設定:サテライトクラスタの登場人物
・樫木佐帆
ワールド管理者。ちょくちょくメタ介入するいたずらっ子。カルボナーラとペペロンチーノをこよなく愛する。つい最近まで病院生活で減塩減糖を強いられたせいか家で食べるもの何でも「うまいうまい」と言いながら食べている。そう、言葉に出して誰かに伝えるように食べるのが重要なのだと思う。ちなみに食べる時、肘をついて食べる癖がある。行儀が悪い。ジッパーが壊れたヴィヴィアンウエストウッドの財布を愛用している。酒で膵臓壊したので現在禁酒中。
言語障害があり会話コミュニケーションが苦手。人や動物よりも人形と遊んでいたほうが心休まる対人恐怖と視線恐怖の人間嫌い。ついでに間抜けでボンクラでおまけに大いなる暇人。
・奥村秀明
年齢不詳、人を寄せ付けないような暗い瞳を持つ無精ヒゲのアル中ゲームデザイナー。ブルー・フォレスト社という大手ゲーム会社に所属している。よく仕事からエスケープし社の屋上でコーラと混ぜた甘ったるい酒を呑んでいるろくでなしでもある。性格的にはあまり外交的ではなく、人間嫌いだが本当の孤独は嫌いという子供染みた部分を持つ。2010年から結構大きな仕事を回されているぐらいには能力はある。ワールド2ではアーケードで大ヒットを生み出したロボットTPS『ラインブレイカー』を作った後の物語なのでディレクターという位置になるのだろうか。
エスケープでの酒呑みに関して、ブルーフォレスト社としては一応ヒット作を出しているからか会社側からは容認されつつ「あの人みたいにならないように」という社員教育を行っているという噂である。通称、ブルー・フォレスト社の問題児。会社からからも子供扱いである。単なる酒好きかというとそうではなく、ただ酔いたいだけというアルコール依存症の症状からである。よって人間嫌いな部分である対人恐怖と視線恐怖、破滅願望を持っている。
ブルーフォレスト社に入った経緯は誰も知らない。いつの間にかそこにいてゲームを作っていた、という感じである。本人も何故かここに居たという表現を使う。普通の入社経路(履歴書書いて面接して…etc)ではないらしい。ではどうしてブルー・フォレスト社にいるかというと、本人も上司もわからないと言う。これにはちょっとしたメタ介入があり、樫木というワールド管理者からワールド1の核となる『コッペリア放送局』という所を経由、ワールド2に奥村秀明という人物が派遣されている。樫木としては気に入っている人物だが、奥村にとって樫木はどうやっても逃げられない上位存在なのでウザいと思っているが、情報は的確なのでなんとも言いがたい。ワールド2での2011年3月11日では樫木から事前情報を得てネットで知り合った山潟県香佐市(山潟県香佐市はこちらの世界での仙台と山形のような場所)に住む矢上建一郎という青年と共に対処する事になる。
ストーリーライン的には『ラインブレイカー』を作ってブルーフォレスト社に認められた奥村が『サテライトクラスタ』と『サテライトクラスタ計画』を進行中、上司である渡部にTCG企画に誘われ『スペルバインダー』などのゲームを手がける事となる。
『サテライトクラスタ計画』とは奥村と若き青年である矢上が組み、架空の日本である山潟県香佐市をゲームの町にする&ゲームの学校を作りゲーマーを育てるという計画である。つまり都市改造計画であり、ブルーフォレスト社なり何なりを全て巻き込む騒動へと発展させていく。
重要人物に渡部敦彦がいるが、これは『サテライトクラスタ』の開発中、そして『サテライトクラスタ計画』の実行前、ブルー・フォレスト社上層部の気まぐれというか人気に目を付けた連中によって企画された突発的TCG開発に、担当である渡部敦彦、奥村の上司の誘いで参加し一緒に作り上げる事となる。渡部敦彦との接点は奥村がブルーフォレスト社に入社した頃からあるが、『スペルバインダー』製作にて共に製作をする事になり、それが『サテライトクラスタ』または『サテライトクラスタ計画』に繋がっていく。
