ギルドを作ろう!(仮)
適当に書き上げたので、推敲とかはしていないです。
なので矛盾とか細かい点とかはスルーで。
空間の歪みに引きずり込まれ、異世界に落とされた恭。偶然落ちた場所は未発見の遺跡だった。とりあえずそこにあった宝石など近くの国(徒歩3日ぐらい)へ行って売り、あとはギルドへ登録してちまちまとお金を稼いでいこうとおもったが…。
探せど探せどギルドは見つからず、困った恭は近くの人に場所を聞くと…。
「ぎるど?なにそれ」
「お店の名前?何屋?」
あれ?結構大きな町だと思ったのに…仮にギルドが無いにしても、名前も知らないなんて、ここどんな田舎!?
とりあえず違う質問をしてみた。
「この街より大きな街?ここ王都だし、この国にはないんじゃね?」
「この国もこの大陸で有数の国だしねぇ…この国以外でなら…キラティナの王都のグランガとか?」
まじか!!
どうやら本当にこの世界(とりあえずこの大陸)にはギルドは存在しないようです。いちおー確認のためさっき挙げてくれたグランガ(徒歩1か月半ぐらい)に行きました。
…結果やっぱりありませんでした。
こんなRPGちっくな世界にギルドがないなんて許せん!!こうして恭はギルドを作ることを決心したのでした…。
まず最初にするのは本当にギルドが必要かということ。
作ったはいいが誰も使わないじゃ意味ないし。
現時点で依頼のやり取りがスムーズに行われてるか観察してみました。
結果…
冒険者が依頼人を脅して金額釣り上げ
特定の冒険者(またはグループ)に依頼が殺到+職にあぶれる冒険者多数→盗賊へ
だれに(どこに)依頼していいかわからなく、手詰まりな依頼人多数
やっぱギルド必要だよね。
次は場所&建物確保。
場所はなんか偶然助けたお爺さんがお金持ちだったらしく、結構街の中心地にかなり広い土地をもらっちゃいました。
使い道に困っていたらしい…
そこでギルドの話をしたら、面白そうということで。この人が初代ギルドのスポンサーになってくれました。
なんでも時間とお金だけは余っているそうで。だから今後お金に困ることもなし!やったね!
ちなみにこのお爺さん、商会の会長かつ貴族とからしく、コネたっぷり。いろいろ使わせてもらいました。
ある程度建物の構造を決めたら、次は建築関係者を回りました。
この街で家を建てれる規模の大工は3件。それぞれに図面を見せてどれくらいの費用と時間がかかるか聞きました。
1件目。
「大きさが10×12×6だから…だいたい金貨24枚で4カ月ぐらいかな。」
独自の計算で出してるもどういう式だ!って感じ。
2件目。
「あー金貨30くらいでいいぜ。3か月ぐらいかかるがな。」
ちょーアバウト。てかやる気あんのか。上から目線がむかつく。
3件目。
「図面を見せてみろ。…ここは食堂に休憩室?あんた、旅籠でもやるつもりかい?」
「まあ、似たようなもんさ。」
「…ふん、まあいい。…結構な規模だからな、少なく見積もっても半年はかかるだろう。費用は金貨50はいくだろうな。あんたに払えるのか?」
こんな感じだったので、3件目にお願いしたのは言うまでもないだろう。費用や時間より、信用が大事だしね。
次は人手確保。
まずは食堂をどうするか。
街で探してみました。
条件としては第一うまい。第二高すぎない。第三辺鄙な場所にあって繁盛してない。
第一は当然だろう。
第二はある程度安くなきゃ冒険者も使わないしね。
そして第三。これはこちらに引き込むための相手のメリットだ。
もともと繁盛しているお店なら、わざわざ今後本当に人が集まるかわからない場所にお店を移したいとは思わないだろう。
だからこそこの条件。便利な場所にさえお店を開ければ繁盛する見込みがあるなら、その諸経費さえ考えなければギルドにお店を開いてみようと思ってくれる可能性が高い。
もともと繁盛してないため、失敗してもあまりデメリットがないからだ。だめもとでってやつ。
そんなんで街の食堂巡り(辺鄙な場所限定)をしました。
結構辺鄙な場所でもうまければそれなりに人は入っている。口コミは馬鹿にできないからなぁ。
でもそれじゃ条件をみたしてない。
回った店が二桁を過ぎてしばらく。
ぶっちゃけこの店を見つけたのは運が良かった。辺鄙なとこにある食堂を見つけようとしてなきゃ、絶対見つかんないくらい隠れてた。
店の壁にちっちゃな看板が一つだけ。
『食事処』
ぱっと見は普通のさびれた家もしくは倉庫って感じだ。
恐る恐る入ってみると…
「!ぃいらっしゃいませ…」
中には20ぐらいのお姉さんが1人だけ。なかなか美人だ。まさか客がくるとは本人も思っていなかったようで、びっくりしたままかすれた声で迎えた。
いいのかそれで…。
店内は薄暗いが、それでも整理整頓され、きちんと掃除もしてあるようで、なかなかきれいだった。インテリアも割と好みだ。
これで味が良ければ決定なんだが…
ぶっちゃけこのお姉さんが料理がうまいとは思えなかった。なんで食堂を開いているのかさえ疑問だ。
まあ、物は試しに…
「おすすめをてきとーにお願い。」
メニューがなかった。いいのかそれで…。
「っはい!」
結果…
こっちの料理ではなく、どことなく元の世界の和食に似た料理だった。
おどろいたけど、とりあえず食べてみると…
まずくはないんだけど…なんか決め手にかけるなぁ…
「ねえ」
「ははい、なんでしょう!」
「この料理の作り方って教えてもらえる?」
という感じで調理法を教えてもらうと、驚くほど似ていた。
「この料理ってどっかの郷土料理とか?俺の故郷の料理に似てるんだよね。」
「あら、パクシカ出身なんですか?私の父がパクシカ出身で…」
その味を広めたいと食堂を始めたのだが、元手もなく、ノウハウもなく、どうすればいいのか困ってるとこに俺がきたと。
まあ俺もうまい和食が食えるなら…。
「提案があるんだが。」
ギルドのことを話し、その食堂に出店してもらってもいいと。
「っほんとですか!」
「ただし条件がある。」
これじゃはっきりいって客は呼び込めない。家庭料理の枠を超えていない。
「俺が料理を教えてやるから、2週間で俺を納得させる味にしてみろ。」
こう見えてもずっと一人暮らしだったから料理はできる。しかも人一倍味にうるさいため、腕もいいほうだと自他ともに認めてる。
「…それをクリアできなかったら?」
「ペナルティーはなしだ。ただ出店の話はなくなるが。…悪い話じゃないだろう?」
「なんでそこまでするんですか?」
「ただ単に故郷の料理を食べたいからだ。今は自分で作るにもちょっと面倒でな。だれかに作ってもらえるならそのほがいい。なに、できなかったらいつか自分で作るまでさ。」
「…わかりました。2週間よろしくお願いします。」
結果…
完璧とは言わなくてもそれは俺基準。一般的には、元の世界でさえも1流レストランで出せる(まあ家庭料理だが)味に仕上がりました。
てわけで決定。ぱちぱち。
「…少し休みを…」
「残念だがすぐに調理場の設計、必要な材料とその量、仕入先、あと内装やメニュー決めとか色々あるぞ。」
「そんなぁ…」
…すこしスパルタすぎたかもしれない。まあ、結果が出たんだからいいだろう。
次は事務員かな。ついでにギルドの宣伝もしよう。