1000分の1
作者自身、文章力も語彙力も全くの"0"ですのでどうか温かい目で見てやってください..."(-""-)"
ヨシナニお願いします
統一歴1000年
俺はチャンピオンになった——
「何が起きたかいまでもわからないよ」「瞬きをしてたらいつの間にか決してたんだ」それは人々が口にするほど一瞬の出来事だった。
ベルセベルゲン大陸南西に位置する統一国家ローギランスが制定され丁度1000年、長い間の天下泰平を存続し続けてきたことを祝して同盟国各国の国王たちの協力の下この年の春、魔剣武カップが開催された。その名の通り魔術・剣術・武術なんでもありだ。
この大会はローギランス連合王国のインディス・ノストワール会場で全行程が行われる。名前の由来はローギランス統一の立役者の一人である将軍ノストワールからとったものだ。彼は実際に将軍だったわけじゃない。しかし、彼の戦地での悪鬼の形相とその闘争心が当時の敵兵からそう言わしめたらしい。
そんなことはさておき、大会の火ぶたが切られる約一か月も前から会場近辺では、それにあやかろうと会場の前では屋台が軒を連ねた。
俺は一か月にも及ぶグループ総当たり戦、決勝トーナメント戦を難なく勝ち進み決勝にコマを進めた。大陸の同盟国各所から集められた1000人の兵達がこのローギランス王国の王都ロストワンに集められ、その頂に達するのにあと一戦。
「あのクラクラキングと呼ばれたお前がここまで来るとはな」
俺は大陸の西に位置するローギランスの中でも最西端イーランド村代表として今ここに立っている。対してその相手は同盟国の中でも大陸の最北端に位置するノスシント王国の代表であり、俺とはこの舞台を夢見た時代に交友のあるクラキングという……小童だ。
「何十年前の話をしてるんだ。今オレが見てるのは一刻先、国王たちの面前でその勝利をたたえられている未来だけだ。チャンピオンの名を冠するのにふさわしいのは少なくともお前ではない。」
屈強で筋肉質の体躯に見合わないサッパリとした表情の中には優勝を渇望するギラギラとした瞳がこちらに向けられている。
「御託を並べてる奴は弱いって太古から決まってるんだよっ」
そのセリフと同時に俺とクラキングは走り出す。大陸各国から集まった大観衆(ほとんどは決勝者2人のサポーター達)は少し静まり返った。
皆国運をもかけたこの一戦に集中しての事だろう。
そして、放たれた閃光とともに鳴り響く轟音をかき消すかのように割れんばかりの声援が沸き上がった。大観衆も乱舞するほどの白熱試合。
「確かに昔に比べて強くなったな……それにあのもやしのお前がここまで変わるとはな。けどよ……」
「オレは昔のお前には勝てなかったけど今はその千倍はつよくなったっ……」
俺の言葉を遮るようにクラキングがその自信を口にした。
ギュイィーン――幾度目かの剣と剣の衝撃波と轟音が会場とその地を轟かせやまびことして帰ってきたのを合図に太刀を斜めに倒し相手をいなして背後をとる。
俺はその千倍だ――
刹那、会場の音という音が消えた。
ドスゥン――会場に響いた乾いた音を合図にして再び今まで以上の喝采が会場を轟かせた。
時間にして約1分の決勝は他のどの試合よりも短く素朴な試合だったがそのたった1分は未来永劫語り継がれる俺の伝説の始まりに過ぎなかった。
俺は勝った。剣を天高く掲げ腹の底から雄叫びをあげた——
1000年、魔剣武カップ本戦、見事約1000人の頂へと達したのだ。
*
その後魔剣武カップはその反響具合から恒例行事となり、毎年大陸中の精鋭たちを集めインディス・ノストワールで開かれることになった。
しかし、初回のクラキングが記録した試合時間58秒が最長でサガの前では20秒立てたものはいなかった......
サガはいつの間にか大陸の伝説となりて、各国で銅像やらその名を冠した施設まで建設されていき、もはや生ける伝説となり果てたのである。
これは、そんな世界チャンピオンが自分を看破できる者を育て上げる物語である。
「あー、暇だねぇ。」
歴史にその名を遺した伝説のチャンピオンは鼻くそをほじりそれに挑むものと対峙するのであった......
ご覧いただきありがとうございます~!!
ヨケレバご感想をいただけると幸いです!!
下にある星マークを押して評価を是非とも❣❣
★★★★★
次回からは2話ほど過去編になります!
続きが気になる方はブックマークをお願いします❣❣