そしてこの一連のゲームから家庭用から利益が少なくなっていたアーケード部門へ移され、10対10のオンラインロボット対戦『ラインブレイカー』ゲームデザイナーとなり、予想もしなかった程の利益を上げることになる。仕組みは簡単だった。金をゲームポイントに変え、少なくとも500円払えば2ゲーム、そのゲームポイントで武器や防具やアバターを買う。そして戦場をまるでスポーツゲームのようにゴールのような物を設置してそこに攻撃する事で敵チームのゲージを減らせる事ができる仕組みを作ったのだ。ストーリー性は薄く1戦は10分。だからこそ録画プレイが増え、人気が更なる人気を呼んだ。だが考えて見るとそんなゲームは中毒度高くて当然である。1フィールド20人もプレイすればフルタイム300円×20人で6000円。ランクマッチで同時に50試合。武器機体購入でもGPが使われる。それに武器機体購入するには素材を集めなければならないという仕組みで、この利益により奥村秀明と開発チームはブルーフォレスト社上層部より信頼を得た。
『サテライトクラスタ計画』の一つであるゲーム学校の建設について、奥村の大学時代、建築志望だった瀬戸幼一と親友になり、理想の学校について話し合い、瀬戸幼一が残した設計図で山潟県香佐市に学校を作る事になる。瀬戸幼一は学校建設計画の前、事故によって死亡してしまう。だからこそ奥村は学校建設計画について拘っているのかもしれない。つまり奥村にとって瀬戸が設計した学校は瀬戸の墓だと考えている。人が流動する、若い人が集まる、そのような墓である。実際、瀬戸の骨は親族の墓に納骨されずこのゲームの学校で撒かれ、桜の木の下に埋められた。奥村の意識では瀬戸の墓なのだろう。命日にはこの場所で宴会を開いている。
後にゲームを主にした専修学校を作る事になり、奥村は若きゲーマー達候補と触れ合う事になる。学校スタートした後の奥村は先生という立場ではなく、単に学校フリーパスを持ったおっさんである。そして部活の色々に関わる事になる。教師の資格を持ってないのもあるが、教師の資格を持っていなくても少年少女は育てられる…のだろうか。よくわからないが学校にいながらにして生徒をゲームの道へと誘い込むという意味では困った大人である。第一期生への最初の課題が深夜のゲーセンに行って『サテライトクラスタ』の起動画面を録画しろ、というものであり、青少年健全なんたらかんたら法などガン無視。本当に困った大人である。校則や制服、部の設立などでも“なんじゃこりゃ”っていうようなルールを設けて生徒たちで遊んでいる。本当にマジで困った大人である。まあでもしかし、楽しい体験を与えようとしているのだ。これは奥村の小学~高校まで孤独だったというのもあるかもしれない。登校拒否や中退なんか勿体無いと思うほどに楽しい体験をというのが学校での奥村の考えである。だからこそなのだろうが授業コストの問題を生徒に向けて最初に話している。高校の場合は大体が150万から300万であり、それを生徒に認識させる事で中退者数を減らしている。
奥村のバックグラウンドについて、子供の頃に何か精神的な傷を負っているような節があるが、それは誰にもわからない。奥村の両親は山潟県香佐市に住んでいるが、もう何年も会っていないという。奥村曰く「自分がいるだけでビクッとするような家族」であり、どちらも会いたくはないのだろう。それを察して奥村は実家に帰っていない。ただ、子供の頃の寂しさが奥村秀明という人格を作ったのは間違いは無い。学生時代の話では嘘ばっかりつくことから、あまり良い学校生活を送っていない事がわかる。恐らくは一人だったのだろう。人間嫌いというのは単に寂しいだけなのかもしれない。寂しさに慣れてしまうとどうしても人間嫌いになる。言い換えれば人間が恋しいのだろう。まあ大学時に奥村が唯一の友人と言っている瀬戸幼一・春原律子とつるんでは遊んでいた。
それが回りまわってこの2人が結婚、瀬戸幼一・春原律子の子である春原千衣が産まれ、春原千衣が高校入学時に出会い、その数年後に結ばれる事になるとは最初に設定作った時、樫木も思いつかなかったのは秘密である。これは物語のラストにて奥村を解放するというのが決まっていたが、何が解放になるのか悩んだ結果の事である。奥村には甘酸っぱい思い出がほとんどないので、甘酸っぱく終わろうと思い、春原千衣からの告白で『サテライトクラスタ』のタイムラインは終わる。考えるとこれは奥村はただ一人自分だけを愛してくれる人を探していたのかもしれない。
・渡部敦彦
