目覚めたら魔王の娘
…おぎゃぁあ………おぎゃあ……
「魔王様、産まれましたよ!可愛い女の子ですねっ!」
って、おいっ!?
魔王様!?女の子!?
「こら、エレナ、驚かせてしまったぞ?気をつけろ」
周りを見ようとしたが首が動かない。
あ、赤ん坊だからか。…じゃなくて!
「申し訳ございません、魔王様」
「ほら、お母さんだぞ。アイリス抱いてやれ」
俺の母親はアイリス、というのか。
綺麗なひとだった。
艶やかな金髪に宝石のような青く澄んだ瞳。
それと、真っ黒な蝙蝠の羽………なんか、色々納得。
「可愛いわ、私とアズライト様の娘だもの」
アズライト、魔王様と呼ばれていた俺の父親らしい。こちらは逆立った銀髪に赤い瞳で羊のようなねじくれた角が生えている。
「はい。とっても可愛いです!」
これはエレナと呼ばれていたメイドだった。
アイリスに抱かれて初めて顔が見えた。
やはりというか短い白い角が二本生えていたが赤毛にそばかす、灰色の大きな瞳の美人さんだった。
その後は産湯につけられたり、おくるみにくるまれたりした。
常に可愛いと言われ続けた俺のメンタルと赤ん坊の少ない体力が削られて物凄く眠くなった。
可愛いって言えばいいって物じゃないだろ。
「…そうねぇ、名前はカトレヤにしましょう」
「アイリスがそう言うのならそうしよう」
俺の名前はカトレヤになったらしい。
確認してすぐ眠りに落ちた。
次回予告
自称神様にまた会う




