腕時計が開発された。ARメガネで見ると目的地へのコンパスやその他情報を教えてくれるタイプが多い。ARメガネで見ると大体の方向を示してくれるので便利とされた。GPSのナビもあるが、目的地へのコンパスは目的地への方向を示すだけなので逆に受け入れられた。タッチパネルやボタン、ジョグダイヤルなどで簡単な操作が出来るタイプも多い。


 変わった付属品だと固定アンカーだろうか。『ブラインダー』はその便利さから歩いて使ったり自転車乗りながら使ったりしていた。これが事故誘発するとしてGPSで時速4kmを2秒継続するとAR透過率が100%となるよう道路交通法で定められた。首をブンブン振り回しても引っかかってAR画像が消えるという作りになり、そこでアンカーの受容が高まった。安全な場所であるならアンカーを中心に半径10mは規制対象外となる。また空間アンカーもあり、部屋の角に設置する事でその空間内だけ規制対象外になるタイプもある。


(ちなみにレーザーキーボードはこれまでかなりのタイプが売られているが、テーブルを直接叩くため指が痛くなり長時間使えない。キーレスポンスもないので打っている感じもしない。そこで紙のように薄く折り曲げたりでき、スイッチ一つでキー部分が熱によって膨張、キーに触って叩いている感じがする物が売られているとする)


また第四世代から言われていた移動時の映像・映像反映ラグの解消も第五世代に含まれる。


・第六世代


第六世代から『ブラインダー』からの脱却が始まる。


第五世代ではどうしてもレンズのフレームが必要だったが、それが無くても機能するタイプが開発された事により第六世代となる。物によってはレンズ部分がビニールのようにぐにゃぐにゃ曲がって割れないタイプも開発されている。これによりデザイン可能性はより多彩となった。


またメガネからコンタクトレンズ型の開発(2022年度:本当にある)が進められているとする。だかコンタクトレンズは正しく使用すればいいが、そうでない場合は様々な眼病を起こす。よってコンタクトレンズ型のブラインダーはあまり開発されないだろう。一応バイオ技術とミクロ機器を融合したコンタクトレンズ型AR機器が出ているとする。


 だが、ここまでの技術開発は義眼にも応用され、本当の眼球には劣るが生活に支障が無いほどの映像認識ができるようになった。義眼、及び失明での障害の一つとして目が見えないために視線が定まらない、つまり不審者に見えるという問題があり、それは第四世代からクリアしているとする。



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