奥村秀明と同じ会社の人間。渡辺の読みは「わたなべ」ではなく「わたべ」である。昔ながらのゲーム製作職人、飄々とした外交的な性格でブルーフォレスト社内でこの人物が嫌いな人はいないだろうというくらいの人気者である。各メディアにも登場するのでそういうイメージがあるだろう。それでいてきっちり綿密にマーケティングをして分析するのでゲームのハズレも少ない。ゲーム業界に触れたのは8bitゲーム機の頃からでブルーフォレスト社をここまで大きくしたゲームクリエイターの一人とされている。
企画を通すテクニックは詐欺師級であり交渉の魔術師などと呼ばれている。ゲームのハズレがほとんど無いこそだろうが(ハズレの場合はマンガ・アニメなどのタイアップ物に限る)、会社内の社員曰く渡部敦彦を引いた時点で勝ちだそうだ。その点で上司からの信頼も厚い。だが、飄々とした外交的な性格は表面上だけで本当の渡部敦彦は怖いとも言われている。普段はのほほんとしているためその怖さは極一部しか知られていない。デスマーチ中に声を掛けると怒りの目ではなく殺意の目を向ける事がある。普段温厚な人物ほどギャップは強く渡部の殺意の目を見た人物は渡部という人間の印象を変え、何故かもっと渡部に付こうとする。それはやはりどんなに人格破綻者でも仕事が出来る人間に付きたいという心理が働くからだろう。
よく様々な飲み会に参加するが、それは会社内や会社外で人脈を広げるためである。単純に人脈を広げると様々な情報が入ってくるのでそれを実行しているに過ぎない。人脈を広げる事=仕事と考えている。その奥には人間が嫌いという考えがある。奥村は幼少時から人間嫌いとなったが渡部の場合はゲーム業界を知っているからだろう、人間を駒のように扱う事で最適な仕事が出来ると考えている、いたのだが、奥村との出会いで変わっていく。その人間嫌いな部分で奥村と共鳴する所があり奥村には一目置いている。渡部から見て奥村は人間嫌いな部分を正直に出しているので普段の自分を繕わなくて済むという部分で楽なのかもしれない。しょっちゅう奥村の所に来ては意見を聞いていたりする。奥村の意見で仕様を思いっきり変えた渡部担当のゲームも少なくはない。
ゲームの作りとしては、他のヒット商品を分析、そこからウケた要素を取り出して再構成する、ある意味で二番煎じであるが、その二番煎じの部分を究極に高め、そこで客を獲得している。8bitゲーム機ゲーム作者なりの売れるための哲学なのだろう。そのためヒット作にはACやSTGが多い。
妻帯者であり子供は2人いる。奥さんと出会いプロポーズした経緯は知らないが人間嫌いな所を理解しているらしい。普通女性なら“私とゲームどっちを取る”という問答で自分の重要性を理解させたがるが、渡部は迷わずゲームと回答し、それで奥さんは結婚を決意したという話である。普通は逆だろうと思うが、奥さんを選んだら思いっきりひっぱたくつもりだったとか。そうして子どもを授かるが、最初の子どもは難産で胎児が生きるか死ぬかという苦難を乗り越え出産。その上の娘は中学校でいじめに遭い、登校拒否になるが、奥村が作った音ゲーでメンタルを回復していく。後にこの娘が話すには自殺を考えていたらしい。
そこで渡部のマインドも変わっていき、ブルーフォレスト社で奥村の味方(理解者)になり、しきりに奥村とゲームを作りたいという心が働いてのブルーフォレスト社からのTCG企画にて奥村を誘った。『スペル・バインダー』にて一緒に仕事をして、それから奥村の野望とも言える企画『サテライトクラスタ』にも参加する。実際、山潟県香佐市で不動産屋・回線屋・その他色々との仲を深めて計画を実現できるようにした。『サテライトクラスタ』という計画ではとにもかくにも人脈を広げていった。そうしなければ『サテライトクラスタ』計画は無理だったからだ。山潟県香佐市に単身赴任し、蛮走することになる。…内臓を壊しながら。『サテライトクラスタ』計画では自分の死と引き換えに実現させるつもりであり、それは渡辺自身の体と引き換えに実を結ぶ事となる。肝硬変から全身に体の不調で癌になり余命1年と判断され、延命治療虚しく死んでいく。渡部と最後に話したのは家族ではなく奥村だった。渡部との最後の会話では「死んではダメだ。いつか何もかも許される時が来るから。お前が死んだら地獄でまた組んでゲームやろうぜ」という言葉で奥村が珍しく涙を見せる。渡部の葬式には出席していない。家族側が拒否したのだ。後に残された家族は渡部を死に追いやった奥村を責める、のだが。
