向かう先
上空で俺たちはただ見ていた。
魔大陸が終わる様を。
“神光剣”は全てを消し去った。
それを見て、初めて実感する。
これは、現実だ。
今まで俺はどこかゲーム気分で過ごしていた。あの騒がしくも楽しい日々はこんなにもあっさり、終わってしまうのか。
今まで俺はどこかで魔王達に甘えていた。
あのひと達は簡単には死なないなんて思って。
今まで俺はこの世界をなめていた。
昔、他の魔王が勇者にやられたということを知ったとき、その魔王は弱いなと思った。
でも、魔王は全然弱くないのにやられた。
強さの桁が違う。
それに、レインに会ったとき役割分担だとか喜んで矢面に立つことの意味を知らなかった。
「ねえ、ご主人様、あれと戦うんだよね? 邪神を助けるんだよね?」
答えられない。
答えられる筈がない。
「…そう、だよね、分かんないよね」
モリオンは力なく呟いた。
「マスター、モリオンさん、今はここを離れるべきかと思います。教会に見つかることは避けるべきです」
俺達に比べてアンは冷静だ。
すでに次のことを考えている。
「…どちらに向かいますか?」
聖大陸とアグネス大陸。
普通に考えるなら聖大陸だ。
提携しているのだから当然。
でも俺はあえてアグネス大陸を選ぶ。
理由は明確。
魔大陸にはアグネス大陸に通じる穴がある。
魔族がいるかもしれない。
魔王夫妻が死んだ今、魔王種は俺一人だ。
責任を持って纏め上げないといけない。
「アグネス大陸に」
抉れて、海になってしまった魔大陸の跡地。
背を向けて西に向かう。
「ご主人様、アグネス大陸のどこに降りる?」
「休めるところ」
でも、少しだけ休もうか。
さて、幼女時代は終わりです。
魔大陸は海になってしまいました。
次回予告
自称神様の出てくる夢を見る




