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転生して魔王になったら  作者: 揚羽
二章 アグネス大陸にて
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忘却って凄いよね

そこには骸骨があった。

一体や二体ではない。

何十という数が折り重なっていた。


「…何あれ」


「人骨ですね、形からいって」


「いや、そうじゃなく…」


何がなんだか分からないがこんなホラーかミステリーな村にはいたくない。


「じゃあカトレヤちゃん、灯りはそのままでいてね、僕が降りてみるから」


ハリスは切り替えが早いようでロープを…って降りるのかよ、その度胸を分けてくれ。

そうしている内に即席で命綱を用意したハリスは慣れた手つきで井戸の中を降りていく。

暫くすると小枝(ということにしてくれ、怖いから)を折ったような音がして覗くとハリスが手を振っていた。

底(いや、アレが堆積してるから違うんだけど)に着いたようだ。


「なんかいやに綺麗な穴があるんだけど小さくて入れない! 覗いて見たけど曲がりくねってるみたいでよく分からない!」


あ、それって…


「カトレヤちゃんなら多分いける!」


ですよね。

カルロスは諦めろとでも言いたげにしている。

ああ、神様…は駄目だな、ええと…ご先祖様…は前の世界と今の世界、どっちの先祖に祈ればいいんだ?


「ほら早く。それと中は狭いから火はやめた方がいいと思ったんだけど…」


仏…っているのか? ここは魔王らしく邪神とかに祈るか、いやでも弱ってる神は御利益なさそうだし。


「聞いてる? あ、もしかして光魔法使えないの? だから恥ずかしくって黙ってるんでしょ、可愛い所も…いだっ!」


とりあえず殴っておいた。


「何でもいいですから、降りてくださいね?」


とりあえずカルロスの笑顔が怖かった。


***


「うゎ…」


井戸の中は暗かった。

円い空から微妙に光が射し込んでいるせいで足元のアレが反射して…言いたくもない。

ここでスタンバってる幽霊は恐ろしくないんだろうか。


「穴、入れそう?」


気楽そうな声も井戸の中で変に響いて恐怖を煽る。ハリスはよく降りて来れたな。


「カトレヤちゃんから見て右下だよ」


右下には確かに穴があった。

確かに俺がギリギリ通れるサイズ。

なのだが、その前に、しゃ、しゃれこうべが転がっていて…


「カトレヤちゃん怖いの? 可愛い所もあるんだね」


怒りが原動力になるって本当だったんですね。

俺は穴に身をねじ込むと這って進んだ。


***


「あの子、なんだかんだで扱いやすいよね」


「そうですね、リーダーに似ています」


一方、地上で待っている男二人はおしゃべりをしていた。

女がおしゃべりならいいけど男だと途端に気持ち悪い文になる。うん、どうでもいい。


「だから連れていくんでしょうか?」


「カトレヤちゃんは自分、モリオンくんはリーダーのお師匠様を重ねていたりして」


おしゃべり(断固続ける)に花(絶対に薔薇じゃないぞ?)が咲く。


「確かに、普段より優しい、というか甘い気がします。あの子達に会う前にリーダーの気にくわないことを言ったなら…」


「入院モノだね」


ハリスは説得力がありすぎる顔をしていた。


「でも今は一発だけ。最初は子供の前だからってのも考えたんだけど…」


「リーダーに限ってそんな事はありえませんね」


カルロスも説得力がありすぎる顔をしながら言った。


「今もこんな罠にかかって…やっぱり甘くなっている気がします」


「かかってないわよ!」


そこでさっきまでお茶会をしていたはずの勇者が戻ってきた。

後ろにノーラもいた。


「あのお菓子もお茶も、味がしなかった。罠にしては詰めが甘すぎ」


「時間がなかったから雑に作ったのかしら」


「ぼくで遊んで時間稼ぎに乗せられてたくせに…」


ついでにモリオンまでいた。

のだが、


「ぷっ、か、顔にクリームが、べちゃって…」


顔にクリームを塗りたくられて頭には苺が飾り付けられている。さらさらな黒髪は見る影もなく苺のソースでベタベタになっていた。


「うぅ…」


金色の瞳には涙がたまっている。

そういう趣味の人ならコロッといってしまいそうだ。


「じゃ、時間稼ぎにも付き合ってあげたんだからそろそろ行きましょう?」


何としても乗せられてたとは認めない勇者は僅かに頬を赤く染めながら宣言した。

首を突っ込まないのかよ、とか言われながら堂々と歩いていく。

モリオンも後に続いて歩きだした所でふと立ち止まる。


「で、ご主人様は?」


ごめん、忘れてた。


***


俺は穴の中を進んでいた。

灯りはつけていない。

酸素とか怖かったからだ。

上の連中には夜目が利くからと言い張っておいたし怪しまれては…まぁ、いるかな。


穴の中は異様に綺麗だった。

何で掘ったらこうなるんだろうか。

蛇の巣のよう…って不吉だ。

ホチュアといい巨大虫といい、この世界ならそれもあり得そうで余計に恐ろしくなる。


「あ、もしかして…」


唐突に気づく。

これ、魔法で掘ったんじゃないか?

地底人の固有魔法“掘削”なら出来るはずだ。

生きていたのか?

いや、彼らは奴隷として魔大陸から連れてこられ、アグネス大陸の鉱山で働かされたわけだ。

なら別の地底人の穴や昔脱走のために掘った穴という可能性もある。

俺の配下の地底人とは限らない。


「あ」


そういえば地底人は配下にしたから俺も使えるんだよな?

…………穴、広げようか。












答えは1でした。

穴に骸骨はなんかいいですね。

ホラー映画は見ませんが。


話は変わって明日は入学式です。

だからどうしたといわれてしまえばそれまでです。


次回予告

村から脱出



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