渡部の遺言に「俺と奥村の力で素晴らしい町を作ったぞ」と書かれており、本当に奥村を責める事はできなかったのだ。そして渡部の家族は山潟県香佐市に引っ越す事になる。引っ越す事を言い出したのは上の娘だった。
・渡部恵美
旧姓:佐藤恵美。ストーリーには関係しないが、渡部の奥さんとなる人である。ゲーム業界とは離れた会社(電化製品メーカー)にて受付嬢をしていた。何故か自分の会社の呑み会にしょっちゅう顔を出す事で名前と顔を覚え、来なければ寂しく、来れば嬉しいという、まあ、恋をしていたのだろう。渡部の項と重なるが、渡部と親しくなる上で、“私とゲームどっちが大事なの”と聞き、渡部は“ゲーム”と即答したからこそ、結婚を決意したのかもしれない。プロポーズの言葉は「俺はゲームしか大事にできない。例えば君が病気で入院しようとも、ゲームが呼んでいるならば俺はそっちにいくよ? それでもいいかい?」だったとか。どっかで聞いたことがあるプロポーズだと思ったらマンガからの引用らしい(藤田貴美 EXIT2巻から)。渡部曰く一度言って見たかったとか。
そして2人の娘を産む事になる。何故か子供が出来にくい体質(佐藤恵美、渡部敦彦のどちらかは知らない)で体外受精で一人目の子を授かるが、子どもが死ぬか母体がダメになるかの相当な難産だった。そうしてやっと生まれた子どもを渡部敦彦は大切にするが、子供が中学生の時にいじめに遭い、渡部は今まで作ってきたゲームは自分の子ども一人さえ救えないと苦悩する。苦悩してゲーム業界を辞めようとしていたときに上の娘は奥村のゲームをプレイし、笑顔を取り戻していく。そこで奥さんこと渡部恵美は悟ったのか、奥村さんと一緒にゲームを作る事を提案する。自らでは癒せない部分があると思っていたのかもしれない。
・守口久
インターブレイン社ゲームパブリッシング部門に務める奥村の甥である。奥村の姉の再婚(子連れ)で親戚となった。奥村と出会ったのは小学4年の時である。姓が変わった事でいじめられたが、奥村というダメ人間と付き合う事で回復する。そしてゲーム業界を目指すが、いつのまにか出版社のゲーム担当となっていた。
不況の中インターブレイン社ゲームパブリッシング部門に入る事が出来たのは奥村が裏で仕組んでいるのではないかと守口久は読んでいるが、それはインターブレイン社の上司と奥村の関係で守口久の知るところではない(実際話はあり、交換条件で守口が入社した)。その関係でブルーフォレスト社のゲーム関係で世話になり、『ラインブレイカー』の情報本などを若いながらも担当している。子供の頃は再婚=両親の不仲で塞ぎがちな子だったが、奥村と少し悪い遊びをしていく内に回復していった。多分、守口久にとってもストレス発散の場だったのだろう、奥村はどうでもいいことまで教えてくれるので、その興味に乗っていたらいつの間にか有名大学入学&卒業となった。新卒就職にてインターブレイン社に入っている。『ラインブレイカー』の出版にはこの人物が深く関わっている、というか、関わるように奥村側が調節している。後にはコネを使って『スペル・バインダー』の書籍も担当している。後に結婚し一児の父となる。子は守口航と言う。後の『スペル・バインダー』の神様とさえ言われる“パンプキンヘッド”はこの守口の子どもである。
・矢上健一郎
2009年、ネット上のSNSで奥村秀明と出会う青年。奥村秀明のゲームのファンという事で出会ったのだ。それからネット上での付き合いが始まる(年一度くらいはリアルで会っている)。奥村と同じ山潟県香佐市の同郷、そして市議会委員の息子であり市に関する様々なデータを持っていた。矢上健一郎が持つ詳細な町のデータから『サテライトクラスタ』計画は動いたと言っても良い。それは「町中をゲームセンターにするという計画」だがその本心は「ゲーマーを育てる」というところにある。
真面目を絵に描いたような人物。リアルではともかくネット上の人脈は半端なく広い。それで香佐市のコミマを指揮し、絶大なる信頼を得て、311の地震に奥村の指示を受け動き、後に香佐市の市長にまでなる。
・瀬戸幼一
