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第一回




ピンポンパンポーン




「理沙と!」



「直樹のー」



『北高お昼休みラジオー』



ぱんぱかぱーん!



「はい、というわけで北高お昼休みラジオ略して北ラジ、記念すべき第一回目を迎えました!いやーとうとう始まってしまいましたね!」



「そうですねー理沙さん。だがその前にこのタイトルなんとかならなかったんですかね」



「なにをおっしゃる直樹さん!これは全校生徒のアンケートから厳選した名前なんですよ?あなたも納得ずみではないですか!」



「いやだってほかの案があまりにもひどすぎて……」



「さ、最初からそんなテンションでどうしますか!そんなことより今日は第一回ということもありまして、北ラジの成り立ちを説明しましょう!」



「説明もなにもただノリと勢いで始めただけじゃないですか」



「……いいかげんにしろよ?」



「ひぃ! ご、ごめんなさい!」



「はい、では気を取り直して。えーこの北高ラジオはですね、生徒会長と僕とそこの直樹くんが、お昼休みを盛り上げようと思い、手っ取り早くしかも毎日できるものということで、校内放送をラジオにしようということになったのです!あ、もちろん学校からの許可はおりてますよ?」



「あれは無理やり取ったんだろが……!」



「お、おほん! というわけ本日4月22日から始まったわけなんですよ。で、具体的にはなにをするかというわけなんですけども!

なにをしましょうか直樹さん!」



「決めてなかったのかよ……」



「で、でも今日はなんと、あの完璧超人と呼ばれる生徒会長、三品 遥さんにお越しいただいております! ではどうぞ!」



「どうも、完璧超人こと三品 遥です」



「か、会長がジョークだと……ッ!」



「はい、このラジオの裏の創設者である会長さんに来てもらいましたー! いやー、会長さんにはほんとお世話になりました」



「いえ、私はそうたいしたことはしていないわ。ちょっと先生方にお手伝いをお願いしただけだから」



「会長がこえーよ……!」



「それでですね、全校生徒から異常な人気をほこる会長ですが、ずばり! 好きな人はいらっしゃるんですか?」



「ええ、いるわよ」



「まじか、波乱がおきるぞ……。会長は人気だからな」



「この際もう告白しちゃいましょうよ! 第一回目が告白だなんて素敵じゃないですか!」



「俺は止めたほうがいいと思うぞ? そいつ会長ファンクラブにぜったい殺される」



「私の好きなひとは、あなたよ、直樹」



シーン



「……へ?」



「な、なななにを言ってるんですか会長! こんなこれっぽっちも冴えない男のどこがいいんですか!」



「ちょっとへこむぞそれ……」



「どこがいいって言われても……。そうね強いて言うなら全部、かしら」



「会長……!」(感激中)



「だ、だめですよっ! こんなやつと付き合ったって会長がだめになるだけです!」



「あら、どうしてそんなに必死なのかしら? 理沙」



「べ、別に必死じゃないですよ! 僕幼馴染だから知ってるんです! こいつがダメなやつってこと!」



「いいじゃない、わたしの好みなんだから」



「ぐぬぬぬぬ……」



直樹いいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!



「うおっ、校舎全体から恨みの声がっ!」



「ふふっ、大変ね、直樹。それで返事は?」



「あ、えっと、その……」(赤面中)



「だ、だめーーーーッ!だめなのそんなの認めないのッ!」



「あら、どうしてかしら?」



「直樹には、その、ぼ、ぼく……。とにかくダメったらだめなの!」



「わ、お、おちつけ理沙暴れんなっていたいいたい!」



「ふふっ、落ち着きなさい理沙。冗談よ」



「だめったら……、え、冗談?」



「冗談!?」



「まったく、すぐ本気にするのね。からかいがいがあるわ」



「も、もー、びっくりさせないで下さいよ会長ー。そうですよね、こんなだめ人間にほれるやつなんていませんよね!」



「振られたりけなされたり、今日散々だな俺……」



「あら、そうでもないわよ? これでも直樹はそこそこ人気があるのよ?」



「なんですと!?」



「ほ、ほんとなんですか!?」



「ええ、ほんとよ。だから理沙、取られたくないならしっかりしなさいね」



「な、何言ってるんですか会長僕そんなんじゃっ……」



「なぜそこで焦るんだ理沙……」



「うううるさいっ、この鈍感はだまってろっ」



「鈍感? 俺がか?」



「……はぁ、もういいや。なんか疲れたよ」



「直樹のこれも考えようね……」



「なんだ、結局ばかにされてんのか?」



「もういいですっと、そんなこんなしているうちにもう時間がせまってきました! いやー、時間がたつの早いですねー!」



「そうね、楽しいとなおさらだわ」



「結局一つしか質問できなかったけどな。……理沙がてんぱったから」



「う、も、もういいじゃないですか過ぎたことは! それより、次回は校長先生にお越しいただきます! でも生徒さん達の声次第ではまた会長さんに来てもらうかも!」



「ぜひとも来たいわね」



「いいのか? それで……」



「それでは、第一回北ラジ、これにて終了です! みなさんさよーならー」



「さようなら」



「さよーならー。……こんなんが続くのか?」





ピンポンパンポーン





その日の放課後、結局直樹はリンチにされた。



「なんでだよ俺振られたじゃねーかよ!」



『だまれリア充ッ!』


ノリと勢いで書いた。後悔はしてる。



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