大学時代に奥村秀明と出会い、親友になった男である。お互いに友達が少なく、幼稚な部分があるから惹かれ合ったのだろう。奥村が親友と呼ぶのは瀬戸幼一と春原律子だけである。後に渡部も入るが。
瀬戸幼一は救えないほどペドフィリア(幼児性愛者)であり、そして同族の犯罪者を憎んでいた。よって子供が嫌いである。嫌いというか好きではあるが、どうしようもない自分の性であるペドフィリアの部分が彼に闇をもたらす。共感性が高いのだろう、性的虐待される子どもと虐待する大人両方に感情移入してしまう。結婚する気などなかったが春原律子と結婚し子どもを作ってしまう。そこから瀬戸幼一の苦悩は始まる。
一応は建築志望で建築を習い一級建築士になった。奥村にはよく学校を作りたいと夢の学校計画について話しており、そして夢のゲーム専修学校の校舎設計図を作り上げる。これが後のゲーム専修学校の設計図となり、実際に作られる。
春原律子との出会いは大学時代でネット上で出会った事にある。ソーシャルネットワークの時代なので実際に会うことになるが自分が会うことはないだろうと奥村を盾にしたが一発で見抜かれ、リアルでの会合となった。春原律子は頭が良く、奥村が代理だと直ぐに見分けて、それで会うこととなった。そして結婚する事になる。が、子供は作らないという約束で結婚をしたのに春原の妊娠発覚(ピルを飲むのをごまかした)で瀬戸幼一は苦悩し、春原律子と離婚する事になる。瀬戸幼一は小児性愛者であり、自らのその部分を憎んでいた。春原律子の妊娠から、まだ性別が分からないというのに女の子だと確信、危害を加えたくないと春原と離婚したのだ。春原律子が出産の時、出産後だったが瀬戸幼一は子供と会い、子供の名前「千衣」を子供に与える。
子供から握られた指、それでどうしようもなくオナニーしてしまう自分を嫌悪しながら、誕生を祝う。子供である春原千衣とは小学5年の時に出会い、蜜月の一ヶ月を過ごす事になる。その1年後、春原千衣の卒業式の時、交通事故で亡くなる。
・春原律子
瀬戸幼一のネット仲間であり、結婚する事になる。最初のリアルでの出会いは瀬戸幼一では無く奥村秀明である。瀬戸幼一は自分に自信が無いと奥村秀明に春原律子と会って来て欲しいと依頼。そうして奥村秀明と春原律子は出会うが、春原律子はすぐに相手が瀬戸幼一ではないと見抜いた。春原曰く「変態性が感じられない」とか。そうして隠れて見ていた瀬戸幼一と会う事になる。2人とも一目惚れだった。奥村秀明も春原律子に恋をするが…春原律子には瀬戸幼一しか見えていなかったとすぐに理解し2人を見守る事になる。2人の事が好きだったのだ。
春原律子は「子供が生まれるのが怖い」と言う瀬戸幼一に、まあ、実際子供出来ると可愛がるだろうとプレゼントの気持ちで妊娠、それを瀬戸幼一に伝えたところ、その日から瀬戸幼一は苦悩しはじめ病的になっていき、結婚生活は崩壊。春原は瀬戸の事を“本当に子供がダメな人”とは思いもしなかったのだ。
その話は奥村とも話し、離婚しなくても別居でいいじゃないかと説得するが、離婚をしないと娘に危害を加えるかもしれないという瀬戸幼一に押され、離婚する事になった。2人の離婚後、奥村秀明・瀬戸幼一・春原律子の3人が会食・呑むことは無くなった。しかし、2人の子である春原千衣の出産に来てくれた事や「千衣」という名前をくれた事で子供は愛されて生まれてきたのだと理解。その後、成長記録を瀬戸幼一に送り続ける。瀬戸幼一の死後、奥村と春原律子は会う事が無かったが、娘の春原千衣が奥村の学校に進学希望出した事で再会を果たす。そして奥村秀明と春原千衣の出会いも。
・春原千衣(瀬戸千衣)
瀬戸幼一と春原律子の娘。彼女が小学5年の時、彼女は一人で瀬戸幼一のところへ行き、自らのパパとママの事を知り、パパが小児性愛者だという事を知りながら夏休みの1ヶ月ほど瀬戸幼一と共に過ごす。そこで何があったのかは瀬戸幼一と千衣の秘密である。瀬戸幼一が小児性愛者だと知りつつ、会いに行ったというところで春原千衣も変態だったのだろう。父親である瀬戸幼一と触れ合う事で春原千衣は自分の出生時の事や名前の由来について知る。ファザコンなのかもしれないが、それは本人しかわからない。瀬戸と小学校の卒業式の時は薔薇の花束を持って迎えに来てという約束を交わすが、その約束は交通事故によって破かれてしまう。後に奥村秀明が作ったゲーム専修学校に上位成績で入学。入学動機は「パパが設計した学校だから」である。高校2年時に奥村に告白をし、それまで孤独だった奥村の救済者となる。
・守口航
守口久の息子。ただの高校生(2040年時)。ボンクラながらみんなに好かれるリア充。後にスペルバインダーのエース級プレイヤーとなる。プレイヤー名は「パンプキン・ヘッド」。『スペル・バインダー』内で“パンプキンヘッド”を知らない者はいないというくらいに有名。『スペル・バインダー』の神様とまで言われている。よく屋上でエスケープしているが、それは片倉里緒を見たいからかもしれない。
・片倉里緒
ただのツンツン真面目高校生(2040年時)。ゲーマーであり友達と居るよりゲームしていた方が楽という一匹狼少女。後にスペルバインダーのエース級プレイヤーとなり、守口航と結ばれる。プレイヤーは“ファイアフォックスガール”。名の通り、火炎系デッキを組んでいる。中~大レベル魔法カードでフィールド炎上させる事から俗名として炎上ガールと呼ばれている。“パンプキンヘッド”に憧れている。
・篠原真矢
女のような名前だが男である。ただの高校生(2040年時)。守口航とスペルバインダーで出会い、仮想空間の中で親友となる。リアルでの出会いは守口航である。都市部ではない学校でいじめられた子を庇ったところ、いじめの標的にされ、いじめられる子を助けられなかったと自殺未遂(飛び降り)を起こし、半身不随となるが電脳空間では障害は関係ない。そこから『ブラインダー』内の仮想空間での教師兼スーパーカウンセラーとなる。後に奥村が作り守口航が中心となるコミュニティの参謀的存在となる。通称「まーや」。
・坂本大輔
『ラインブレーカー』プログラム担当の一人。ロボットオタクでエロゲー好き。『ラインブレーカー』初期から関わり、ロボットのデザインコンセプトを考えた一人。使い捨てされる機体と機体デザインが全体としてあまり変わりがないようにしているのは坂本のアイディアである。『ラインブレイカー』はタッチパネルを採用しているがタッチパネル機能を多用しないようにシステムを組んでいる。開発当初、500円で600秒×2の戦闘はコストとして長いのか短いのか様々な意見が出たが、その調整も坂本が行っている。
独身。結婚する気はないらしい。会社周辺のラーメン屋にはやたら詳しい。『ラインブレイカー』初期からの奥村との付き合いだが『サテライトクラスタ』計画には懐疑的で実現不可能ではないかと思っている。
・空知羽衣
2人音楽ユニット「スーサイド・バニーズ」の作曲原案・歌詞・ボーカル担当。2023年時点で21歳。幼少期に絵本作家である父親から軽い性的虐待という名の愛情(性交は無い)を受けながら育つ。よってファザコンの気がありながらも男性恐怖症というか視界から男性を排除している。天使のような容姿、ぽわわんとした性格。高校時代に綿貫安奈と出会い、大学も一緒になり2人のユニットを結成する。
作曲の能力は無いがサビのメロディー部分を作ったりしている。この点に関しては同じ「スーサイド・バニーズ」の綿貫も敵わないと思っている。活動場所は主にネットであり、数々の楽曲をネットで公表し人気となる。空知羽衣としての代表曲は「全ての少児性愛者のために」だろうか。作詞・作曲も空知羽衣名義となっている。だが父親に向けてのものだがらか、幼児虐待という要素が入っていたためネットだけの公開となった。そしてここから空知羽衣は病に冒される。「全ての少児性愛者のために」公開から1年後、スキルス胃がんを発病し、敗血症性ショックのため30歳という若さで死去。父親は娘の死去でも健在。
・綿貫安奈
2人音楽ユニット『スーサイド・バニーズ』の作曲・コーラス担当。空知羽衣とは高校生時代と出会う。高校では軽音学部でバンドを組んでいたが脱退、大学生時代に空知羽衣と音楽を作るようになる。『スーサイド・バニーズ』のその歌詞・スタンスは全て空知羽衣に近づけたものである。空知羽衣の死去後、音楽界から離れることになる。空知羽衣が関わらないピアノ曲も作っており、その一つが『スペル・バインダー』のOP曲として採用。
『スーサイド・バニーズ』時代では空知羽衣のドラッグ使用・レズビアン疑惑などが週刊誌によって暴露されたが、そこは曲の完成度によって押さえ込んだ。しかし、その時の動画はネットに流出している。9分ほどの動画だが、恐らくはこれで空知羽衣の人間としてのブレ(つまりキチガイ的な行動を起こしている)を知る事ができる。そして『スーサイド・バニーズ』は伝説となりながらも消えていった。
ちなみに動画内で空知羽衣は「Amazing Grace」を歌っている。ベットの中、全裸でシーツを包みながら。そのクオリティは半端ではなく、動画サイトで人気となる。全裸でシーツを包みながらというのは綿貫安奈との性交渉を意味するが、それを含めて。「ねえ、聞いて聞いて」という空知羽衣の言葉から始まる動画。何故この動画を録ったのか綿貫にもわからない。恐らくは「Amazing Grace」の歌詞を越えるような曲を作れなかった、というのがあるのかもしれない。空知羽衣がドラッグに手を染めているのがわかってから綿貫は動画を録り始めた。記録のためかもしれないし、そうではないかもしれない。ちなみに動画でレズビアンと発言し話題を集めた。空知羽衣の病死の後は一人で活動している。空知羽衣を虐待した父親を憎み空知羽衣の父親をやんわり殺害する計画を練ることになる。
・空知拓也
空知羽衣の父親。空知羽衣の幼少期に幼児虐待スレスレの事を行う。モノホンの幼児性虐待ではなく、性虐待と理解しつつもそれを行ったチャイルドマレスターではある。本人は絵本作家であり、数多くの作品を残しているが、後期の作品が特に評価されている。その後期の作品では娘の体をパレット代わりに使ったりしている。空知羽衣がまだ幼少期の頃だ。アタマがおかしいが、まあ絵本作家というのはそういうものだろう。別に肯定も否定もしない。世界中の絵本作家をみんなみんな集めてガス室送りにしよう、と空知羽衣は歌う。憎悪と愛がこもっている歌。空知羽衣は父親から逃げようとしていたのだろう。
そのあたりで父親への愛情と憎悪を感じてくれればいいなーと。「スーサイド・バニーズ」の由来の一つとでも。
・渡辺裕香
ただの女子高校生。東北の冬に絶望している。
・吉澤美和
ただの女子高校生。卒業を控えた3月。何の前触れも無く突然自殺する。手紙を配達日を指定できるという郵便局のサービスを使い渡辺裕香にラブレターを送る。
・高梨啓太
単なるゲーム好きな小学生。斎藤佑子とは幼馴染。
・斎藤佑子
単なる小学生。父親を事故で無くす。ファザコン。
・佐藤さくら
優等生の女子中学生だったがいじめに遭い、付き合ってられんと教室不登校になり金城道子というヤンキーと出会いトルエンとタバコを吸い始める。高校には行きたいと教室不登校先の進路指導室で勉強をしている。
・金城道子
ヤンキーの女子中学生。家が工場だからか容易にトルエンが手に入る。さくらの事が好き。
・高崎真子
莫科という空っぽの所に生まれ、空っぽな家庭で育つうちに凶悪犯になる少女。この少女のせいでゲームやアニメの影響がと言われるが本人は無趣味。
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以下、現実からの登場人物(名前は変えてある)
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・大島孝美
ドロップアウトした未成年が最後に頼る人物である。周辺地域ではとんでもなく顔が広い。リアルでの人脈が広いのだ。面倒見が良く、いい感じにバカ。現在56歳。昔は(今も)色々な仕事をしている。基本は農家だが、米作ってるだけでは生きていけないのでどんな仕事でもやる。つまり何でも屋である。この人に救われた人は数知れないだろう。バカというのはその場の空気を一瞬にして変える力を持つ。趣味はウォーキング。早朝に1時間歩いているらしい。
・綿辺和浩
30歳。幼少期、母親がノイローゼで小火騒ぎを起こし離婚(焼身自殺かもしれない:そのあたりの事情はよくわからない)。その理由は父親のアルコール依存症にある。その父親もアルコール依存症で亡くしている。父親が生存してた頃はニートで悪友とつるんだりネット中毒にもなった。シャブ売りの話も来ていたらしいが断ったそうだ。父親の死去後、天涯孤独の身となり収入が無く食うものも米とふりかけしかないという状態を経験。
大島孝美の助けもあり、そこから色んな職を点々とこなし、ついでに飲み屋で出会ったであろう暴力団組員の人妻とヒモの関係になり(当の暴力団組員は刑務所へ)、どうかすると撃たれるか刺されるか埋められるか沈められるかという事も経験。そして弱小エアコン工事会社に勤め、その経営での金周りをチェック、社長だけが得をするという事に気付き、これなら自分でやったほうがいいと独立。現在、エアコン屋として山潟県香佐市を拠点に普通なら一箇所2時間掛かるところを1時間半で余裕で回れるという高い技術とどんなにキツい仕事でも楽々とこなせる体力を持っている。山潟県香佐市ではエアコン関係の仕事を紹介してくれる人と出会い、家族ぐるみの付き合いになり某電化製品販売チェーン会社のコネを得て東北を走り回っている。
夏の間は月200万は稼ぐとか(エアコン取り付けはまだ人が少ないというのもある)。だが、その金のほとんどはヒモの女と酒に消えてしまう。自分の会社を作り15%マージンで楽々と暮らすのが夢であり、マジで会社作る事になる。
(元ネタの人物は酒のせいで2020年死去。)
・松前研一
アマチュアゴルフプレイヤー。通称マツケン。背は150cmと小さい。ゴルフ場メンテナンス員だったが、元々はゴルフプレイヤーでありゴルフメンテナンスとしては向かなかった人。ゴルフメンテナンス員を辞めたのはアマチュアゴルフプレイヤーの意地なのかもしれない。非常に真面目であり、そこで客と衝突して辞める事になる(働いていた会社の理念として働く人同士の競争があり、それを本人は嫌っていた:嫌っていたというかおかしいと感じていた)。
ゴルフというのは言ってみれば社長かヤクザか金持ってる人の道楽であり、現在は不況もあってかプレイ金額も安くなっている。奥村の紹介で矢上にハイクラスな人との接点としてゴルフの基礎を教えるのがこの人である。松前も矢上も真面目なせいか気が合い、松前を通して矢上は様々な人間と出会う。香佐市では距離が長いゴルフ打ちっ放し場に入り浸っている。本人曰くパチンコよりゴルフやったほうが金額的に得だとか。真面目で気が難しいほうだが、矢上の真面目さに心を打たれ協力的になる。
・山口覚次
親が解体屋をやっていたという経歴を持ちながらパチンコ業界に足を踏み入れ、沖縄以外の全国を行脚していたが、解体屋をやっていた親の跡を引き継いで解体屋になる。だがそれも長くは続かず、発注先の逃げで資金巡りが苦しくなり経営破綻。なんとか借金1200万と従業員だった人たちの給料を返せた(そして各従業員の再就職先を紹介した)が、本人は経営破たんからの責任からか、自立の道を歩む。妻がいるが、子供には恵まれなかった。パチンコ業界に属してた頃は女に恵まれ、日本で一番とされる刺繍師と出会い、仲良くなる。つまりはヤクザ関係と近かった。見た目では温和なように見えるがそのような過去を持つ。
妻がゴルフのキャディをやっていたからかゴルフに関して非常に詳しくも本人は興味がない。というのも昔パチンコ業界で企画担当やっていて、収益の少ないパチンコ屋を全国渡り歩いたという事があり、そのせいでパチンコジャンキーとなっている。
本人曰く、新台入荷時は何もしなくとも人が座るため負ける、とか。その経歴を持つからかパチンコ屋で負けるということはほとんど無い。10万単位の稼ぎはもちろん、多い時には30万。負け知らずなのが恐ろしい。昔は柔道をやっていて某県で3位の成績だったらしい。そして結婚するが子供には恵まれなかった。だから今、柔道の先生をやっていて、それが物凄く楽しいらしい。小さな子供に先生と呼ばれるのが嬉しいとか。今はゴルフ場のメンテナンスを行っている。「何が楽しいのかわからん」とは言うがゴルフに関しては滅茶苦茶詳しい。メンテナンス=接客なので仕事に対してはかなりのこだわりを持つ。本人は金とプレイヤーのためとか言っているが、ある種のツンデレだろう。
・末原慎
まつばらまことと呼ぶ。キチガイに憧れる70歳の凡人のおじいちゃん。5ちゃんでしか自分を保てない5ちゃん中毒。素敵な母親に育てられたせいか母親に反抗できずにこれまで育ってきた。よって自立できず、人(ネット上)とは嘘でしか会話できない。TCG作ってるのも嘘、50人とやったというのも嘘、何もかも嘘。本人は人格分裂してるというが中途半端すぎて一周回って雑魚可愛い。無職に5ちゃんという半匿名ネット上の場を与えた現代の病理の一つの形でもある




